早稲田大学GWRC 26-10 関西学院大学上ヶ原RC

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関東・関西ラグビー協会から推薦された両チームは、それぞれ秋のシーズンを勝ち抜いて優勝を果たしたチームである。早大GWも関西学院大学上ヶ原も相手のすきを突いてバックスが得点するのを得意とする似通ったチームである。

前半は30分頃まで双方共に決定打を欠き拮抗した状態が続いた。ときおり、相手ゴール前まで攻めることがあっても、堅いディフェンスやオフェンス側の小さなミス、あるいは関西学院大学上ヶ原のラインアウトでの堅い守備などもあり得点には至らない状況が続いた。その状態を最初に破ったのは早大GWであった。29分関西学院大学上ヶ原の反則から、早大GWがタッチキック、関西学院大学上ヶ原陣22mラインアウトからモールを形成してゴール前まで前進してからバックスに展開、3フェーズ後に12番斎藤がトライをあげ先制した。ゴール不成功。(5-0)さらに、35分には早大GWが、関西学院大学上ヶ原陣10mスクラムからバックスに展開、関西学院大学上ヶ原のディフェンスを破り、ゴール前まで前進、最後はNo.8中山がモール脇を抜け出てゴール中央にトライ。ゴール成功。(12-0)

後半は、関西学院大学上ヶ原がキックオフから連続して積極的に攻撃を展開した。そのため、早大GWが自陣10mライン上でノットロールアウェイの反則。関西学院大学上ヶ原CTB是枝がしっかりとペナルティーキックを成功させた。(12-3)しかし、その直後関西学院大学上ヶ原がチーム二度目のハイタックルで、LO花木がシンビンで退場、早大GWが有利な展開となった。18分、早大GWが関西学院大学上ヶ原陣ゴール前のラインアウトで1番へのショートパスをすぐにスローワーに返して、HO加藤がゴールに飛び込んでトライ。ゴール成功。(19-3)35分には関西学院大学上ヶ原がハーフラインでのラインアウトからバックスに展開してキック、早大GW陣ゴール前にころがったボールを早大GWディフェンスがプレッシャーを受けながらのタッチキックでピンチを逃れたものの、その後関西学院大学上ヶ原がGW陣22mラインアウトからラックを連取してSO内藤が突進してトライ。ゴール成功。(19-10)ノーサイド直前に、早大GWが相手の反則からタッチ。ラインアウトよりモールを押し込んでPR深川がトライ。ゴール成功。(26-10)

両チーム共に持ち味を発揮した良い試合であった。関西学院大学上ヶ原はフォワード、バックス共に良く走り、ラインアウトでも再三早大GWボールを奪うなど、チャンスを作るのに成功した。早大GWも堅いディフェンスから相手のミスを突き、またフォワードとバックス共にサインプレーを成功させた。しかし、早大GWの走力が次第に関西学院大学上ヶ原を上回り始めたあたりから、早大GWが押し始めるようになった。特に、後半にシンビンで人数的に有利になった段階で早大GWがすぐに得点したのは、関西学院大学上ヶ原にダメージとなったと思われる。しかしながら、関西学院大学上ヶ原もその後フォワードとバックスが一体となったプレーでしっかりとワントライを返し、その実力を発揮した。最終的には早稲田大学GWRCが26-10で勝利、昨年に続いて学生クラブ日本一の座を獲得した。

ラグビーワールドカップ2015後のラグビー人気を一時的なものに終わらせないためにも、そしてラグビーの裾野を拡大するためにも、両チームを含め今後の学生クラブチームの充実が望まれる。

(宮武志郎)