3月6日(土)、小雨の中、味の素ナショナルトレーニングセンター(以下、味の素トレセン)にて、「第2回セブンズアカデミー」を実施いたしました。
※第1回目実施レポート参照

2回目となる今回は、男女あわせて31名のアカデミー生に加え、3月中旬、オーストラリア・アデレード、そして、月末に香港にて開催される「IRBセブンズワールドシリーズ」に参加する男子7人制日本代表6名と、3月26日に香港にて開催される「香港ウィメンズセブンズ」に参加するU23女子7人制日本代表7名と練習生1名が参加。男子は、1回目と同様にU17日本代表選手の高校生と中学校、ラグビースクール、そしていわてスーパーキッズ、福岡県タレント発掘事業の選手が参加。女子は、女子ラグビーフットボール連盟の関東、九州のユース選手に加え、福岡県タレント発掘事業の選手3名が前回に続き参加しました。

味の素トレセンの研修室で、開始式を開催。
開始式では、競技力向上委員会 本城和彦副委員長より
「金メダルを獲得しようという夢を、持ち続けていますか? バンクーバーでの冬季オリンピックを見て、この思いはもっと強くなっているのではないでしょうか? しかし、金メダル獲得はもはや、夢ではありません。皆さんには多くの可能性が秘められています。このセブンズは日本が勝つ可能性を秘めた競技です。チャンスがあります。2016年、2020年、金メダルを獲るとことは選手みんなの明確な目標としてほしいです。金メダルの先には、今までのラグビー経験者では感じることができない世界が待っています。信じ続けて、努力してみんなで頑張ってほしい」
とアカデミー生たちに力強く、そして、思いのこもったコメントを頂き、第2回セブンズアカデミーがスタートしました。

本城副委員長による挨拶   今回参加したアカデミー生と代表選手たち
本城副委員長による挨拶 今回参加したアカデミー生と代表選手たち

引き続き、研修室にてアカデミーでの取り組みや2016年オリンピックに向けた目標などが説明され、太田正則ストレングス&コンディショニングコーチより、午前中に行われる測定などの説明が行われました。

太田コーチによる説明
太田コーチによる説明

説明後は、小雨がぱらつく味の素トレセン陸上トレーニング場に移動し、男女ともに太田コーチのもと、ウォームアップをし、60Mスプリントと立ち幅跳び、フィットネスチェックの定番、「セブンミニッツ(7分間)」を実施。
女子選手の測定はアカデミーでは初めて。フィットネスが最重要視されるセブンズではこの「セブンミニッツ」は大変重要な測定。選手らは徐々に厳しい表情を見せつつ最後まで走りきっていました。

太田コーチによる男女合同ウォームアップ   立ち幅跳び測定
太田コーチによる男女合同ウォームアップ 立ち幅跳び測定

セブンミニッツ   60mスプリント
セブンミニッツ 60mスプリント

10、20、40、50、60Mおきに測定しています
10、20、40、50、60Mおきに測定しています

測定後は、男子はボールを使った実技トレーニングを開始。7人制日本代表選手も一緒にタッチフットで体を慣らし、セブンズの戦術的な動きやサポートなどの動きを見るゲーム形式を実施。
ここでは、コミュニケーションが重要なポイント。代表選手らが率先して声を出していましたが、アカデミー生らはあまり元気のない様子。トレーニング終了後の円陣では、村田監督より、
「声が出ていない。セブンズは声を出すことが大事。試合のはじめに声をださなかったら(コミュニケーションを取らなかったら)あっという間に前半が終了してしまうぞ!! 午後はみんなで声が出せるように、名前をしっかり覚えて、コミュニケーションをとること」

と厳しいコメントを頂きました。

村田監督による実技トレーニング開始   男子7人制日本代表選手も入り混じってトレーニング
村田監督による実技トレーニング開始 男子7人制日本代表選手も入り混じってトレーニング

実戦に近い形でトレーニング
実戦に近い形でトレーニング

午後からはさらに雨が強くなり、寒さも増してきましたが、女子は陸上トレーニング場に移動し、実技トレーニングを実施。ここでは、セブンズ特有の一つである1対1の場面で、スピーディにいかに相手選手を抜いて、トライに結び付けていけるか指導が行われていました。また、ハンドリング能力など、どの選手がセブンズに適しているか、黒岩コーチや岩渕ハイパフォーマンスマネージャー、ユースの吉岡コーチなどがチェックしていました。

黒岩コーチによる指導   1対1での練習
黒岩コーチによる指導 1対1での練習

続いて、男子は村田監督、山本マネージャー、による「7人制ゲーム分析」、女子は、黒岩コーチによる「7人制ラグビーについて」の講座を実施。

その後、味の素トレセンにあるハンドボール場にて、太田コーチによる器具を使わなくてもできる「スロートレーニング実技」の指導を受け、練習や合宿がない日でも自分自身で意識してトレーニングに取り組まなければならないことを太田コーチに学んでいました。

器具を使わないスロートレーニング   アカデミー生も実践中
器具を使わないスロートレーニング アカデミー生も実践中

女子選手もトレーニングです
女子選手もトレーニングです

男子は、雨のためハンドボール場にてスキル&ゲーム形式のトレーニングを行いました。午前中に指摘された「声を出し、コミュニケーションをとる」ことが意識されてきたのか、アカデミー生からも積極的な声出しやプレーを見ることができました。

最後は円陣を組んで一つのチームに
最後は円陣を組んで一つのチームに

ここで、今回のアカデミーは終了。
男女ともに、1日中、身体と頭を動かしたせいか、それぞれが疲れと充実感に満ちた表情をしていました。
今後に向けては、さらにスカウティングを行い、引き続き選手育成、そして新たな発掘を行っていく予定です。

1回目に引き続き、ご協力いただきました「味の素ナショナルトレーニングセンター」、(財)日本陸上競技連盟、(財)日本ハンドボール協会、並びに引率者、保護者の皆さま、そして、終日雨の中、お手伝い頂きました流通経済大学ラグビー部とトレーナーチームのみなさんに感謝申し上げます