2013年5月25日 14:10 キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県横浜市)

IRBパシフィックネーションズカップ2013は前年王者のサモアが参加を休止するが、新たに、カナダ・アメリカが参戦し、5カ国(カナダ・フィジー・日本・トンガ・アメリカ)の1回戦総当りで実施される。

その初戦が神奈川県横浜市のニッパツ三ッ沢球技場で県内初のテストマッチとして開催された。

少し雲は多いが、天気に恵まれ、多くの観客が詰めかねた中、両国国歌の演奏に続きトンガ代表戦い
の儀式シピタウの声がグランドに響き渡った後、トンガ代表のキックオフで試合が開始された。
試合開始序盤は、双方ミスがありペースをつかみかねていたが、5分トンガ代表が22m付近右中間ラックから左に展開し、最後FL7からWTB14フェトゥ・バイニコロに渡り左隅にトライ、ゴール不成功も5点を先制した。その後も、ブレイクダウンで勝るトンガ代表が試合を支配し、日本代表は早い球出しが出来ずペースをつかめないばかりか、自ら持ち込んだボールをターンオーバーされたり、ノットリリースザボールの反則で攻撃権を失ってしまっていた。12分には日本代表がボールを持ち込んで形成したモールでトンガ代表にボールを取られ、そこから抜け出したFL6からWTB14フェトゥ・バイニコロに渡り左中間にトライ、ゴールも決まって12-0となってしまった。
日本代表の反撃は、相手キックのカウンターアタックからの連続攻撃で前進し、FL6ヘンドリック・ツイの突進でゴール前に迫りラックを形成し右展開しゴールラインに迫るもグラウディング出来なかったが、オフサイドの反則後のタッチキックからのラインアウトモールを押し込みHO2木津武士が20分にトライ。ゴールは不成功も5-12とする。
しかしトンガ代表も直後の23分に22m付近から反則で得たPGをSO10ファンガタプ・アピコトアが決めて5-15とした。
その後日本代表が敵陣ゴール前に迫りラインアウトモールからトライを狙うも得点ならず。さらにモールコラプシングでトンガ代表8パウラ・カホのイエローカード退場による数的優位も生かせなかった。
一方トンガ代表は前半終了間際の38分22m付近中央ラックから右に展開しFL7から右隅にパントしPR3からWTB11ウィル・ヘルに渡ってトライ、ゴールも決まって22-5で前半が終了した。

後半、日本代表のキックオフからのトンガ代表の連続攻撃でトンガ代表が22m付近でノックオンしたボールを日本代表が拾い連続攻撃FL7が抜け出しNo.8からCTB13マレ・サウに渡り1分にトライ、ゴール失敗するも22-10となり、早い球出しからのトライにペースをつかめると思われたが、4分にトンガ代表がゴール前の連続したサイド攻撃を行い、最後はラックから左に展開FL6からPR1エディー・アホレレイに渡ってトライ、ゴール失敗も27-10となった。
その後も日本代表はブレイクダウンでのトンガ代表のボールキャリアへの複数人数での早い働きかけに苦戦したが徐々に連続攻撃が出来るようになってきた中で22分連続攻撃からのゴール前左中間ラックからFL6ヘンドリック・ツイがサイドを抜けてトライ、FB五郎丸歩のゴールも成功し27-17と迫った。しかし反撃もここまで、試合はそのままノーサイドとなった。

試合の行方を左右したブレイクダウンについては、試合後の記者会見で双方代表が勝因及び敗因として語っていた上に質問も多く出ており、日本代表として次戦に向けて修正の必要があると考えられる。
その中でスクラムを互角に組むことが出来たことは収穫であった。
両チームの次戦の予定は、トンガ代表が6月5日カナダ開催のカナダ戦となっており、日本代表は6月1日にフィジーで開催されるフィジー代表戦となっている。特に日本代表は本日の初戦から最終戦の6月23日アメリカ戦までのパシフィック・ネーションカップ4戦の途中に別途来日遠征してくるウェールズ代表と2試合を行う、5週間で6テストマッチの厳しい日程が組まれている。厳しい相手に厳しい日程で望む日本代表に声援を送りたい。
最後になりますが、今回の横浜初のテストマッチが今後のトンガ及び日本両国ラグビーの益々の発展に繋がることを祈念したいと思います。

(神奈川県ラグビー協会 富田 弘)