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World Rugby HSBC Sevens Challenger レポート

皆さん、こんにちは。レフリーの池田韻です。
3月1日〜2日、3月7日〜8日という日程で南アフリカ・ケープタウンにて行われたWorld Rugby HSBC Sevens Challengerに参加しました。

先述のとおり大会自体は3月1日から行われたのですが、レフリーたちは2月24日〜25日に南アフリカ入りし、大会に向けて一緒にトレーニングや準備を行いました。

まずはそのトレーニングなどについて紹介していきます。
最初にみんなで行ったセッションはフィールドトレーニングです。地元の学校のグラウンドをお借りしてトレーニングを行いました。トレーニングの内容は「長いフライト後の順応」を目的とした、ダイナミックストレッチや切り返し、加速と減速などでした。今回のレフリーチームは世界中から集まってきていたので、かなり長いフライトを経ていたり、とても寒い地域から来ていたりしており、南アフリカの気候への順応は重要な要素でした。グラウンドからは大きなテーブルマウンテンが見え、その景色の中でトレーニングをするのはとても気持ちが良かったです。

次にテクニカルセッションを行いました。2025年のセブンズのレフリングガイドラインについての確認と、適用する大会を限定した試験的実施ルールについての確認を行いました。特に試験的実施ルールについては、文書での周知だけだと解釈が難しい部分もあったため、直接会話をして確認をすることでより明確に理解することができました。

その他にも、ジムでのトレーニングや、アシスタントレフリー・テクニカルゾーンマネージャーとして参加してくれる南アフリカのレフリーたちとの研修などを行いました。

これらの準備を経て1つ目のトーナメントが始まりました。1日目はプール、2日目がノックアウトの形式です。1試合目が朝10時に始まり、最後の試合は夜8時近くに始まります。1日が長いため、どのように自分自身でスケジューリングし、オンとオフを切り替えるのかも重要になります。私は自分自身の“オフ”の時間帯はJapanを中心に他のレフリーたちと一緒に観戦をしたり、選手・レフリー向けに準備されたラウンジで軽食を食べたりしていました。そして、自分の試合の1時間前〜30分前頃から“オン”にしていきます。自分自身のその時のコンディションに合わせてウォーミングアップ内容を調整し、準備していきます。今回はアップ場が少し離れたところにあったため、少し早めに準備し移動していました。アップ場はとても綺麗にテーブルマウンテンが見える場所で、ここで走るのもとても気持ちが良かったです。コイントスはアップ場で行われました。私はコイントスの時にJRFUのコインを使っているのですが、このコインを使うと海外の方が興味を持ってくれ、褒めてくれるのでとても嬉しいです。


1つ目のトーナメントが終わった翌日は、朝からプールリカバリーのセッションを行いました。プールの中でダイナミックストレッチをしたり、チーム対抗でリレーを行ったりしました。
その後、1つ目のトーナメントの映像の中からいくつかクリップを選び、レフリー・レフリーコーチ・レフリーマネージャーでディスカッションを行いました。いろいろなレフリーの考え方を聞くことは自分自身の引き出しを増やすことにも繋がりますし、英語で自分自身の意見を言うことも求められるため、様々な学びがある場になりました。
続いて、レフリー1人1人に対し、レフリーマネージャーとレフリーコーチからフィードバックがありました。自分自身で振り返って「良かったこと」と「次のトーナメントに向けて改善すること」を話し、レフリーマネージャーから総括をもらいます。ポジティブなフィードバックをいただけて嬉しかったとともに、さらに良いパフォーマンスをするために何をしていくかということも具体的に話せたため、次のトーナメントに向けて良いイメージができました。

そして2つ目のトーナメントに向けたトレーニングサイクルが始まり、フィールドやジムでのセッションを行なって、準備をしていきます。
間のオフの日に、レフリーのみんなとテーブルマウンテンに登ったりビーチを見に行ったりなどリフレッシュも行いました。私も含め仕事をしながら来ているレフリーも複数いたため、遠隔でできる仕事をやるなど、個人で過ごす時間もありました。
2つ目のトーナメントは、1つ目のトーナメントでお世話になった南アフリカのレフリーたちや通信機器のセットをしてくれる担当の方たち、スタジアムの警備の方たちなどたくさんの方たちと再会し、とても温かい雰囲気で始まりました。自身のパフォーマンスについては1つ目のトーナメントから改善できた部分もあり、前向きに振り返っています。

今回日本の代表としてこのような大きな場に立つ機会をいただき、今まで国内で多くの方たちに協力してもらいながら取り組んできたことを発揮でき嬉しかったとともに、改めて多くの方々への感謝を感じました。今回の大会を通して、自分自身の何が強みになるのか、何が弱みなのかを改めて認識できたので、次の目標に向けてしっかりと取り組みを続けていきます。
引き続き、日本のMOへの応援を宜しくお願いいたします。