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RDO紹介:小川泰平(九州エリア担当)

都道府県ラグビー協会や自治体等と連携し、各地域でのラグビー活動をより良いものにするために活動しているJRFUのRDO(Regional Development Officer:地域普及担当者)。
今回は九州エリアを担当する小川泰平をご紹介します。

―小川さんとラグビーの関わりを教えてください。
私が小学1年生のときに、父がラグビースクールを立ち上げました。和歌山らしく、その名も「梅干しジュニアクラブ」です。当然のように私も梅干しジュニアクラブでラグビーを始めました。中学校の3年間はラグビーを離れましたが、高校でラグビー部に所属し再スタートを切りました。とは言え、高校のラグビー部は先輩が2人しかいないチーム。当初は試合すらできなかったチームが、高校3年の春には県大会で準優勝を掴んだことが思い出に残っています。大学も地元の和歌山大学でラグビーを続け、振り返ると青春はラグビーとともにありました。
社会人になってからはビーチラグビーで楕円球に触れていていて、心のどこかにラグビーを仕事にしたい想いがあり、JRFUの求人情報も頻繁にチェックしていました。

―どのような点にRDOのやりがいを感じますか?
私は沖縄県を含めた九州8県を担当しています。ラグビー普及の現場に伺う機会にも恵まれ、様々なステークホルダーの声を伺っているなかで、8県の中でも違いがあり、同じ県内でも普及の状況が異なることに気がつきました。日本地図を見ていただけでは分からない、ラグビー普及の実態を知ることができ、そこにRDOとして関わることができることに面白味を感じます。
そして、現場をまわり、地域が独自に取り組む普及活動の情報を収集することによって、全国的な活動との違いや、あるいは優れた取り組みをJRFUの普及育成委員会で共有し、普及育成事業に還元することができる。自分で考え、次の活動に反映させられることがRDOの魅力です。
また、現場に足を運び、顔を覚えてもらったときに、地域のラグビー関係者から「新しいアイデアで風穴を開けて欲しい」と声を掛けられたときはRDOへの期待を感じ、大きな責任を感じました。

―地域ラグビーの「ありたい姿」は十人十色です。RDOとしてどのように関わっているのでしょうか?
おっしゃるように、地域のラグビーが目指すものは十人十色であり、正解と呼べるものがなければ前例もありません。それぞれの地域のラグビー関係者が思い描いている「ありたい姿」を具象化していくことが自分の仕事、すなわちRDOの仕事だと思っています。ですから、地域の課題を伺うなかで、こうありたいのかな?こうなるべきなのかな?と常に関係者と対話し、考えています。例えば、競技登録者数を増やすというテーマひとつをとっても、こうすれば必ず増えるという正解はありません。JRFUは2018年度から小中学生を対象にした「全国一斉体験会」に取り組んでいますが、この事業が地域のラグビーにとってどういう意味を持つのかを考えなければ独りよがりになってしまいます。

―ご自身のRDOとしての強みを教えてください。
RDOの活動は、様々なステークホルダーとの協働で成り立つ仕事だと日々実感しています。だからこそ、自分が社会人として経験してきたことを活かし、ラグビーに貢献できると考えています。前職では8年間、総合エネルギー商社で営業を担当しました。目先の利益を求めると、誰かに負担がかかり、よい関係が継続できないことを身をもって経験し、仕入れ先と得意先、自社のメリット、デメリットを考え、継続的な商売として結果を出すことを心がけました。
また、営業の業務を通じ、常に数字を分析し、それを基に次のアクションを取ることが体に染みついています。RDOの仕事でも、数値を用いて次のアクションを考える。ラグビー普及のコンテンツを商品としてどう売り込むのか、営業の視点で取り組んでいます。

―RDOとして、ご自身の今後の展望は?
まずはRDOの存在を知ってほしいです。知ってもらい、関係を築くことで腹を割って話してもらえるようになりたい。地域に寄り添い、例えるならカメレオンのようにその色に染まり、一体となって考えていくことができるのがRDOです。地域がどうありたいと考えているのかによって、見える色も提示する色も変わってきます。RDOは業務の幅が広く、多様な色を持っていないといけないので、今はJRFUの普及育成事業の理解を深めています。
それから、私が働くうえで大事にしている、買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」の精神も大事にしたいです。RDOの活動でも同じように、それぞれの立場に立つ方々にとって本当に有意義な事業になっているか自問自答を続け、ラグビーの発展が社会貢献につながればとても嬉しいと思います。

小川泰平:おがわ たいへい。1990年生まれ。和歌山県出身。梅干しジュニアクラブでラグビーを始める。総合エネルギー商社での勤務を経て2021年10月よりRDOとして勤務。