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2025年度ラグビー・エンパワメント・プロジェクト(REP)第2回レポート

8月6日にスタートしたラグビー・エンパワメント・プロジェクト(REP)第2回がオンラインで8月23日に開催されました。

翌24日が女子ワールドカップに出場するサクラフィフティーンの初戦というタイミングもあり、女子ラグビーに深く関わりのある3名が講師として登場しました。一人目は、宮﨑善幸さん。長年、女子代表の強化の現場に身を置き、直近では2022年11月から昨年9月まで女子7人制・15人制日本代表ナショナルチームディレクターも務めました。現在は地元ARUKAS QUEEN KUMAGAYAのGMに加え、4月からは女性ハイパフォーマンスコーチアカデミーディレクターを務めています。50歳を迎えた昨年には念願だったスポーツバーFEEL FREEもオープン。いくつもの肩書を持ち、多忙な日々を送っています。

宮﨑さんは行田工業でキャプテンを務め、国際武道大に進学。そこで立てた目標は「チームの1部昇格」と「代表チームのコーチになる」こと。1部昇格の夢は立正大学で38歳の時に実現させ、女子代表コーチ就任も実現させました。信念は「自分の人生は自分の言った通りになる」。自分の言葉の持つ大切さを受講生に説きました。そして目標を立てることの計画性。「目標は“周りから絶対に無理だ”と言われる目標、“頑張れば達成できる”目標、”絶対にクリアできる“目標の3つを持つといいですよ」という話は、なるほどとうなずけるものでした。宮﨑さんからは事前に講習生に「必ず一つは質問を考えてくるように」 「自分が人生で成し遂げたいことを教えてください」と課題が出されており、講義の後も質問が相次ぎました。質問をするためには調査が必要。調べるともっと詳しく知りたいことが出てくる――。「何かに疑問を持つことが大事。素朴な質問こそ、本質をついていることがあります」と質問する大切さを教えてくれました。

 続いての講師は岸田則子さん、冨田真紀子さんの元女子日本代表のお二人。岸田さんは女子日本代表キャップ第1号、37歳で初めて楕円球を手にして以来、現役を続けながら88年には女子連盟を設立。まさに人生を女子ラグビーと共に歩んだレジェンドです。

冨田さんも女子日本代表として7人制、15人制で活躍。オーストラリア、スコットランド、そしてフランスと世界各地でプレー。昨年現役を引退し、現在はフジテレビジョンに勤務コンテンツ戦略本部営業局に所属し、番組セールスの仕事に携わっています。

セッションは、お二人がそれぞれの質問に答える形で進みました。中学時代はバスケットをプレーしていた冨田さんがラグビーを始めたきっかけは、一般公募のセレクションに応募したこと。その企画も岸田さんが提案して始めたもので、「ユースの選手に選ばれてしばらく見ていました」(岸田さん)。世代差を超えて繋がれるのもラグビーの魅力です。

 受講生からはお二人にも質問が相次ぎました。冨田さんも「たくさん調べていただいてありがとうございます」と、参加者の熱意は確かに伝わっていました。

 ラグビーの魅力について、聞かれたお二人は、岸田さんは「あらゆるスポーツの魅力が揃っていること、そして一人ひとりが判断するところ」。冨田さんは「痛みがある、コンタクトがあること。自分をさらけ出せるのがチーム。ラグビーで繋がった縁は一生」。いずれの答えも重みがあるものでした。

 最後に受講生から「私たちもお二人の意思を継承して頑張っていきます」と力強いメッセージが。オンザフィールドと変わらない熱にあふれた2回目のセッションでした。

[参加者の声]

「宮﨑さんの“スポーツの感動と共に生きる人たちが、善き幸せな人生を歩むために貢献する”という言葉が印象に残っています。私自身、ラグビーに出会ったことで勇気や感動をもらった経験が多々あり、その積み重ねが今の自分をつくっていると感じています。だからこそこの言葉を忘れず、将来はスポーツを“楽しむもの”としてだけではなく”人を幸せにするもの“として広めていけるような人間になりたいと改めて感じました(後略)」

「女子ラグビーという一つのカテゴリーについて詳しく知ることができ嬉しかった。自分自身、女子ラグビーに関わっている身として、こんなにも素晴らしいお話しを聞くことができて、より一層ラグビーの知識を深めることができた。とてもありがたい体験をした」

「男女格差が日常であった時代に、女子ラグビーを拡げていったことが、自分には到底することが出来ないことだと感じながら聞き、計画性やメンタルについての感じ方についてすごいと思った」

「今まで自分の人生と女子ラグビーとの関わりはまったくなかったが、岸田さんの講義を聞いて、女子ラグビーを広めることは自分の思っている以上に大変で、それをやり遂げてきた岸田さんは本当に凄いなと感じた。自分の将来の夢はラグビーと直接的に関わるわけではないけれど、岸田さんのような大きな行動力は、どんな仕事に就いても役に立つし自分も得たいと思った」

「ラグビーが好き、というシンプルな想いが広い範囲につながるのだなと思い、その想いを持ち続けることで周りに影響を与えられるのだなと思った。これからも好きの情熱を絶やさず持ち続けたいと改めて思った」