デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」

日時: 平成23年11月12日(土) 11時00分キックオフ
会場: 大阪 近鉄花園ラグビー場
試合結果: デフラグビー日本選抜 0-47 豪州選抜
前半(0-21)
後半(0-26)
デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」   デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」

大阪・近鉄花園ラグビー場でむかえた第2戦、前日までの雨も上がり、快晴のなか素晴らしいピッチコンディションが両チームを迎えてくれました。

チームはテストマッチさながらの緊張感の中のなか、トップリーグでおなじみの近鉄花園ラグビー場スタジアムDJによる紹介でグラウンドに入場。

第1戦に続き、オーストラリア選抜ケイン・バトン選手によるアボリジニ伝統舞踊によるセレモニー、両国の国歌斉唱が行われ、デフラグビーの特徴とも言える静寂は、試合前の緊張感を高めていました。

豪州選抜のキックオフで始まった前半。
日本選抜チームは、オーストラリア選抜にボールを持たせない出足早いディフェンスと、ボールを奪ってからのアタックで、オーストラリア選抜陣地に攻め込みます。
前半6分、敵陣ゴール中央30メートル付近でオーストラリア選抜が反則。ペナルティーキックを選択しゴールを狙うも、惜しくも外し先制を逃します。
その後も、日本選抜はオーストラリア陣地でボールを支配し続けて、ハーフウェイラインを割らせません。

前半12分、敵陣インゴールの豪州ボールに早いプレッシャーをかけ、インゴールノックオンを誘い、ゴール前で日本選抜ボールのスクラム。しかし、このチャンスにトライを奪えません。

19分には、日本選抜のアタックからこぼれたボールをオーストラリア選抜が自陣10メートル付近からカウンター。195cmの大型フルバック、15番ペンフォールド選手が走り抜けインゴールまでボールを持ち込むも、直前のパスがスローフォワードのホイッスル。日本選抜はピンチを救われます。
日本選抜チームは、体格で大きく上回るオーストラリア選手に低く早い果敢なタックルでアタックを寸断。ボールを持って飛び出す選手に対し激しいディフェンスでしのぎます。

デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」   デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」   デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」
写真提供・長田耕治(JDRU)

デフラグビーでの特徴は、ゲームをマネジメントするレフリー、アシスタントレフリーに加え、レフリーのホイッスルが吹かれたことを伝える「フラッグ」を上げるアシスタントレフリーが、ゴールポストそれぞれに配置されます。

ホイッスルが鳴ると同時に、4名のアシスタントレフリーはフラッグを大きく振り上げ、プレーヤーにサインを送るというものです。
この試合を担当する溝畑潤レフリーも、丁寧にサインやコミュニケーションを取りながら、「音のないラグビー」をマネジメントしスムーズなゲームを組み立てます。

前半30分、ついに均衡がやぶれます。日本選抜陣地10メートル付近から、オーストラリア選抜はFWの選手が縦につなぎ、タックルに入られるもオフロードパスで前進。日本選抜のディフェンスを縦に抜け出し、5番オハロホン選手が中央付近に先制のトライ。ゴールも成功し7点を先制します。

このトライでリズムを作るオーストラリア選抜は、33分、FWで押しまくり日本選抜ゴール前5メートル中央でのラックから、左に大きく展開。さらに前進し9番→12番→6番とつないでゴール注中央にトライ。GKも成功し14点目。

さらに、前半終了直前の35分、オーストラリア自陣10メートル付近からFW・BKが見事につなぎ、最後は10番マーテン選手がトライをあげて、前半を0-21で終えました。
果敢なタックルで前半をしのいでいた日本選抜でしたが、第1戦には見られなかったオーストラリアチームのテンポの良い縦への突進。サポートプレーヤーの位置が、まるで声で聞こえているような見事なオフロードパスが随所に見られ、日本選抜のディフェンスを置き去りにします。

日本選抜のキックで始まる後半も、体格差で大きく上回るオーストラリア選抜のアタックは、徐々に日本選抜選手の体力を奪い、少ないチャンスでのハンドリングミスや、1次攻撃でボールを奪われることが増えていきます。
後半12分、日本選抜のミスからのこぼれ球を奪い、14番→6番とつなぎ、この日2本目となるペイジ選手のトライで28点目。

17分にはゴール前20メートル右中間でのラックから、左に大きく展開。こぼれたボールはまたもやオーストラリアチームに渡り、21番バトン選手が押さえてトライ。35点目と大きく引き離します。
日本選抜は23分、敵陣で得たペナルティーをキックを使わずFW勝負で前進。相手ゴールラインに塊となってなだれ込むも、グラウンディング出来ずに惜しくもトライを奪えず。花園ラグビー場に集まる日本サポーターから大きな歓声があがる中、敵陣ゴール間近となるスクラムも、オーストラリア選抜の集中力の高い最終ラインを割ることができず、このゲーム一番のチャンスにトライが奪えません。

デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」   デフラグビー国際試合「日本選抜 vs 豪州選抜」
写真提供・長田耕治(JDRU)

その後も、オーストラリア選抜は日本のアタックからのミスをトライにつなげ、立て続けに2本を奪い42点目。

後半ノーサイド直前には、自陣15メートルラインアウトより、大型バックスプレーヤー14番→10番→12番→13番→11番→20番と見事、6人でつなぎきり左スミに飛び込むビッグプレーを見せました。
結果、この試合、日本選抜の健闘も及ばず0-47という結果でノーサイドとなりました。

試合後の記者会見では、第1戦からを振り返り「第1戦では長時間のフライトや、コミュニケーション不足があったが、第2戦ではコンディションも上がり良いゲームが出来た。日本チームの早いテンポのゲームは素晴らしい。第2戦も良いゲームでした」とキャプテンのヤング選手が振り返りました。FWの縦への突進が特徴的であり、記者会見での質問でも「どうやって背後の選手の位置が分かるのか?」という質問には「試合中は聞こえていないので、目で見て、味方選手のゼスチャーを感じ取っている」とデフラグビープレーヤーの優れた集中力を話してくれました。

日本選抜キャプテン倉津選手は「第1戦で手応えがあったので、この試合に勝てなかったことは残念。でも、オーストラリア選抜とこのような立派な会場で試合が出来たことは、大きな成果であり、これで満足せずに、もっと強くなって頑張っていきたい。このような機会を頂いたことに感謝したい」とコメント。

試合終了後には、声が通じなくても体をぶつけ合った仲間と満足の笑顔で健闘を讃えあい、会場に訪れた1900人もの観客も、両チームの健闘を立ち上がって喝采の拍手で讃えておりました。両チームは、試合終了後 第1戦に続き東日本大震災復興支援の募金活動を実施。

試合を観戦した多くのファンからの善意を頂き、握手やハイタッチで感謝を伝えていました。両チームの募金活動は2戦を通じて行われ 182,008円 の善意をお預かりしました。この善意は、日本ラグビーフットボール協会 ラグビーファミリー支援会を通じ、被災されたラグビーファミリー(県ラグビー協会、チーム、学校、その他)への援助や、ラグビーに関わる復興支援活動に役立ててまいります。

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