競技規則につきまして、ワールドラグビーよりこのほど、下記の通り競技規則適用の ガイドラインに関する通達が出されました。日本協会でもこれを受け、ここに通知いたしま す。


競技規則適用ガイドライン―モール

2026年6月1日より開始される新規大会より適用

(ネーションズカップ/チャンピオンシップ前のインターナショナルウィンドウ開始に合わせて適用)


主要メッセージ

‐モールは、ラグビーユニオンにおけるボール争奪の重要な局面であり、攻撃側・防御側の双方が競技規則を遵守することが求められる。

‐プレーヤーは、モールに参加(または再び参加)する際、モール最後尾のプレーヤーにバインドしなければならず、2人以上でチェーンを形成して横や外側から回り込むように参加してはならない。 

‐モール外側にバインドしているプレーヤーは、もう一方の腕でボールを争ってもよく、またモールを押し続け/ドライブし続けてもよいが、モールを引っ張る/引きずる位置にいてはならない。 

‐プレーヤーが優位性を失い、モールを引っ張る、または引きずる位置に移動した場合、その争奪から離れなければならず、離れない場合は、罰の対象となる。 

 

‐プレーヤーは、バインドが外れた場合、または押す/ドライブする位置にいない場合、モールから離れなければならない。 

‐「バウンド※」とは、手から肩まで腕全体が接触している状態を指す。 

※ 日本語の競技規則では「バインド・バインディング」を主に用いるが、英語原文では “Bound” が使用されているため、本注釈では原文に合わせ「バウンド」と表記している。

‐映像クリップ/解説動画(試合解説オリジナル音声のみ):
 https://worldrugby.box.com/v/maullawapplication2026


モール(ラインアウトから形成されるものを含む)は、引き続き、ラグビーユニオンにおける重要な争奪の局面であり、関係者全員が、その特性を維持していくことに尽力している。モールに参加するプレーヤーは、ボールの争奪、またはフィールドポジションを獲得・防御するために押す/ドライブすることが求められる。

本ガイドラインは、これらの理念を改めて強調するものである。

 

モール

モールの目的は、競技規則において「プレーヤーに地面についていないボールを争奪させることである」と定められている。

チームがモールを形成、またはモールを防御しようとする場合は、合法的に行わなければならない。

 

競技規則9.3プレーヤーは、相手がボールキャリアーをタックルする、または、タックルしようとするのを故意に妨害してはならない。罰:ペナルティ

  • ラインアウトにおいて、リフターはジャンパーを地面に戻す際、ジャンパーの前に立ってはならない。相手側には、地面に戻ったジャンパー(ボールキャリアー)に対してタックル、またはドライブするための「アクセス」が確保されていなければならず、これが妨げられている場合は、オブストラクションとなる。


競技規則16.2ボールキャリアーからボールを奪ったプレーヤーは、ボールを運ぶまでそのプレーヤーと接触していなければならない。罰:ペナルティ

  • これは、モール内において、ボールを後方の味方プレーヤーへ渡し、その前方に他のプレーヤーが位置することでオブストラクションを生じさせる、いわゆる「ロングアームトランスファー」または「サイドウェイズトランスファー(シフトドライブ)」を禁止するものである。


競技規則16.3形成されたモールは、トライラインの方向へ前進していかなくてはならない。

  • モールの本来の意図は、両チームが相手側トライラインへ向かって押し合いながら争奪を行うことである。


競技規則 16.5プレーヤーは、オンサイドの位置からモールに参加するか、ただちにオフサイドラインの後方 へ下がらなければならない。 罰:ペナルティ


競技規則16.7:モールに参加するプレーヤーは、以下のことをしなくてはならない: a. オンサイドの位置から参加する。 b. モールの中の最後尾のプレーヤーにバインドする。罰:ペナルティ

  • これは攻撃側・防御側の双方に適用される。攻撃側において、遅れて走り込んだプレーヤーがモール最後尾のプレーヤーより前方でモールに参加した場合、罰の対象となる。 
  • プレーヤーは、既にモールに参加している最後尾のプレーヤーにバインドして参加しなければならない。2人以上でチェーンを形成し、相手側モールの側面へ回り込むように参加してはならない。(ラックへの参加に関する競技規則の明確化3-2021を参照)


競技規則 16.10:モールの中にいるプレーヤーは全員、モールの中に引き込まれているか、バインドされていなければならない。ボールを保持しているプレーヤーは、モールの中で、横や後方に移動してはならない。 罰:ペナルティ 

  • 追加のプレーヤーが参加する中で、チームがモール後方でボールを保持したい場合、ボールはモール内の最も後方のプレーヤーへパスまたは運ばれるべきである。


競技規則 16.11:プレーヤーは、以下のことをしてはならない: a. モールを故意に崩す、または、モールの上に飛び乗る。 b. 相手側のプレーヤーをモールから引きずり出そうとする。罰:ペナルティ

  • モール中における引きずる(または引っ張る)行為は、罰の対象となる。

 

プレーヤーがモールにバインドしている、または他のプレーヤーによってモールに巻き込まれている(“捕まえられている”)状態で、ボールまたはボール周辺のスペースの争奪に関わっている場合、そのプレーヤーは引き続き争奪を行うこと、またはトライラインへ向かってモールを押す/ドライブすることができる。

 

「バウンド(Bound)※」とは、手から肩までの腕全体を接触させて、(既にモールに参加している)他のプレーヤーの肩から腰の間の胴体の部分をしっかりとつかむことを意味する。


※ 日本語の競技規則では「バインド・バインディング」を主に用いるが、英語原文では “Bound” が使用されているため、本注釈では原文に合わせ「バウンド」と表記している。

 

モールの外側にいるプレーヤーは、元のバインドを維持しなければならず、また、ボールまたはその周辺のスペースの争奪に関与することなく、リフターまたは形成されたモールの周囲を回り込み、攻撃側チーム側に出るような動きをしてはならない。さらに、モールを引っ張る/引きずる位置にいてはならない。

 

プレーヤーがモール内で優位性を維持し、かつ腕および肩を用いて合法的にバインドした状態を維持している場合、ボールまたはスペースの争奪を継続することができる。一方で、優位性を失い、モールを引っ張るまたは引きずる位置へ移動した場合、そのプレーヤーはモールから離れなければならず、そうしない場合は相応に罰される。

 

プレーヤーが合法な位置でなくなった場合は、直ちにモールから離れ、自チーム側(最も後方のプレーヤーの後方または横)からモールに再び参加する、または自チームのオフサイドラインに戻らなければならない。

 

オフサイドライン‐モール

‐オープンプレーでのモール

- 競技規則 16.4:各チームに、自チームのトライラインに一番近いモールの参加者の最後尾の足を通るトライラインと平行なオフサイドラインがある。その足がトライライン上、または、トライラインの後方にある場合、そのチームのオフサイドラインはトライラインとなる。

‐ラインアウト時に形成されたモール


競技規則 18.32:ボールが投入され、プレーヤーか地面に触れるまで、ラインアウトプレーヤーのオフサイドラインは、マークオブタッチである。その後は、ボールを通る線になる。 罰:ペナルティ


競技規則 18.33:マークオブタッチでラック、または、モールが形成された場合、参加しているプレーヤーは、以下のいずれかを行うことができる: a. ラック、または、モールに参加する。 b. ラック、または、モールの中にいる味方の最後尾の足を通る線であるオフサイドラインまで後退する。


競技規則 18.37:ラインアウトが終了するのは、 b. ラック、または、モールが形成され、その中にいるプレーヤー全員のすべての足が移動してマークオブタッチを越えた場合。

 

したがって、モール形成中にボールを追い越したプレーヤー、ボールより前方でモールに参加したプレーヤー、またはモール最後尾の足より前方に留まり続けるプレーヤーは、オフサイドとなる。

 

オープンプレーから形成されたモールにおいては、「モールはボール争奪の局面である」という理念が、マッチオフィシャルの判断基準となるべきである。モール外側のプレーヤーは、合法的に参加し、かつバインドを維持していなければならず(競技規則16.7)、直接的にボール争奪へ関与するか、またはモールを押す/ドライブしていなければならない。また、相手プレーヤーをモールから引っ張る/引きずること(競技規則16.11)、および、ボールをプレーしようとして待機しているプレーヤーを妨害すること(競技規則16.18)は認められない。

 

 

■通達対象:加盟協会、競技運営関係者、加盟チーム

■文書作成:日本ラグビーフットボール協会 ハイパフォーマンス部門

■本件についてのお問い合わせ先:

(公財)日本ラグビーフットボール協会 ハイパフォーマンス部門(referee@rugby-japan.or.jp


添付資料

(通達)競技規則の適用ガイドライン‐モールについて