■U20 日本代表強化試合 U20日本選抜-ニュージーランド学生代表戦 試合結果
■4月30日(火) 13:00 キックオフ
■U20日本選抜 19 - 61 NZU

photo by H.Nagaoka (RJP)
通用する部分、しない部分がはっきり
2ヵ月後のJWRTに向けて貴重な経験に

30日、東京・江戸川区陸上競技場でU20日本選抜 - ニュージーランド学生選抜(NZU)戦が行われ、U20日本選抜は前半20分間は互角の戦いを見せたものの、時間の経過とともに地力の差を見つけられるかたちとなり、19 - 61で敗れた。


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5月28日から6月9日にかけてチリで行われるIRBジュニアワールドラグビートーナメント(JWRT)で、来季のIRBジュニアワールドチャンピオンシップへの昇格を目指すU20日本代表の強化試合として組まれたNZU戦。
「いまはまだフィットネスとフィジカル強化にほとんどの時間を費やしている」(沢木敬介ヘッドコーチ)というU20日本選抜だったが、立ち上がりはポジティブな面も多いパフォーマンスを見せた。

日本代表、あるいはジュニア・ジャパンとも通じるハイテンポなアタッキングラグビーで敵陣に攻め込むケースも多くあったが、試合後、沢木HCが課題のひとつと話した「セットプレーの不安定さ」なども響くかたちで、NZUゴールを陥れるまでには至らない。

16分NZUがPGで先制。

それでも、直後の18分には、U20日本選抜の積極的なアタックがようやく結果に結びつく。

敵陣15m付近のラインアウトをキープした後、先発SOの山沢拓也が軽く足をひねったため途中出場していたSO合谷和弘から逆サイドに走り込んできたブラインドサイドWTB荻野岳志へパスが渡り、荻野がDFギャップを突き破って、 NZUインゴール左隅へ飛び込んだ。

合谷のゴールも決まって最初の20分間を7 - 3とリードして終えたU20日本選抜だったが、この後の40分間は全く加点できず。

逆に、立ち上がりは粘れていたDFでも、「この相手に勝てれば、JWRTでも大丈夫」(遠藤哲コーチ)というレベルの強敵だったNZUに簡単にゲインを許すようになり、前半だけで4トライを重ねられてハーフタイムのスコアは7 - 29。

後半に入っても流れを変えられないまま5トライを重ねられて計61失点。

U20日本選抜は、20分にゲームキャプテンを務めたLO姫野和樹がゴール前ラックから飛び込んだのと、ロスタイムに自陣深くでのターンオーバーから粘り強く攻め続けて、最後はゴール前ラック共に途中出場のFL西内勇人からボールを受け取ったLO東和樹がグラウンディングした2トライを加えるのが精一杯だった。

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沢木ヘッドコーチとLO姫野ゲームキャプテンの試合後の総括は以下のとおり。

「今日の一番の問題はキツくなった時に勇気を持ってアタックできなかったところ。そこに尽きる。最初の15分はできていたが、キツくなってきた時にリスクをおかさないで楽な選択をしてしまうところを、トレーニングしながら伸ばしていかないといけない。取られたトライはフェイズを重ねられずに一発で取られたものがほとんど。
フィジカルを言い訳にしていては、外国人との戦いでは一生勝てない。そこも強化しながら、アタッキングラグビーをやるために覚悟を持って、引き続きトレーニングしていく。
強化に近道はない。将来、日本代表にならなければいけない選手たちの個々の力をしっかり伸ばしながら、チームも強化して、結果も出していく」(沢木HC)

「通用する部分、通用しない部分、しっかり見えてきたので、次のシンガポール戦に向けて改善していきたい。疲れていない時間帯にはしっかり裏表のあるアタックができていたし、ディフェンスもしっかりできていたのが、疲れてくるとアタックでもディフェンスでも体を張れなくなってしまっていたので、フィットネスを向上させていきたい。

80分間、仕掛けるフィットネスがあれば絶対世界に通用する。

フィットネスがなくなってくると弱気になってしまったので、フィットネスの部分で余裕を持って、最後まで強気で戦えるようにしていきたい」(姫野ゲームキャプテン)

 



photo by H.Nagaoka (RJP)

次回のU20日本選抜の強化試合は5月11日の対シンガポール戦(埼玉・県営熊谷ラグビ―場)が予定されている。

text by Kenji Demura


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