●6月8日(土)
第3回目のATQアカデミーキャンプは、千葉県日本エアロビクスセンターにて、「チーム・アタック」をテーマに本日開始されました。
初日の8日は、天候が心配される中、いつもどおり、上野競技力向上委員長による冒頭の挨拶のあと、コアスキル(キャッチ&パス、タックル、コンタクト)セッションを行いました。今回は、これまでのキャンプの最終日の選手へのフィードバックの際、モデルドリルとして個々人に提供していたコアスキルドリルのいくつかをピックアップする形で、実際にいくつかのドリルを行いながら、ポイントを説明し選手に理解を深めてもらうことを目的としてこのセッションを行いました。
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コアの重要性を強調する薫田コーチングディレクター(CD) |
ウォームアップの後、薫田コーチングディレクターより、先日のニュージーランド、オーストラリア視察の際にも痛感した、コア(体幹)の強化の大切さが選手達に説明され、実際にいくつかのコアトレーニングを選手に紹介しました。コアとは、いわゆる体の芯の強さとも言え、単に表面的な筋力でなく、インナーマッスル(体の内部の筋肉)を強化し、どんなときにでも体がぶれない為の基礎になるものです。ニュージーランドやオーストラリアなどの強豪国では、このコアがかなり重要視されており、すべてのトレーニングの中でこのコアが意識されているとのことです。逆に、日本選手においては、海外の選手と比べてかなり劣っている部分と言え、それがスクラムやコンタクトといったフィジカルなプレーだけでなく、パスなどを含めたすべてのプレーに影響している言われています。
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実際にコアセッションを行い、コアの重要性を認識する |
いくつかのコアトレーニングを実際に試してみると、なかなかうまくバランスが取れない選手が多く、選手自身、このコアの強化の必要性を実感したようです。
その後、タックルセッションが行われ、ショートステップとパワーステップを意識したタックルの基礎ドリルから、最終的にはタックル後のボールへの働きかけ、ターンオーバーまでの一連の動きを含めたドリルまで段階的に行われました。
キャッチ&パスセッションでは、これもまた海外では現在主流となっている、「パンチパス」というパンチをする感覚でボールを押し出すようにパスし、速く、直線的にボールを目的点に到達させることを意識したパス練習をおこないました。ここでもやはり「コア」を意識することが強調され、これにより無駄な動きを極力減らすことが可能になるということが説明されました。
練習が終わるころには、ついに小雨が降り出しましたが、何とかコンディションが悪くなるまえに、初日のセッションを終了することができました。
夜のミーティングでは、薫田コーチングディレクターより、海外の選手強化ストラクチャーが紹介され、それと対比しながら、このATQアカデミーや海外派遣選手(ハイ・パフォーマンス・ユニット)の位置付けや、選手に期待する点などが説明されました。また、選手達に対しても「海外の選手と比べた場合の日本選手の強みと弱みは?」「弱みを克服するためにどうするべきか?」などの質問が次々と投げかけられ、「日本人が世界で戦う為に必要なことは何か?」ということを真剣にディスカッションしました。
そして最後に、薫田コーチングディレクターから、「我々スタッフができることは、選手に対して気付きを与えてやることだけ。後は選手自身の自主性次第。考え、気付ける選手だけが成長できる」ということと、ATQプロジェクトの大前提として、「戦うべき相手は、強化ストラクチャーにしても、コアの強さにしても、どこをとってもはるか上に行っている」が、それを理解したうえで目標の達成へ向け、「次の海外派遣選手もしくはJapanを狙え」「ユニオンのプライドを持って戦え」という激が選手たちに送られ、熱い雰囲気の中、初日のミーティングが締めくくられました。
明日以降は、薫田コーティングディレクターが直々に指揮をとり、ブレイクダウンでのスキルやフェイズオプションについてのセッションが行われる予定です。(総務:中里)
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ショートステップとパワーステップを意識し、Y字型のタックルドリルを行う |
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ジャパンでも行っているビジョンドリル。かなり難しい |
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パンチするようにボールを早く、真直ぐパスする |
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薫田CDもパンチパスのセッションに積極的に参加 |
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世界で戦うためにどうするべきかを選手達に問いかける |