TOTO セブンズアカデミー
9月26日(日)
●セブンズアカデミー最終日

セブンズアカデミー最終日となった26日は、6時からの早朝トレーニングで開始。
2日間の練習で疲労も溜まり、疲れた表情を見せた選手たちですが、このフィットネストレーニングが、今後の選手たちのフィットネス向上に確実に繋がるため、選手たちもきつい表情でしたが、声を出して、精一杯トレーニングに励んでいました。

ケリーコーチから練習メニューについて   ボール出しからのパス
ケリーコーチから練習メニューについて ボール出しからのパス

練習の合間に集合し、ケリーコーチから細かい指導が   ディフェンスライン
練習の合間に集合し、ケリーコーチから細かい指導が ディフェンスライン

今回の最後のトレーニングとなった午前中の練習は、昨日に引き続き、ケリーコーチと吉岡コーチを中心に、ウォームアップから始まり、セブンズのラインディフェンスでのコミュニケーションを取る練習などを実施。最後には2チームに分かれて、7対7でタッチフットを実施しました。

フィットネス中心の今回のアカデミーでしたが、ボールを持って走ったり、スクラムを組んだりと、メニューがゲームに近い内容に変わっていくにつれ、疲れてきつい表情から、「選手」としての表情に変化し、チーム間で声を出し合い、コミュニケーションを取りながら、ゲームを楽しんでいるようでした。
ケリーコーチは選手たちの表情や声の出し方を見て、「素晴らしい!」「もっと声を出して!」。吉岡コーチも厳しい言葉が出てくる反面、選手たちが一生懸命になって取り組んでいる姿を見て、自らも走りながら、指導していました。

ゲーム終了後、ケリーコーチによる、チームビルディングで、今回のセブンズアカデミーのトレーニングメニューがすべて終了いたしました。選手たちもクールダウンの間は、安堵したのか、また、充実した表情で、笑顔も出てきていました。

吉岡コーチの細かいチェックが入ります
吉岡コーチの細かいチェックが入ります

スクラムも組んでみました   ゲーム形式では激しい攻防も
スクラムも組んでみました ゲーム形式では激しい攻防も

トライめがけて走りぬけます   スクラムからのセットプレー
トライめがけて走りぬけます スクラムからのセットプレー

激しい攻防も
激しい攻防も

クールダウンも入念に   学生トレーナー。左:高橋君、中央:猪瀬さん、右:土山さん
クールダウンも入念に 学生トレーナー。左:高橋君、中央:猪瀬さん、右:土山さん

昼食終了後、最後のレポート作成とミーティング。レポート作成は、今回のセブンズアカデミーの感想や課題、自分の評価などを選手個々に記入してもらい、フィードバックしていきます。
最後のミーティングでは、まずは、この3日間、選手たちと共に過ごし、選手たちに叱咤激励をして、鼓舞してくれた吉岡コーチから熱いコメントを頂きました。「この3日間、トレーニング、練習をやって行く中で、少しずつ、『チーム』になってきたことを感じました。オリンピックに出るだけではなく、メダル獲得のためにこのアカデミーがあります。今回学んだフィットネス、個々でできるトレーニングを日々積み重ねていくことが大切です。苦しいのはわかりますが、自分のため、次の仲間達のために頑張ってください。また、今日のゲームを見ていて感動に近く、びっくりしたということが本当の感想です。チームを作っていて、楽しんでゲームをしていました。次回、皆さんに会えるのを楽しみにしています」

そして、ケリーコーチ。「(日本語で)練習、トレーニング、ありがとうございました。(英語で)素晴らしかったです。少し話しをさせてもらいますが、私は、水球を以前、プレーしていたことがあります。コーチからトレーニングメニューをもらっていましたが、それを実行せず、ナショナルチームから外されてしまいました。他の選手たちは、しっかりトレーニングを積んで、代表選手になりました。私のオリンピックの夢は叶うことができませんでした。だからみんなに同じ体験をしてほしくないと思っています。他の選手たちは、トレーニングを積んでいます。とにかく、トレーニングをしてください。皆さんは素晴らしい才能を持った選手たちです」
日々の積み重なるトレーニングが、オリンピックに繋がること、大切なことを選手たちに伝えていました。

レポート作成に没頭しています   学生スタッフ。左:武藤君、右:小菅君。大変お世話になりました
レポート作成に没頭しています 学生スタッフ。左:武藤君、右:小菅君。大変お世話になりました

吉岡コーチからコメント   ケリーコーチから
吉岡コーチからコメント ケリーコーチから

最後は、岩渕ハイパフォーマンスマネージャー。オリンピックへの思い、そして、オリンピックの舞台に立つことの重さ、大変さを伝えるために、他種目のオリンピック選手たちの活躍などをまとめた映像を見せていました。
映像後、岩渕HPMは、初日に聞いた一言「オリンピックに出たい人」と、選手たちにまた投げかけます。初日とは違い、選手たち全員で「はい!」と元気な返事が返ってきました。岩渕HPMは、2016年のオリンピックの前に、2011年からのセブンズの主な大会について説明し、「まずは、2011年の香港セブンズに出られるよう、次回のセブンズアカデミーまでには皆さんに与えられた数値がクリアできるようにしてください。中国代表は4月から7ヶ月間も合宿を行っています。私たちも早く環境を整えるよう、努力していきます。2016年にオリンピックに出場できる今一番近い選手たちです。そういう思いをもって、帰ってからもトレーニングを積んでください」と、オリンピックまでには、今から戦いは始まっていることを選手たちに強く伝えていました。

この3日間、厳しいフィットネストレーニングに加え、朝から夜まで「ラグビー漬け」になり、疲れ、きつい表情でも、よく耐えて、頑張ってトレーニングしてくれました。
次回のアカデミーまでにそれぞれが数値をクリアし、もう一つステップを上がれるよう、引き続き、頑張っていってほしいと思っています。

最後になりましたが、このたび、練習会場、宿舎を提供していただきました、流通経済大学、また、3日間に渡り、選手の身の回りのお世話を丁寧にしていただきました学生スタッフの皆さん、毎日美味しい食事を提供して頂いた食堂の皆さん、そしてお手伝いいただいた学生トレーナーの皆さんに、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

岩渕ハイパフォーマンスマネージャーから
岩渕ハイパフォーマンスマネージャーから

9月25日(土)
●早朝トレーニング

25日のメニューは、「7人制」で必要なフィットネスをつけるために、朝6時からの早朝トレーニングを実施いたしました。
トレーニングでは、とにかく、走る。走る。走る。宮崎S&Cコーチからは「昨日のテスト同様にすべて力を出し切ること」という指示があり、選手たちは雨の中、全力でトレーニングを行っていました。

早朝練習
早朝練習

トレーニングは、20分間のうち、レストを入れながら走る20分のシャトルランなど、とにかく、走って体を目覚めさせて、体力トレーニングを実施しました。選手たちは朝からこんなに走るとは思っていなかったらしく、きつい表情を見せ、藤崎選手からは「こんなに走ると思わなかったです。きついです。明日もあるかと思うと‥‥」と弱気な発言も。アカデミーでは、選手の能力を最大限に生かすため、朝からも厳しいトレーニングを続けます。

10時からの室内練習場でのトレーニングは、ケリーコーチが参加。ケリーコーチから、自己紹介があり、早速ウォームアップ開始。ウォームアップ開始時は、元気のない選手たちに檄を飛ばし、「声を出すこと。練習では口が疲れるくらい声を出すこと」との指示が。
ケリーコーチに奮起された選手たちは、パススキル、タッチフットなどのメニューもコミュニケーションを大切にし、大きな声を出して練習をしていました。

しっかりウォームアップ
しっかりウォームアップ

ケリーコーチからの挨拶
ケリーコーチからの挨拶

パススキル   しっかり相手を倒すタックル
パススキル しっかり相手を倒すタックル

ヒットするタックルを   チームビルディング
ヒットするタックルを チームビルディング

アタックの練習   チームビルディング。力を合わせて
アタックの練習 チームビルディング。力を合わせて

ケリーコーチが熱心にメニューを説明
ケリーコーチが熱心にメニューを説明

午後のセッションでは、アカデミー担当であり、普及・競技力向上部門 本城部門長が練習の冒頭に選手たちに向けアカデミーの意義やこれからのビジョンを説明。
「将来的には、このアカデミーを、男女7人制ラグビーの中心を担う事業にしたいと考えております。6年後、10年後の五輪をイメージし、自分のモチベーションを上げるのは大変かと思いますが、その気持ちを忘れないように。ただし、ここに呼ばれているからといって、代表選手になれる保証はありません。自分自身どのようにして頑張っていけるか、そして私たちがどうサポートしていくかでメダルに繋がってきます。みんな頑張っていきましょう」と檄を飛ばしていました。そして、今回は、中竹コーチングディレクター、松尾リソースコーチ(男子アカデミー担当)も見学。女子ラグビーの現状や選手の状態などをチェックしていました。

練習メニューは、ボールの奪い合いやストレングストレーニングを実施。またタックルスキルなどをし、シチュエーションを変えたタックルを練習し、最後はハンドリングゲームで、朝に引き続き、追い込むフィットネスを実施して本日のメニューは終了。
朝から厳しいフィットネストレーニングをしているせいか、最後のフィットネスでもきつい表情を見せる選手も。コンタクト練習後のフィットネスで、さらに「7人制」に必要なフィットネスをつけることを重視しました。

2日目を終え、明日で最終日を迎えるアカデミー。
明日も早朝フィジカルトレーニングで、体を鍛え上げ、基礎体力をさらにアップしていきます。

リハビリ組、きついです   体を温めます
リハビリ組、きついです 体を温めます

午後も入念にウォームアップ   本城部門長から
午後も入念にウォームアップ 本城部門長から

練習に集中   リハビリ組、パンチでフィットネス
練習に集中 リハビリ組、パンチでフィットネス

女子7人制黒岩ヘッドコーチも指導   ボールの取り合いです
女子7人制黒岩ヘッドコーチも指導 ボールの取り合いです

最後もフィットネス
最後もフィットネス

アイスバスでしっかり疲労回復
アイスバスでしっかり疲労回復

いつもおいしい食事を提供して頂いている風見さん(流通経済大学)
いつもおいしい食事を提供して頂いている風見さん(流通経済大学)

9月24日(金)
●五輪に向け、セブンズアカデミー女子の部、スタート

24日より、流通経済大学にご協力いただき、流通経済大学内にて「第4回セブンズアカデミー(女子)」がスタートいたしました。

今回は18名の選手が参加。女子トライアウトに参加し、ラグビーに種目を転向した選手や中学生、高校生を中心に6年後の五輪に向け、選ばれたアスリートが集合いたしました。

普及・競技力向上委員会 上野委員長より   岩渕ハイパフォーマンスマネージャー
普及・競技力向上委員会 上野委員長より 岩渕ハイパフォーマンスマネージャー

集合した選手たち
集合した選手たち

開校式には、普及・競技力向上委員会の上野委員長から、「五輪出場、メダル獲得は、今の女子ラグビーでは非常に厳しい道のりです。しかし、大きな夢に向けて、みんなで日本のラグビーを変えていくという大きな気持ちで臨んで下さい。また、このアカデミーは練習会ではありません。五輪という夢へ向け、それにふさわしい人づくり、五輪で戦える、勝てる人づくりの場所です。また、サポートをしてもらっている人たちや物に対する『感謝』の気持ちを、心から思い続けることができた時に五輪へ行ける選手に成長しています。『自ら考え、自ら行動し、国際人』になり、どんな場所に行っても、適応できる人になってほしいと思っています。全員で五輪を目指しましょう」と、このアカデミーの意味、意義、そして五輪選手になるためにはスキル、テクニカルだけを磨けばなれるわけではない、人として成長していって欲しいという気持ちのこもったご挨拶がありました。

続いて、岩渕ハイパフォーマンスマネージャーからは、バンクーバー冬季五輪の女子選手をまとめたVTRが流され、選手みんなに対し「五輪で戦える選手として呼びました。五輪で戦いたいと思わない人は帰ってもらっていいです」と厳しい一言から。「五輪まであと6年。みんな戦えるチャンスのある選手です。そのためにもラグビーだけではなく、何事も吸収していくこと。3日間、頑張って下さい」と、選手たちの意識を再度確認させるような目が覚める挨拶でした。
女子選手たちも、上野委員長、岩渕HPMの言葉を聞いて、一段と気の引き締まる思いで、話を聞いていたと思います。

テストに向けて   まずはウォームアップから
テストに向けて まずはウォームアップから

宮崎ストレングス&コンディショニングコーチより、テストの説明   マルチテスト
宮崎ストレングス&コンディショニングコーチより、テストの説明 マルチテスト

この日の主なスケジュールはフィットネステスト。
宮崎ストレングス&コンディショニングコーチからは、「とにかく、自分の力を最大限出してください。あきらめないこと。今ある力を出して下さい。今回の数値と五輪選手の基準数値を見比べてみて、差がある選手はこれから近づけていくために、トレーニングしていく基準ともなります」と、今回のフィットネステストの意味や内容の説明があり、グラウンドへ移動し、テスト開始。

テスト内容は、マルチテスト、60Mスプリント、立ち幅飛び、ブリッジテスト、セブンミニッツの5種目。どれも「7人制」種目に必要なフィットネスです。
体幹テストなど、厳しい種目ばかりですが、自分に負けず、五輪選手になるために強い気持ちを持って、臨んでいるようでした。

フィットネステスト終了後、吉岡コーチによるキッキングスキルチェック。ラグビーを始めたばかりの選手も楕円球に慣れてきているのか、上手く蹴りだします。
ボールを使った本格的な練習は、明日25日からです。

キッキングスキルが終わると、宮崎S&Cコーチからとどめの体幹トレーニングが。
フィットネステストで疲れた様子でしたが、体幹トレーニングでさらに厳しい表情に。しかし、これも強化のためには必要なトレーニングです。みんなきつい表情をしつつも、声を掛け合って、最後までメニューをこなしていました。

夕食後は、女子7人制日本代表の黒岩ヘッドコーチによる「7人制ラグビー」と「女子ラグビーの現状」などの座学が行われ、まず今、女子7人制は「2016」をキーワードに活動していることに始まり、アジアにおける女子7人制の位置、現状について話がされ、次に海外の7人制代表フィットネス標準値と比較して今の女子7人制代表と差があることを説明されました。まず現状を知り、そのためには自分たちがどうラグビーに取り組んでいかなければならないか、そして自分の強みが何であり、それをどうセブンズで活かすのかということが伝えられました。次に「ラグビーの原則」「現女子7人制代表の戦略」について、画像を交えての話があり最後は、朝の上野委員長から話にあった、求められる選手像について説明があり座学は終了となりました。

明日は早朝よりフィジカルトレーニングを行い、午前午後のトレーニング・座学を行います。

60mスプリント   立ち幅飛び
60mスプリント 立ち幅飛び

体幹トレーニング、ブリッジテスト   キッキングスキル
体幹トレーニング、ブリッジテスト キッキングスキル

最後の最後でも体幹トレーニングです
最後の最後でも体幹トレーニングです

女子7人制黒岩ヘッドコーチによる座学   黒岩HCより、女子ラグビーについて
女子7人制黒岩ヘッドコーチによる座学 黒岩HCより、女子ラグビーについて