TOTO セブンズアカデミー

横濱ラグビーアカデミー
小出深冬

今回、海外選手との練習によるラグビー理解・スキルの向上や英語力・他文化との交流といった選手の国際力を高めることを目的とした、セブンズアカデミー海外留学プログラムに選出され、ニュージーランドに1ヶ月留学しましたので報告します。

セブンズアカデミー海外留学プログラム報告   セブンズアカデミー海外留学プログラム報告
Warwick Taylor氏(元オールブラックス)からの指導 到着後、さっそく試合に出場
1.生活面について

学校はクライストチャーチにあるBurnside High Schoolに留学させていただきました。そこの学校はニュージーランドでも大きな学校の1つで、日本で言う中学1年生-高校3年生までの約2600人の生徒がいる学校でした。滞在はBurnside High Schoolが指定したご家庭にホームステイさせていただきました。家族全員が温かく迎えてくれました。最初は言われていることも分からず緊張していて、聞くのが精一杯でした。でも毎日英語を聞いて少しずつ話せるようになり、その生活にも慣れていきました。

私がホームステイさせていただいた家には、ドイツ人留学生もいました。1週間だけアメリカから来た留学生もいました。そのため、私はニュージーランド英語とイギリス英語、アメリカ英語を聞き取らなければならず、ちょっとした発音の違いを聞くことがとても大変でした。しかし、一緒に買い物や観光に行くなどして楽しむことができました。
学校の授業は中国や韓国などのアジアのいろいろな国から留学してきている、英語を第二ヶ国語(第2外国語?)とする人たちと一緒に授業を受けました。教科は英語と社会だけでしたが、日本では学ぶことができないことを学ぶことができ、他文化との交流もできました。

私が滞在したクライストチャーチでは2011年2月22日に発生した地震の影響でまだ入ることのできない区域があったり、壊れてしまった建物や家がそのままになっていたりしていました。日本と同じようにクライストチャーチも少しずつ復興してきているようです。

私がこの留学で練習や試合以外に1番楽しかったことは、日本では見ることのできない、Super15の試合を生で見られたことです。トップレベルの試合を近くで見ることができ、良い勉強になりました。会場も満席で、日本でもそのようになるよう、ラグビーをもっといろいろな人に知ってもらいたいと思いました。

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ゲーム
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独走
2.ラグビーについて

私はBurnside High Schoolのメンバーとして練習と試合をさせてもらいました。このチームは約20人のメンバーでした。シーズンが始まったばかりで、新しいチームを作り始めているところでした。練習は1時間弱で主にコンタクト練習でした。しかし、パススキルなどの練習はあまりしていなかったので、試合中ミスが多く感じられました。スキルについては日本人の方が高いと思いました。

初めての試合はニュージーランドに着いてから2日後に15人制の試合があり、1日しか練習していなかったので、何をしたらいいのかも分からない状態でしたが、先発で出場させてもらえトライもでき、自分ができることを精一杯できた試合でした。その後、同じ週に2試合行いました。両試合とも、言葉の壁に当たることが多々ありましたが、1試合目よりコミュニケーションがとれ、自分のやりたいことが少しずつできるようになりました。

4週目にセブンズの試合を行いましたが、セブンズをあまりやった事がないようで、コンタクトが多い試合でした。体の大きい相手に負けないように頑張っても、フィジカルの差を感じるところがありました。体が小さくてフィジカルでは勝てないので、日本選手の強みであるスピードとスキルの強化が必要だと感じました。

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クルセーダーズの選手と共に

2週目からはSports Leadership Programmeに参加しました。このプログラムは日本人5人、アメリカ人1人、ニュージーランド人1人の7人での練習でした。7人のみの練習もありましたが、St Bede’s collegeに留学中の日本人男子とも練習をしました。Ball SkillsやBreak down, TacklingなどのスキルトレーニングとWeights, Agilityなどのトレーニングもしました。また、Super15の試合を分析する授業を英語でやったり、試合中使う英語を教わったりもしました。練習は1セッション約1時間でしたが、各セッション毎にコーチがいて1つ1つ丁寧な指導をしてくれました。短時間の練習でしたが、どのトレーニングも考えることが多く、とても充実した練習ができました。
私が一番考えたことは、コミュニケーションです。言葉が通じない中でどうしたらみんなが同じ意識でプレーができるのか、この場面ではどういう声を出して動けばいいのか、常に考えてプレーしました。これは決して簡単なことではなく、これからの私の課題でもあると思いました。

海外のチームに入ってプレーすることや、外国人のコーチに教わることは、日本では簡単に経験できないことであり、他にもニュージーランドだからこそできたこともたくさんありました。香港遠征・ニュージーランド留学を通して、海外の国との差、自分の弱み・強みが分かり、そのために何をすべきか再確認することができました。1ヶ月という短い時間でしたが、ラグビーはもちろん、それ以外の面でもたくさんのことを学ぶことができました。この経験を無駄にせず、ユースオリンピック、2016年のリオでのオリンピックに繋げたいと思います。

今回、留学をサポートしてくれた現地の方々、丁寧な指導をしてくれたコーチの方々にとても感謝しています。ありがとうございました。

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ハンドリングスキルトレーニング アメリカからの遠征チームとの合同練習に参加
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ウェイトトレーニング ウェイトトレーニング2
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クルセーダーズの試合を観戦 学校校門前
セブンズアカデミー海外留学プログラム報告
今回の留学プログラムの仲間達と

■女子セブンズアカデミー海外選手派遣実施要項

目 的:
女子セブンズアカデミーの選手を海外留学させることにより、海外選手との練習によるラグビー理解・スキルの向上を目的とする。また、英語力や他文化のとの交流といった選手の国際力を高めることにより、アカデミーの目的とするラグビーだけでない、有能の人材の育成を目的とする。
主 催:
財団法人 日本ラグビーフットボール協会
期 日:
平成24年3月31日-4月30日(4週間)
 プログラムスタート:4月9日
留学先:
Burnside High School
対 象:
女子セブンズアカデミー生(高校2年生)
内 容:
Sports Leadership Rugby Program
ラグビートレーニング、ウェイトトレーニング、スピード&アジリティートレーニング、ビデオ分析、栄養学、English