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レポート:第2回ラグビー・エンパワメント・プロジェクト

次世代のリーダーを育成する事業「ラグビー・エンパワメント・プロジェクト」の第2回講座が8月20日、オンラインで開催され、13名が参加しました。

今回のテーマは、スポーツを「する」から「支える」。
キャリア講義として、富山高専ラグビー部顧問の大橋千里(ちさと)さんが話をしてくださいました。大橋さんは高校、大学と陸上競技で活躍、ハンマー投げ日本代表で活躍したアスリート。出産後も現役を続けるスポーツ選手のパイオニアでもあります。2004年、アテネ五輪強化選手に選ばれていたときに妊娠が分かり、独学で妊娠中の練習用法を調べ、出産1か月前までトレーニング。第1子出産後は3か月で試合に復帰。31歳で陸上から引退しましたが、35歳で「リオ五輪に出られるチャンスがあるなら」とラグビーを始めました。

現在ラグビー歴は10年。研究者、教育者、そして選手として多忙な日々を送っています。二人の娘さんもラグビープレーヤー。「私は長女と同い年で、永遠の18歳(笑)。娘たちと一緒に試合に出るのが夢です」。当日も、北信越国体試合に出場してから講義に参加するなど、まさにバイタリティの塊。参加者も大橋さんのエネルギーに感銘を受けた様子。「何かを始めるのに年齢や性別は関係ないんだとわかりました」「陸上を引退してラグビーに挑戦するところがすごい。研究者としても、教師として仕事とラグビーを両立させるところも」。

出産後もスポーツを続けたキャリアには「近くにママさんアスリートがいて、ただすごいなと思っていたけど、実際に話を聞いて、改めてすごさが分かりました」「何歳になっても夢を追い続けることのできる、カッコいい女性になりたいと思いました」と、生き方に関しても大きな刺激を受けました。

二人目の講師は太陽生命保険株式会社広報部 課長代理の山田陽美(はるみ)さん。2008年に太陽生命に入社、2017年から3年間は日本ラグビー協会に出向し、普及育成部門で主に中学生、女子部門を担当。同社がスポンサーとなっている太陽生命カップジュニア大会や、大学7人制交流大会、女子選手権などの開催に携わりました。同社の従業員は9割が女性で、生命保険契約者も女性が7割、60歳以上が6割を占める女性とシニアに力を入れています。

女子の大会やジュニアの大会ではすっかりおなじみの同社。2011年より「太陽生命カップ」として「全国中学生大会」に特別協賛、2013年からは「全国U18女子セブンズ大会」に協賛、翌2014年からは「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」に特別協賛。女子日本代表(15人制・7人制)も、2013年よりオフィシャルスポンサー、2016年よりオフィシャルパートナーとして応援しています。山田さんは「ラグビーの精神である“ワンフォアオール、オールフォアワン”は、生命保険のあるべき姿と重なります」と、ラグビーへの関わりを説明。ジャージーなどに社名を入れることでの露出効果など、会社がスポーツのスポンサーになるメリットも、わかりやすく話してくれました。

参加者の中には、実際に太陽生命カップに出場した選手もおり、「自分たちが当たり前のように大会で試合をしてきたけれど、それは企業の支援があったから」「協賛してユニフォームやバックボードに社名が出ると、最終的には100万人の目に留まると知って、改めてメディアの凄さを実感しました」と、ラグビーに対しての貢献と、スポンサーになることの広告宣伝効果についての知見も得ました。

山田さんはラグビー協会出向時には、グラウンドやドクター、警備員の手配など大会を運営するための数多くの仕事もこなしていました。「大会の裏には多くの人がいて、ものすごく大変だということがわかりました」と、競技者を支える立場についても、新たな視点を持つことができました。

 第3回講義は9月17日(土)に開催されます。
(森本 優子)