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RDO紹介:守屋篤(関西エリア担当)

都道府県ラグビー協会や自治体等と連携し、各地域でのラグビー活動をより良いものにするために活動しているJRFUのRDO(Regional Development Officer:地域普及担当者)。
今回は関西エリアを担当する守屋篤をご紹介します。

―守屋さんとラグビーの関わりについて教えてください。
今年で41歳になりますが、ラグビー歴は37年ほどになります。僕がラグビーを始めた経緯ですが…覚えていません(笑)。父がラグビーをプレーしていた事もあって、子どもの頃からラグビーが身近にあり「気づいたらやっていた」という感じでしょうか。父曰く、僕が初めてボールに触れたのは3歳の頃だそうです。それからずっとプレイヤーとしてラグビーに関わってきましたが、2014年の引退を機に、プレイヤーではなく指導者やスタッフとしてコーチングや普及イベントに携わるようになりました。その後も、様々な形でラグビーの普及育成事業に携わり、現在に至ります。

―守屋さんは現役選手の頃から継続してラグビー普及に関わってこられました。RDOとしての取り組みと、当時の取り組みで違いはありますか?
日本代表に選ばれていた頃、試合に出られないメンバーで普及活動に参加する機会がありました。試合に出られなくても活躍の機会があり、みんなを笑顔にできる。この経験が普及活動に関わるモチベーションになりました。引退してからも普及活動に取り組んできましたが、今思えば感覚に頼っていたところがあります。例えば、関西では大阪や京都でラグビーが盛んな印象があり、その一方で、ラグビーが盛んでないと捉えていた地域もありました。でも、RDOとなりJRFUの保有する様々な数値、例えば競技登録者数や指導者、レフリーの人数を読み解くと、けっしてそうではありませんでした。それぞれの地域で普及について深く考えている方がおられ、独自の取り組みが展開されていることも知り、ラグビー界に長くいることで誤った先入観を持っていたことに気づきました。こうした数値を持っているのは中央競技団体であるJRFUの強みです。これらを活かし、客観的な指標を持って動くことができるのがRDOの強みだと捉えています。

―どのような点にRDOのやりがいを感じますか?
新たなご縁をいただき、たくさんの方と知り合いになれることです。出会いを通じ、自分が思いもしなかった発想に触れたり、逆に自分の経験や知識を地域の方に共有することで新たな取り組みが始まることもあります。例えば、現在進めている事業のひとつが“JRFU放課後ラグビープログラム”です。平日もラグビーができる環境を広める事業ですが、取り組みたいと意欲をお持ちでも、最終的な決断に二の足を踏んでしまっているケースがあります。そんなとき、RDOのアドバイスによって背中を押すことで実現に向かうことができる。このように、最後のピースをはめることで課題を解決できたときにやりがいを感じます。

―どのピースが当てはまるのか、多種多様なニーズに応えるのは大変ではありませんか?
はい。大変です(笑)。僕はRDOはコンビニだと考えています。なんでも揃っていないといけないですし、地域協会の方とのコミュニケーションは本業を終えられた18時以降に活発化することが多いです。イベントのお手伝いもすれば、自治体と地域のラグビー協会を結ぶコンサルタントの役割を担うこともあります。あるいは、コーチングの機会をいただいたことも。ラグビーに関わるすべてのことを自分の引き出しに持っておかないといけない。先ほどお話した、JRFUが持っている様々な数値もそれを分析し、次につなげるスキルも必要です。そうした知識を蓄えられるよう、毎日が学びの連続です。

―ご自身のRDOとしての強みを教えてください。
自分がこれまで培ってきたプレイヤーやコーチとしてのスキル、あるいはラグビーを通じて老若男女問わずたくさんの方と出会ってきたこと、それらすべてが業務に活かされています。そこが自分の強みです。だからと言って、RDOが必ずしも元トッププレイヤーである必要があるとは思いません。ラグビーは多様性のスポーツと言われますが、同じように、RDOも「みんな違って、みんないい」、僕はそう思います。経験や強みが異なっているからこそ、RDO全体の厚みが出てくると思います。

―RDOとして、ご自身の今後の展望は?
RDOはその地域に寄り添って伴走できるのが魅力だと思います。日本全体で考えると漠然としてしまうことも、自分のエリア、僕の場合は関西にフォーカスすることでより具体的に考えることができます。RDOが伴走し、地域ラグビーを活性化することが日本全体のラグビー普及につながれば嬉しいです。

守屋篤:もりや あつし。1981年生まれ。京都府出身。八尾ラグビースクールでラグビーを始める。トップリーグの4チームで活躍。日本代表キャップ7。2021年5月よりRDOとして勤務。