第一回「みなとスポーツフォーラム ~2019年ラグビーワールドカップに向けて~」開催

  たくさんの方に来場いただきました
たくさんの方に来場いただきました

ワールドカップの魅力を語るJK
ワールドカップの魅力を語るJK

去る5月13日木曜日、「第一回みなとスポーツフォーラム ~2019年ラグビーワールドカップに向けて~」が行われました。第一回目の講師は、HSBCアジア5ヶ国対抗2010で2011年ラグビーワールドカップ出場へ向け、激闘の真っ最中のジョン・カーワン日本代表ヘッドコーチ(JK)ということもあり、会場は150名を超える参加者で溢れました。また、今回特別に、来年の8月にフィジーで行われる「パシフィック・デフラグビー選手権大会」参加を控えるデフラグビーの選手、関係者をご招待し、港区のご協力により手話通訳を実施することで、デフラグビーの選手たちにもJKの熱い語りを聞いていただくことが実現しました。

冒頭、日本ラグビーフットボール協会から2019年までに100回実施を目指す本フォーラムの趣旨の説明がなされ、2019年のワールドカップへのムーブメントの喚起だけでなく、広く世界規模のスポーツイベントに関わった方を講師として招くことで、参加者の皆さんに「見るスポーツ」「するスポーツ」のみならず、「(ボランティアやスタッフとして)支えるスポーツ」への参加機会の提供を目指していることが説明されました。

そして司会者からの紹介でJKが登場すると、会場は大きな拍手に包まれました。「ゲンキデスカ?」と、最近メキメキと上達している日本語で挨拶後、手話通訳の方へのお礼を述べて、トークが始まりました。

講演では、第1回ラグビーワールドカップ初戦でのあの伝説的な90m独走トライに絡め、彼のサイドステップ習得秘話や、イタリア代表ヘッドコーチ時代、陽気だが集中力を持続させることが難しいイタリア選手たちをやる気にさせるためにJKがとった秘策の話など、身振り手振りや具体的エピソードを交えながら熱弁、時には会場の爆笑をとり、一気に参加者を引き付けました。

オールブラックスの一員として87年に初めて出場して以降、選手、コーチ時代を含め合計4回ラグビーワールドカップへの参加を果たしているJK。誰よりもその価値や影響力、素晴らしさを知っている彼から、2019年に向けて、開催国としての責任と準備の重要性なども含めて約40分にわたり熱く語り、その後質疑応答に移りました。

参加者の質問に答えるJK   フォトセッションの模様
参加者の質問に答えるJK フォトセッションの模様

「"勝つ文化"を育てるには?」という問いには、2007年に日本代表ヘッドコーチに就任したとき、日本代表は、自分たちの力を信じることができずにいた、それを克服するため具体的な目標値を決め、それを一つ一つクリアすることで自分達に対する自信をつけていった、と。また、日本が世界と戦えるチームであることを証明していきたい、と来年のニュージーランド大会へ向けた決意を語りました。

「イタリア、日本、指導の違いは?」 の問いには、先ほどの苦労話も交え、その国の文化を尊重し、理解し、それに合わせた指導をすることが必要なことを語り、「ジュニアの育成方法で大事なことは?」の質問には、ファンダメンタル(=基礎)が大事だが、英語のスペル「Fundamental」の最初の3文字は「Fun=楽しむ」、つまり楽しみながらプレーできる環境づくりが大切である。ラグビーを(現役として)やる時間は短いが、その時間を一生懸命頑張ることで、世界中に友人をつくれる、その素晴らしさを子供達に伝えるべき、などラグビーを愛する人たちの胸を打つ言葉が連発されました。

「あなたの情熱の源は?」という質問には、「この素晴らしいラグビーに携わっていける。選手づくりに携われる。毎日ベストを目指そうとする選手たちのなかにいる。それが源だ」と答え、そして「2011年以降のプランは?」という質問に対しては、「ラグビーの指導者は続けたい。だけど、残念ながらオールブラックスからコーチの要請はないだろう。なぜなら来年、ワールドカップで日本がオールブラックスを倒すから、僕はもうNZの地は踏めなくなるだろう」と答え、再び会場は爆笑。

質疑応答が終わり、大変な盛り上がりの中でフォーラムは終了。その後フォトセッションの時間が設けられました。舞台を降り、サインの求めに応じるJKにファンの方が順番待ち状態になり、時間を気にしてやきもきするスタッフをよそにJKは一人ひとりに丁寧に対応していました。
そして最後に、デフラグビーの皆さんとステージに戻って舞台の上で一緒に写真に収まりました。

第二回の「みなとスポーツフォーラム」は6月21日(月)にスピードスケートオリンピックメダリストで、今年行われたバンクーバーオリンピックの日本選手団団長の橋本聖子さんを招いて開催予定です。オリンピックの申し子といわれた橋本さんに、「オリンピックのもたらすもの」と題し、その素晴らしさはもちろん、2016年からオリンピックに採用されるラグビーに対する期待などについて語っていただきます。皆様のご参加をお待ちしております。

第二回「みなとスポーツフォーラム ~2019年ラグビーワールドカップに向けて~」の申込及び詳細はこちら

デフラグビー関係者の皆さん
デフラグビー関係者の皆さんと