第55回日本選手権大会決勝(1/13)記者会見レポート(サントリーサンゴリアス 12-8 パナソニック ワイルドナイツ)

パナソニック ワイルドナイツ

 ▼ロビー・ディーンズ 監督

「できれば勝利チームとして記者会見をやりたかった。コーチ、スタッフの立場から言うと、今年の選手達を誇りに思う。試合に負けたという事実が変わることはないが、素晴らしい男達が、1年間素晴らしい仕事をしてきた。結果として負けはしたが素晴らしい決勝戦であり、素晴らしい試合の当事者として一翼を担えたと思っている。今日の選手達は、ここから2,3年の日本ラグビーを支える選手だ。日本のラグビーは明るいと思う。我々は何度もこの舞台に立ってきたが、今日の試合は、今までの決勝戦をはるかに超えた素晴らしい決勝戦だった」

 

―予期せぬ選手交代があったと思うが、その理由と、プランでの影響はあったか。
「決勝戦とはそういうものだ。交代、入替で影響した部分あったが、ケガによるものであり、それ以外は、よりエネルギーが必要と感じたことからの戦略的な入替だ。デービッド・ポーコックの交代は、HIAはクリアしたが、グランドに戻った時に本来の調子ではなかったので外した」

 

―サントリーの戦い方には事前の予測と違う点があったか。
「特に違いは感じていない。サントリーは前半ポゼッションが高かったが、我々はボールを有効に使うことができなかった。後半は修正してポゼッションを高くして戦い、それができたが、最終的には少し差が出て、それが結果となった」

 

―サントリーやパナソニックはレベルが高いと思う。スーパーラグビーでのレベルとしてではどうか。
「可能性はあり、レベルが高いチームだと思う。サントリーは、昨年、ワラタスと良い試合をした。パナソニックも去年2月にスーパーラグビーのチームと良い戦いができた。来月にも予定している。インターナショナルで戦えるレベルにあると思うので、このレベルでの試合を続けていけば、日本のラグビーのレベルは上がると思う」

 

▼布巻 峻介 キャプテン

「スタッフ、ファンに感謝したい。サントリーと戦って負けたが、誇りを持てる試合だった。サントリーには素直におめでとうと言いたい。負けた原因は分からないが、単純にサントリーが強かったと思う。昨年、サントリーに負けたことで、成長できたという実感があったが、それでも届かなかった。また強くなるきっかけをくれたので、それを生かして来シーズンにつなげていきたい」

 

―トライを獲りそうで、なかなか獲りきれなかったが、どう感じていたのか。
「サントリーのディフェンス対パナソニックのアタックであり、互いの我慢比べだった。あそこで獲りきれなかったのが痛かった」

 

―最後に守りきった後、トライを獲りに行った時の心境は。
「あの時間帯はしっかりと戦った。ボールを奪えばチャンスはあるとポジティブに思いながらディフェンスしていた。そこでボールをゲットしたので、パナソニックの流れになると思ったが力尽きてしまった」

 

―最後にノックオンをしたり、スローイングミスなど、いつもの試合よりミスが多かったが。
「どこかプレッシャーがかかっていたのだと思う。細かいところに意識できていたらよかった。サントリーのプレッシャーがかかっていたので詰めが甘かった」

 

―この1年、キャプテンとして難しかったことは。また、手ごたえはどうだったか。
「自分一人で背負わないように意識していた。他のリーダーもいるので、皆で共有しようと思っていた。最初は自分の弱みを託すことに躊躇したが、信頼できる仲間に託すことができたので、キャプテンとしては難しくはなかった」

 

―試合中に、レフリーからブレイクダウンについての注意があったと思うが、判定についてはどうか。
「サントリー、パナソニックともお互いに良い形でファイトしていた。レフリングは一貫していた」

 

―前半、サントリーがスペースを突くアタックをしていたが、その時のディフェンスの状態はどうだったのか。
「サントリーに勢いを持たれてしまい、前に出ることができなかった。コミュニケーション不足や、タックラー一人ひとりの精度が良くなかった部分もあった」


サントリーサンゴリアス

▼沢木 敬介 監督

「お疲れ様でした。今年は、去年のチームを超えることを目標にして、1年間取り組んできた。今日は、今シーズン一番の試合だった。どのチームよりもハードワークしてきたという自信をもって臨んだ試合だった。選手は我慢強く、素晴らしいパフォーマンスをしてくれた」

 

―準決勝戦、決勝戦と選手のコンディションが良かったが。
「選手が自己管理の意識に目覚めたことと、メディカル、コーチングスタッフのハードワークの賜物だと思う。過去のデータや、選手の良い状態のデータもそろっている。選手の状況を日々把握しながら、選手とスタッフがコミュニケーションをとれているので、良いマネジメントができたのだと思う」

 

―今日の試合での勝負をつかみ取ったシーン、プレイは。
「最後のラインアウトで言えば、今シーズンはゲームの中で何度も同じようなことがあった。そこで選手はパニックにならず、コミュニケーションをとりながら良い判断をした。サントリーは自己満足のトレーニングはしていない。厳しいトレーニングをしてきたうえで、あのような状況を経験していたので、リーダー陣の良いコミュニケーションのもとで良い判断に繋がった」

 

―今日の試合ではアタック、ディフェンスのどちらに手ごたえを感じたのか。
「サントリーはアタックのチームだが、勝つチームはディフェンスが良い。今日はディフェンスが良かった。一番ディフェンスの良いパナソニックに対して、良いスペースを探して、そこにしっかりとアタックできたと思う」

 

―2連覇に向けて、この1年間気を配ってきたことは。
「今シーズンの我々は“STAY HUNGRY”。成長が止まれば衰退の始まりである。一日一日、少しでもいいから、成長しながら去年のチームを超えていく。そうすれば必ず優勝することができるということを、全員が信じながらハードワークをする。そういうシーズンだった」

 

―この1年で一番成長した部分はどこか。
「流選手を中心としたリーダー陣がしっかりしていた。やるべきこと、大事にしなければいけないことを、良くコミュニケーションを取りながらやっていた。選手達は向上心を持ち、去年のチームを超えるという気持ちが芽生えてきている。最後のシーンもパナソニックの流れの中で、フォーカスを明確にするコミュニケーションを取り、しっかりとしたデジジョンメイキングによりサントリーに流れを引き戻したのは、リーダー陣やキャプテンが良いコミュニケーションをとっていたからだと思う」

 

―中村選手が良いパフォーマンスだったと思うが。
「中村選手は今シーズン、私に一番怒られている。向上心はある。しかし周りには世界レベルの選手がいる。レベルアップはしているが、まだまだサントリーのレギュラー確定ではない。小野選手、田村選手もいる」

 

―パナソニックのディフェンスに対して、どのようにイメージして対処したのか。
「バックスペースやショートサイド、オープンサイドについて、どのようにディフェンスの配置を判断させるかを意識しながら、相手に的を絞らせないようなアタックのバランスをとるかいうことであった」

 

―パナソニックの中心選手が交代したが。
「バーンズ選手についてはヤマハ戦の試合を見ていたので、おそらく途中で交代すると思っていた。後半のポーコック選手については、いなくなって、ブレイクダウンでは自分達がコントロールしやすい状況になった」

 

―ロビー・ディーンズ監督は、サントリー、パナソニックはインターナショナルレベルのチームだと言っている。サントリーは今後、どのようなチームを目指すのか。
「6月にスーパーラグビーのチームと対戦する予定だ。今年はパナソニックもハイランダーズと、トヨタもレベルズと試合を予定している。チャレンジができる良い環境を作ることが日本ラグビーの成長につながる。チャンピオンチームは全チームのターゲットになるので、優勝チームのご褒美だと思って、インターナショナルスタンダードはぶれずに、来シーズンも更なる成長をしていきた」

 

流 大 キャプテン

「今日はありがとうございました。この日をターゲットにして、厳しいトレーニングを積んできた。それが形となってすごくうれしい。これだけレベルの高い試合ができたのは、パナソニック、レフリー、メディア、ファンの皆さんのおかげであり感謝したい。試合はどちらに転ぶか分からない状況だったが、練習量、フィットネスには自信を持っていた。最後はフィットネスの差が少し出たのだと思う。皆が勝ちたいという気持ちを、シーズンを通して持って過ごした結果、優勝ができて本当にうれしい。サントリーはインターナショナルスタンダードという目標を掲げているので、これに満足せずに、もっとレベルを上げて日本のラグビーを引張っていけるように頑張っていきたい」

 

―勝負をつかみ取ったシーン、プレイは。
「試合が終わったばかりなので、具体的なシーンは分からないが、サントリーは居心地の良い練習はしていないが、練習がかみ合わないことも多々あった。そういう中で、今までの試合の中でクロスゲームを経験し、そこで勝ち切ることを経験できていたことが大きかった。最後に連続攻撃をしたときに、パナソニック相手にあれだけフェーズを重ね攻めることができるのはサントリーだけだ。その後、反則を取られディフェンスをしたが、あれだけフェーズを重ねることができるのは、全員がアタックする気持ちをもって、コントロールしていたことが要因だと思う」

 

―後半、パナソニックの攻めを耐えた要因は。
「気持ちの問題だと思う。ディフェンスシステムとかタックルの精度を別にして、ゴールを割らせないという気持ちだと思う。その気持ちがあるのでゴール前に来られても、相手のノックオンや反則を誘発することができた。サントリーにはプライドタイムという言葉があり、苦しい時間帯、苦しいエリアにいる時に、選手がその言葉を発すると皆のスイッチが入るようになっている。今日も、苦しいゾーンに入ると、多くの選手がその言葉を発していたので、自分は自信をもって試合することができた」

 

―マット・ギタウ、中村亮土選手について。
「頼もしく、負担を減らしてくれる二人だ。ギタウ選手は日本語を覚えてくれるのでコミュニケーションが取り易く感謝している。プレイに関しても状況に応じたコミュニケーションがクリアである。中村選手はゲインラインバトルで勝ってくれていた。ディフェンスでも貢献してくれていた」

 

―ベリック・バーンズ、デービッド・ポーコック選手がいなくなってどのような変化があったか。
「ポーコック選手がいるときはボールを取られていたし、スローダウンさせられていた。ただし、そこに対応するトレーニンはしてきた。素晴らしい選手だが、対処するトレーニングはしてきたので自分の中では、いる、いない、は気にならなかった。バーンズ選手については、サントリーよりパナソニックの方が影響が大きかったのではないか。代わりに入った山沢拓也選手はラン、キックで持ち味を出していた。選手層が厚くすごいチームだと思った」

 

 

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