ATQプロジェクト

◎上野裕一・日本協会 競技力向上委員会副委員長
「日本代表の強化にあたっては、この5年間が本当の勝負だと考えています。トップリーグで昨シーズンのルーキー達がハイパフォーマンスを見せてくれましたが、彼らをこの後どう成長させていくか。昨年はU-23日本代表のニュージーランド遠征なども含めて、いろいろな強化を行ってきました。
しかし、日本代表がW杯で目標とするベスト8入りするためには、選手や監督・コーチなどの努力だけでは難しい。協会、大会運営、レフェリーなども含めて、世界のベスト8レベルにないといけないと思います。我々の中に対峙する相手がいると思い、これまでボランティアであったスタッフからプロフェッショナルへと移行していかないといけない。今回の新プロジェクトに関わるメンバーは、フルタイムをこのプロジェクトのために費やすプロフェッショナルなメンバーとなる予定です。そのような姿勢で、戦闘に臨みたい」

ATQのラグビースタイル

トニー・フィルプ  

◎トニー・フィルプ IRBハイパフォーマンス・マネージャー
「IRBの立場から、日本のすばらしい機会の始まりに立ち会うことができて光栄です。IRBは、競技力向上のために日本を含むTier2の国々へのサポートを重要な取り組みと考えています。
私は日本に来て10か月ほどですが、日本には他国にはないポテンシャルを感じています。それを3つあげるとするなら、
 1 ラグビーに関わる人口が多い
 2 その中にはコーチやレフェリーを含めて、高いレベルの人材が埋まっている
 3 そして、ラグビーに取り組む人たちが情熱を持っている
ということです。IRBもこのことを認識しており、世界のラグビーの成長のためには日本とのよい関係を維持していくことが重要と考えています。

ATQプロジェクトは世界と戦うための日本ラグビーの土台となるものです。また日本ラグビー界全体が成長していくための土台になるものです。今後、IRBからの支援もさらに増やしたいと考えていますし、IRBとしても日本の成長を楽しみにしています。プロジェクトとしては、選手の海外派遣がメインとなりますが、レフェリー・コーチ・大会運営力なども含めたプログラムであると認識しています。全体的な向上があって初めてベスト8入りという目標が達成できるのです。私の知識と経験を役立てられるように頑張っていきます」

ATQによる育成計画

  薫田真広

◎薫田真広 ATQプロジェクトコーチングダイレクター
「昨日まで違う立場でやってきたので、今回のプロジェクトについては、まだ詳細を話し合っているところです。ただ、このプロジェクトの趣旨はアカデミーの選手たちがトップリーグに出場できるくらいのスキルを付けさせることだと、私なりに理解しています。もちろんトップリーグもまだまだレベルアップしなくてはいけません。また、カーワン監督の率いる日本代表の強化にもつなげていかなくてはいけません。何しろ昨日までとこの席での立場はまったく違うので、ATQプロジェクトについてはまだ自分の中で理解しきれていない面もありますが、自分の役割はまっとうしたいと思っています」

日本代表チームとの連携

  • 現日本代表スコッドに一定数のATQ対象メンバーを含むことにより、代表スコッドの環境で、若手選手の強化及び経験の蓄積を行う。
  • 今回、代表スコッドに継ぐ選手をHPU、アカデミーで強化することにより、次世代の代表候補の底上げを実現する。
  • さらに、将来有望な若年層(U17)をプレ・アカデミーで強化し、アカデミー・HPUへの継続的な流れを確立してゆく。