マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

慶應義塾大学 19-20 明治大学
【セカンドステージ 2013年12月15日(日) /東京・秩父宮ラグビー場 】
第50回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 セカンドステージ第2戦、好天に恵まれたここ秩父宮ラグビー場での第2試合は16回連続31回目の出場の慶應義塾大学と16回連続31回出場の明治大学の戦いです。
今シーズン関東大学対抗戦では慶應大学が18-24と明治大学に勝利していますが大学選手権大会ではこれまでの戦いは4勝1敗1分けと明治大学が勝利しております。

試合は慶應のキックオフで始まりました。試合の開始早々に慶應は相手キックミスよりチャンスを作り明治陣22m付近ラインアウトよりボールをオープンサイドに展開し縦の攻撃を織りまぜて明治陣を突き進み敵陣ゴール前10m付近でペルティ(ノットロールアウェイ)を誘いタッチへ、ラインアウトよりモールからサイドを突く連続攻撃でゴールラインへ突き進むがトライならず、その後も明治陣での激しい攻防が続くが明治の厚いディフェンスラインを突破できない。試合は前半11分に慶應は自陣左サイド22m付近に蹴りこまれたボール右オープンに展開しボールを(14)下川選手→(12)石橋選手→(1)三谷選手と繋ぎ相手選手を引き付けて三谷選手より(11)服部選手へ絶妙なパスで繋ぎトライ(GK失敗)を奪い5-0と先制。その後も明治は慶應陣で激しい攻守が続き前半18分に明治陣10mM付近で明治ボールスクラムより出たボールを慶應陣22m付近へ絶妙なタッチキック、続くラインアウトより明治は慶應に対して激しいプレッシャをかけ続け22m中央付近で相手ペナルティ(オフサイド)を誘い(10)茂木選手がペナルティゴールを成功(5-3)、その後、慶應は明治陣でパスを細かく左右に繋ぎ攻め込むも明治の激しいディフェンスによりなかなか前に進めず一身一体の攻防が続く、前半31分に明治は自陣からのハイパントを敵陣22m付近でキャッチした(14)下川選手に(10)茂木選手がナイスタックルしボールを奪いボールを左右に大きく展開し慶應陣に激しく攻め込み慶應ゴール前10m付近で相手ペナルティ(オフサイド)よりスクラムを選択し(8)松橋選手が右サイドに切り込みその後ラックよりボールを押し込んで(1)勝木選手がトライ(GK成功)し5-10と逆転。慶應は明治陣ゴール前10m付近ラインアウトよりモールを作り明治ゴールに攻め込み相手ペナルティ(オフサイト)誘い右サイドに攻め込むが明治の激しいプレッシャにより痛恨のノッコン。慶應はゴール前10mm付近ラインアウトよりモールから縦に攻め込み(3)青木選手がトライ(Gk成功)し12-10と慶應大学が前半を逆転し折り返した。
後半も開始早々より慶應が前半同様に明治陣に攻め込み激しい攻防が展開、明治は後半8分に慶應陣22m付近ラインアウトよりモールを形成し慶應陣に攻め込み慶應とゴールライン際での激しい攻防が続くがトライを奪うことが出来ない。続く11分にも慶應陣ゴール前5mスクラムから(8)松橋選手が右サイドへ攻め込み明治フォワード陣が必死に攻め込むがトライならず。ここで明治スタンドオフ(10)茂木選手から(22)田村選手へ入替、明治は慶應陣に攻め込み後半22分に慶應陣22m付近でのペナルティ(ノット10m)より先程変わった(22)田村選手がペナルティゴールを成功(12-13)し逆転、続く31分にも22m付近ラインアウトよりモールから右サイドに連続攻撃を仕掛けラックより(3)須藤選手が押し込みトライ(GK成功)し12-20と慶應を突き放す。残り時間8分、両チーム激しい攻防が続く中、慶應は後半38分に明治陣15m中央付近で相手ペナルティ(オフサイド)よりペナルティゴールを狙うが失敗、続く39分に明治陣22m付近ラインアウトより右オープンにボールを繋ぎ(11)服部選手トライ(GK成功)を奪い19-20と1点差へ詰め寄る。残り時間1分、明治は慶應陣に攻め込むが慶應も必死の攻防、慶應は明治ペテペナルティより攻め込もうとするが明治の必死のディフェンスに、ここで起死回生のキックパスを明治陣左サイド奥深くを狙うがボールはタッチラインに転がり吉浦レフリーの試合終了の笛が鳴った。6,685人の熱いファンを魅了した慶應義塾大学と明治大学の試合は19-20と明治大学が勝利し対抗戦の借りを返した。
セカンドステージ第3戦は12月22日(日)に慶應大学は東海大学と、明治大学は立命館大学にファイナルステージ進出をかけて挑む!

(佐藤克則)
試合写真 試合写真 試合写真 試合写真

 

photos by RJP H.Nagaoka
会見リポート
 

監督・キャプテン
慶應義塾大学の和田監督と濱田バイスキャプテン

慶應義塾大学

○和田康二監督

「本日の試合はベスト4に入るためには負けられない試合であり、トーナメントのつもりで挑みましたが負けてしまいました。選手はよくやってくれました。敗戦は私の責任です。まだ、ベスト4の可能性が残されているので、来週に向けて準備したいと思います」

──ゲームプランと、誤算があったとすれば?

「相手を2トライに抑えたディフェンス面に関しては、粘りが出てきたと思います。アタックチャンスでのラインアウトやタッチキックミスがありました。キック合戦でもう少しチャレンジできていれば。アタックではやり切れなかったところがありました」

──最後の児玉選手のキックは?

「ご覧になってのとおりの状況で、アドバンテージが出ていたからだと思うが、確認します」

○濱田大輝バイスキャプテン

「今日の試合は厳しい試合になると覚悟していました。80分間我慢できず、この結果となりました。今から、来週の試合に向けて気持ちを切り替えてやっていきたいと思います」

──最後の場面でのプランは?

「春から、獲りきれるところは自陣から継続してトライを狙おうと。揉んでしまったらドロップゴールも考えていました」

──秋に勝ったチームに負けたのは悔しかったと思われるが?

「秋の慶明戦でもどちらが勝つか分かりませんでした。差は実際にはないと思います。秋は運良く勝てましたが、今日の結果はこうなりました」

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監督・キャプテン
明治大学の丹羽監督と小澤バイスキャプテン

明治大学

○丹羽政彦監督

「お疲れ様です。2試合続けて1点差で勝ちました。指導する立場として言ってはいけないが、疲れました(笑)。前半はエリアが下がり気味で自陣からボールを回したがうまくいかず、ペナルティも多かったです。そこを修正して、タックルも上へ入っていたのを一発目がロウに入って、次が上に行こうという具体的な指示を選手が忠実にやってくれました。力でトライも獲れました。今日は、試合前に選手たちには『とにかく勝てばいいんだ、勝つ!』と言って送り出しました。勝ち点6は取れませんでしたが、勝ち点5を取れて十分です」

──ハイパント攻撃は?

「コンテストボールへの働きかけはうちが勝っていたと思います。児玉君はキック力があるので、こちらはコンテストボールを上げて、しっかり抑えていけば、少なくともスローボールにはさせることができると見ていました」

──ズバリ勝因は?

「帝京戦くらいから厳しい状況でも頑張れるようになってきました。ほとんど自陣でも集中力が途絶えずしっかりディフェンスに行けるようになったことだと思います」

──立命館戦に向けて?

「決して弱い相手ではありません。FWも強く、BKもボールを動かす良いチームです。マイボールをキープして、エリアを取りながらスコアしていくイメージです。負けたら終わりですので、最後の試合と思って臨みます」

○小澤和人バイスキャプテン

「お疲れ様です。前半の入りを意識しました。入りは良かったが、慶応義塾さんのアタックに明治がしっかりタックルに入れず、上に入ってしまい、受けてしまいました。ペースもつかめず、陣地も取れないで苦労しました。後半はゲームプランどおりできたので、勝利をつかむことができたと思います」

──1点差にされたインゴールでなんと声を掛けたのか?

「技術うんぬんよりメンタルだと。ノーペナルティと。接点を越えられていたので、しっかり接点で圧力を掛けていけと。絶対に負けるなと言い聞かせました」

──ペナルティから仕掛けてノット10mの相手の反則になった場面は?
「自分も『えっ』みたいな感じでした(苦笑)。結果、ノット10mの反則を取ってもらえて助かったというのが本心です。あの3点があり、相手の最後のPGが外れてくれたので、命拾いしました。正直、運が良かったと思います」

──ズバリ勝因は?
「東海大学戦から粘り強さが付いてきたと思います」