南アフリカ共和国の元大統領でノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ氏が日本時間12月6日未明に死去されました。公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(会長:森喜朗、所在地:東京都港区)では、在日南アフリカ共和国大使館並びに南アフリカラグビーフットボール協会に対して弔意をお伝えしました。あわせて、マンデラ氏のご家族や南アフリカ共和国の国民の皆様に対して心からお悔やみを申し上げます。

マンデラ氏は反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動の闘士で、27年間の投獄生活を経て、1994年に南アフリカ共和国史上初めて全人種が参加して行われた選挙で勝利し、大統領に就任しました。同国でアパルトヘイトが行われていた時代、ラグビーは白人のスポーツと位置づけられ、ラグビーの同国代表「スプリングボクス」もほぼ一貫して白人選手のみで編成されていました。大統領就任翌年の1995年に同国で開かれたラグビーワールドカップで、マンデラ氏は人種、民族間の和解や協調のシンボルとして、有色人種サイドにとってはアパルトヘイトの象徴だったスプリングボクスへの支持を表明。スプリングボクスはその期待に応え、戦前の劣勢の予想を覆して決勝でニュージーランド代表「オールブラックス」を延長の激戦の末15-12で破って初優勝しました。この勝利は、新生南アの4300万人の国民に誇りと喜びを与え、人種や文化が多様で「レインボーネーション」と呼ばれる同国の一体感醸成に大きく寄与したと言われています。

マンデラ氏の死去に関する当協会会長 森喜朗、並びに、日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズのコメントは以下の通りです。

■ 公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 会長 森喜朗

※首相在任中に日本国首相として初のアフリカ歴訪を行い、南アフリカ共和国も過去に公務で3度訪問

「マンデラ氏は世界史に残る偉大なリーダーでした。強い信念と不屈の闘志で差別と戦い続け、アパルトヘイト撤廃を勝ち取った自由の闘士の死去に際し、心から哀悼の意を表します。2009年にプレトリアで行われたズマ現大統領の就任式の際にお見かけしたのが最後になってしまいました。ラグビー界にとっては、1995年のワールドカップで、ラグビーには人種や民族、思想信条などを超越して人々の心を一つにする素晴らしい力があることを教えてくれた存在でした。日本のラグビーファミリーを代表し、世界のラグビー界とともにご冥福をお祈りいたします。」

■ 日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ

※ラグビーワールドカップ2007(フランス)で南アフリカ代表のテクニカルアドバイザーを務め、同国の優勝に貢献

「南アフリカで指導していた時に何度かお目にかかる機会があっただけですが、とても謙虚で、スプリングボクスのラグビーを見るのがお好きな方でした。ご冥福をお祈りいたします。」