第55回日本選手権大会3位決定戦(1/13)記者会見レポート(ヤマハ発動機ジュビロ 28-10 トヨタ自動車ヴェルブリッツ)

 

トヨタ自動車ヴェルブリッツ

▼ジェイク・ホワイト監督

「本日の試合結果は残念です。今日のトヨタはベストではありませんでした。今回、プレーオフまで進みましたが、その先へは進めなかったというのが現実です。ヤマハ、パナソニック、サントリーはここ数年間ずっとプレーオフの常連チームで、トヨタはそのようなチームと戦ったわけですが、ヤマハは本当に良かったと思います。ただ、この1か月を振り返ってみると、トヨタはNTTコミュニケーションズ、神戸製鋼、パナソニック、ヤマハを相手に4週連続の厳しい試合で受けたプレッシャーを解き放すことができませんでした。トヨタは優勝するにはまだ遠いところにいるので、これからも選手たちとより一層密に取り組んでいきます」

――姫野選手の成長について
「姫野選手の成長はとても嬉しい。彼がルーキーとしてトヨタでキャプテンを担い、日本代表チームでプレーしたことで、トヨタを7大会ぶりのベスト4に導いてくれたと思います。ところで、トップリーグのレッド、ホワイトの二つのカンファレンスのうち、トヨタが属したレッドカンファレンスでの試合はいずれもタフなものでした。レッドカンファレンス最終試合の神戸製鋼戦が終わるまでプレーオフに行けるか行けないかわからない状況でした。プレーオフにいくためには、NTTコミュニケーションズと神戸製鋼に連勝し、また決勝にいくためにはパナソニックにも勝つ必要があり、チームのメンタル面でのチャレンジを多く強いられることになったシーズンでした。トヨタは、昨年トップリーグ8位に終わりましたが、今後はチームとして今回のような厳しいプレッシャーの中でプレーすることに慣れていかねばなりません。ただ、日本代表チームでオーストラリア、トンガ、フランスとプレーし、厳しいプレッシャーを経験した姫野選手が他の選手たちにも良い影響を与えてくれました」

 

▼姫野和樹キャプテン

「今日の試合結果は本当に残念に思っています。簡単にゲームを進めていけるだろうという、気持ちの面で少し隙がありました。3位決定戦という初めての舞台でしたが、簡単に勝ち切れるといった気持ちでプレーしてしまった一方で、逆にヤマハはすごくエネルギーを出して我々に向かってきました。これに対し、トヨタはヤマハのセットプレーでいいようにやられ、ペナルティ―を取られ、ゴール前でやられてしまうという、相手に素晴らしいゲーム運びをされてしまいました。今日は、勝てば最高の3位という結果を残せるものでしたが、来シーズンに向けた自分たちの教訓としてつなぐことがたくさんあった試合でした。来シーズンはさらにレベルアップしてプレーオフで勝てるようチームとして成長していきたいと思います」

――ヤマハがセットプレー、特にスクラムでプレッシャーをかけてくることへの対策とその対策が通用しなかった理由は
「相手がスクラムに自信を持ってやってくることはわかっていましたが、今シーズンは自分たちもスクラムには自信があったので、相手に負けないスクラムを組んでしっかりと勝つという方針で臨みました。しかし、先ほど述べた気持ちの面で隙があったことと、お互いさまで言い訳なしですが、少し悪かったグラウンドコンディションに対応できなかったためと思います」

――先週は、パナソニックと良い試合をしたが勝ちきれず力を出し切ったことによって、今日の3位決定戦へのモチベーション維持は難しかったのではないか
「トヨタはプレーオフまで来るのにエネルギーを出してきましたが、今日の試合に関してはエネルギーやモチベーションをどう上げるかキャプテンとして難しく感じ、できなかった部分です。チームや自分個人としての教訓として刻んで今後やっていきたいと思います」

――姫野選手にとって、日本代表やトヨタのキャプテンを経験した今シーズンはどのようなものであったか
「今年1年は今までの23年間の中で一番充実した年でした。多くの経験をし、たくさんのプレッシャーの中で責任感やキャプテンとしての使命感に押しつぶされそうになるときもありましたが、それらを乗り越えることで成長すると思い、そのような状況を楽しめるよう、この1年間臨みました。以前は今季のように試合にたくさん出たことがなかったので、身体的な疲労感は感じましたが、これもまた良い経験として捉え、来シーズンに向けてもっともっとタフな自分になれるようやっていきたいと思います」


 

ヤマハ発動機ジュビロ

▼清宮克幸監督

「久しぶりにヤマハらしい戦いができ、今回のようなプレーが先週やれていればと思います。銅メダルが獲得できて良かった。シーズンを勝利で終えることができるのは、優勝したチームと3位のチームであり、この3位決定戦に臨む準備はしっかりできました。何より、今日がヤマハのレジェンドの大田尾竜彦選手の引退試合となることで、チームが一つにまとまりました。怪我人が続出しましたが日本人のフォワード選手たちがかばい合い、助け合い、気が利くプレーを随所で見せてくれました。得点力のあるバックスに外国人選手を置いて戦い、大田尾選手が良い判断でコントロールすると、ラグビーは簡単なスポーツであると思わせる試合ができるのではないかと、上から見ていて感じました。堀江キャプテンは満身創痍でしたが、激しいコンタクトなど責任感あるプレーをしてくれた頼もしい男です。今日の堀江選手のプレーやタックルを見て、ジェイミー・ジョセフ日本代表監督が彼をジャパンに選ぶことになるのではないかと思っています。それだけ素晴らしい彼のディフェンスでした」

――今季トップリーグで採用されたレッドとホワイトのカンファレンス方式については
「カンファレンス方式についてはそれぞれ意見があると思います。この方式に拠るものかどうかわかりませんが、競った試合が少なかったことが一つあります。今シーズンに限れば、どちらが勝つとういうのがだいたいわかるような対戦カードが多かったような気がします。わからなかったのは、先週の対サントリー戦でしょうか(笑い)。競った試合を多くするには、ホームアンドアウェー方式が良いのではないでしょうか。大田尾選手が引退理由の一つに挙げた、来季トップリーグシーズンの短さ、試合数が7試合と少なくなるのは選手やチームの運営にとってとても残念です」

――大田尾選手は来季、ヤマハのコーチをされるのか
「まだ発表はできません。ヤマハでも活躍の場を用意する筈ですが、違うチームへ行く可能性もないわけではありません。いずれ発表すべきタイミングで発表します」

 

▼堀江恭佑キャプテン

「今日は、何といってもスクラムでヤマハらしいエナジーを発揮できた試合でした。前日、長谷川慎前FWコーチからも連絡をいただき、ラグビーはメンタルスポーツであり、フォワードでチームにエナジーを与えることをフォワード陣で再確認しました。今日は、そのような試合となって良かったです。また、ヤマハのジャージーでは最後の試合となる大田尾選手を勝って送り出したい気持ちが個人的にもあり、勝って笑って終えることができ良かったと思っていますが、先週このような試合をしたかったです。今シーズンありがとうございました」

 

▼大田尾竜彦選手

「14年間トップリーグでプレーをさせていただき、今日の日本選手権大会の試合で引退することとなりました。今日の引退試合ではどのような心境になるか経験がないので自分でもわからず、怖さ、楽しさが入り混じって試合を迎えましたが、いつもと何も変わりませんでした。 相手に勝つには、自分たちの強さを出し、相手の強みを消すことが一番大事であり、それが今日の試合でした。先週の準決勝のサントリー戦は惨敗したといってもよい試合でしたが、チームを一つにしてくれた首脳陣や堀江選手のキャプテンシーのもとで最終試合ができたのは、誇らしいものです。今日の試合は、来季以降のヤマハの礎になるような試合ができたのではないかと思っています。ありがとうございました」

 

――トヨタに勝つためにどのようなイメージで臨んだか
「トヨタのランナーたちに対し自分たちのディフェンスをすることにフォーカスしました。(試合開始早々)マレ・サウ選手がシンビンとなり3点を取られたものの、味方のディフェンスが良く、ワイドに振りながらキックのスペースやミスマッチを探してラインブレークでき、相手ゴール前で取りきれたことが一番良かったことです」

 

――上手く決まったキックパスのプレーについて

「アドバンテージが出ており、蹴ろうとした瞬間に目が合った相手のイェーツスティーブン選手が少し下がったので内側に蹴ったところ、マレ・サウ選手にスポッと入り上手くいきました」

 

――引退の理由は

「数年前から引退のタイミングを探りながらプレーしていましたが、引退の決め手は来シーズンの短さ、ワールドカップイヤーでのトップリーグの予定、自分のプレーのちょっとした変化もあって、この辺りで他の選手に託し、自分はサポートする形になりたいと考えたことです。トヨタ、サントリー、パナソニックでいい若手がどんどん経験を積んでフレッシュでエネルギッシュにプレーし続けているのを見たら、この辺りが引退のタイミングかなと思って決断しました」

 

――ヤマハで一番思い出に残ったことは

「思い出に残っているのは、やるだけ、やり切るという高揚感を感じた決勝戦と、逆に悲壮感を感じた入替戦での試合です。入替戦はしんどい1か月でした。両方の試合はなかなか経験できないと思います」

 

――今後については

「指導者になれたら良いなと思っており、そのためのプランニングをしています」

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