日本選抜 20-19 フランス大学選抜
(7月10日(木)19:00 at東京・国立競技場)
◎日本選抜
○薫田真広監督 「まず、このような試合を組めたことに対し、関係の皆様に感謝申し上げます。キャプテンの伊藤、バイスの高が、よくリーダーシップを取ってくれたのがこの結果につながったと感謝しています。最初のトライは順目、順目のプラン通りで、選手個々の理解力が高かったおかげです。フランス大学選抜については、我々と同じく、こうしたコンバインドですので、連携の所で、もう1試合、2試合やったら(こちらが)キツイ結果になると思います。今日は、後半、特に最後の20分はリズムがなく、反省点です。国際試合に勝つためのクロスゲームのゲームマネジメントは日本ラグビーの課題です」
○伊藤鐘史キャプテン
「このゲームのためにいろいろと準備をいただいた皆様に感謝申し上げます。ゲームプランはシンプルで、順目、順目でということと、FWはひたむきにシンプルに行こうということでした。最後は冷や冷やしましたが勝てて良かったです。早稲田戦の分析から、近場が強みと思っているようで、こだわっていたので、こちらもラックなりモールなりの近場でとにかく低く刺さることと、1本目のタックルのスピードを強調して臨みました」
──80分、もたなかったのは?
○伊藤キャプテン
「後半、疲れて、相手に圧力をかけられました。こういうゲーム展開でのエリアマネジメントができていないと思います」
──U20と比べて?
○薫田監督
「フランスのフル代表とU20はボールを動かす同じ戦い方でした。このチームはスローテンポでまったく違います。ただ、クイックでボールを入れたり、しっかり走ってプレッシャーをかけたりという部分は同じでした。個々のスキルはU20より、このチームが上でしょう。組織力はなかったが、キャプテンをはじめ、経験とセットプレーの力はまったく違っていましたね」
──後半、苦しかったのは?
○伊藤キャプテン
「自分達のピンチエリアでしたので、ここが勝負と言って、セットプレーを安定させようとしました」
──どのようなプランで?
○薫田監督
「早稲田戦のピック&ゴーは組織だって止められるだろうし、セットピースも頭打ちをしっかりすればやれると感じていました。裏付けはこの暑さです。相手のブレイクダウンはこぼれるだろうし、そのボールにプレッシャーをかければ効果的だと思っていたとおりでした。選手はやることが明確で、フランスも良かったが、20分以降はブレイクダウンで日本選抜が優っていたと思います」
──キャリアの不安はなかったのか?
○薫田監督 「リーチをはじめ、フロントに関してはU20でしっかり場数を踏んだ選手です。日本ラグビーとして3番を育てるという課題があり、今日の小野君は評価したいと思います。リーチはトップリーグでプレーできるくらいのしっかりした選手です」
──この試合の意義は?
○薫田監督
「ATQ、国内アカデミーの最終戦と位置付けました。各チームから選手を集めるのに四苦八苦し、最終的には3日間でチームをまとめねばならず苦しかったが、キャプテンがよくまとめてくれました。NZからアカデミーのトップコーチを招いてスキルトレーニングしました。日本は、今、ディフェンスで内に立っていますが、海外は外グリッドに立ってアウトサイドから追い込む『ヒンジ』というブリッツ・ディフェンスが今後の主流です。そのディフェンスシステムは分かっていてもノミネートできなかったので、それを知り得たことは重要です。海外は若年化しており、このままだと数年後には取り返しがつかなくなると思います。その意味で、今日の試合は大きかったと思います」
|