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『高校ラグビーの進むべき道は?』

 2022年1月7日~9日に東京で行われた第46回高等学校ラグビーフットボール指導者研修会でJRFU普及育成委員会の活動拠点タスクフォースのメンバーである石泰三先生(高体連ラグビー専門部 副部長)に、普及の観点から『高校ラグビーの進むべき道は?』というテーマでお話しいただき、全国から集まった高校の先生方に情報共有と意見交換を行いました。

 初めに、数字の提示がありました。54,868人と21,045人。これは高校在籍者数がピークだった1992年度と2020年度の登録者数です。参加している先生方は、半減している数字を目のあたりにして、驚きを隠せない様子でした。ピーク当時はラグビー人気に加えて、ドラマ『スクール・ウォーズ』の放送の影響があったのではという意見もありました。ちなみに高校在籍者数は、1992年の約520万人に対して2020年は約309万人と、高校ラグビー人口の減少率の方が大きいことがわかります。

 次に、実際に現場で指導している先生方に「部員の確保」について、どのような取り組みをしているか発表していただきました。ほとんどの先生方が部員の獲得に苦労しており、勧誘の方法をいろいろと工夫しているお話がありました。そんな中、今回の全国高校大会に初出場した読谷高校(沖縄県)の島袋先生のお話しでは、「読谷村では小学校からタグラグビーが盛んで全国大会を目指して日々頑張っている。その子らが中学校に入ってもスクールでラグビーを続け、そのまま多くの選手が読谷高校に入る流れができている。既に新1年生が14名入部することが決まっている。」ということでした。タグラグビーをきっかけに地域一体となって普及に取り組んでおり、とても参考になるケースだと思いました。

 そして、後半の内容は「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」についてです。社会構造の変化、学校業務の変化など様々な要因で、これから部活動のあり方が大きく変わってくる、こういった状況の変化にどのように対応していくかがポイントになる。すぐに答えが出ることではないが、現場にいる先生方全員で考えていかなくてはならない。何かいいアイデアなどあれば教えてほしいと話がありました。

 最後は全国大会の出場規定の見直しについて触れ、今後、合同チームやクラブチームが全国選抜大会、全国7人制大会、全国合同チーム大会に参加できるように協議を始めていると話がありました。

 先述の通り、すぐに答えが出てくる話ではありませんが、今後変わってくる状況に合わせて、高校ラグビーに関わる方々で、どいうった可能性があるのかを考えていく必要があります。今回のテーマは、高校ラグビーだけでなく、これからラグビーを始める子どもたちから日本代表まで、ラグビーの未来にとっての大きな課題ですので、これを機会に多くの方々に考えてもらうきっかけとなればと思います。