ワールドカップ最終戦では、サポーターの皆様の熱い声援を受け、日本代表が劇的な接戦を演じ、世界にその存在感を示してくれました。その中において、今年度ATQ海外派遣選手から唯一日本代表に選ばれた金選手が大活躍してくれました。まだ、その余韻が残っている日本ラグビー界ですが、時を同じくして、ニュージーランドワイカト協会での活動を終えたセコムラガッツ所属の鈴木学選手が、約6ヶ月ぶりに日本に戻ってきました。直前の活動内容を含めその様子をお伝えします。

ロッカールームで集中するワイカトU23代表チーム
ロッカールームで集中するワイカトU23代表チーム

鈴木選手もワイカトU23代表のジャージに身を包んで戦った
鈴木選手もワイカトU23代表のジャージに身を包んで戦った

前回の報告でもご紹介したとおり、8月より単身ワイカトに残った鈴木選手は、それまでのクラブラグビーから、ワイカトのU23代表チームに活動の場を移し、激しいトレーニングとゲームに励んできました。帰国直前の22日に行なわれた最終戦についても、前週の試合に続き先発出場となりました。直前数週間鈴木選手の調子がかなり上がってきており、安定したラインアウトプレーが随所に見られ、ランプレーでのハンドリングスキル、オフロードパス等、アカデミーで鍛えられたテクニックを十分に使った内容でした。残念ながら、接戦の末オークランドU23代表に31-34で負けましたが、今後の日本での試合に向けて、すばらしい準備ができたと共に、今後大きく飛躍してくれるものと信じております。

翌23日、日曜日午後より、鈴木選手が8月より世話になっていたホームステイ先にて、クラブとワイカト協会関係者他が集まり鈴木選手の送別会が行なわれました。鈴木選手の滞在中のクラブへの貢献と、ワイカト協会でのアカデミーでの頑張りが認められたのでしょう、時間が経つにつれ続々と鈴木選手にひと目合い別れの挨拶をしようと集まった選手たちでいっぱいになりました。

また、送別会と重なりましたが、同日現地日本人会の集まりによる花見が行なわれ、鈴木選手も参加し、これまでのお礼と、今後の(次期)応援のご依頼をさせて頂きました。来年はたくさんの方々が応援に駆けつけて下さる環境が整いつつある状況を感じとれた会となりました。

ワイカトでの様々な経験と思い出を胸に、くしくもワールドカップカナダ戦の当日である去る9月25日に、鈴木選手は、無事成田空港に帰国しました。心身ともに一回り大きくなって帰ってきてくれたと思います。

これをもちまして、今年度のATQ海外派遣選手は全選手帰国し、それぞれのチームに合流いたしました。今シーズン、彼らがそれぞれのチームで大活躍し、金選手に続き、日本代表に選出され、世界の場で大活躍してくれることを期待します。皆様も彼らの活躍にご注目ください。

最後になりましたが、今回の海外派遣に多大なるご協力をいただきました、所属チームをはじめといたしました関係者の皆様に、あらためて深く御礼申し上げます。

たくさんのチームメートが、鈴木選手に別れを告げるために集まった
たくさんのチームメートが、鈴木選手に別れを告げるために集まった

鈴木選手に記念のタイが送られた
鈴木選手に記念のタイが送られた

お世話になった日本人会の皆様にも花見で別れを告げた
お世話になった日本人会の皆様にも花見で別れを告げた

◎帰国した鈴木選手
「今回の海外経験では、24時間ラグビーに集中できる環境で自分を追い込むことができました。彼らと対等にプレーするためにもまだまだ自分が未熟であることがわかりました。今後も切磋琢磨していきたいと思っています。
ラグビー面で日本と現地との違いを感じたのは、やはり全員がプロフェッショナルなところです。ただ、例えばスクラムに関しては日本のほうが質は上であると感じるなど、日本が十分勝負できるところもあると思いました。

今回の経験を通じ、追い詰められた状況でどれだけ100%に近いポテンシャルを出せるかを学べました。今後、この経験を生かし、日本でも競った試合で、自分が状況を打破できるような熱いハートを持つ選手になりたいと思います。とにかく今は休みたい(笑)ですが、所属チームで今回の経験を生かせるようにがんばりたいと思います。そのためには、もっとボールに絡んでいきたいです。また、来年もチャンスがあれば行ってみたいと感じています」

一回り大きくなって帰国した鈴木選手
一回り大きくなって帰国した鈴木選手