マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

同志社大学 43-42 立命館大学
【セカンドステージ 2014年12月27日(土) /愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】
第1試合と同様、冷たい風が強まる中、立命館大学のキックオフで試合が開始された。開始早々の緊張の中、主導権を握ったのは立命館大学。
相手陣での攻撃を重ね、ペナルティーを獲得、慎重にPGを成功させ、3-0と先制した。
対する同志社大学は相手陣中央でペナルティーを獲得、タッチキックでラインアウトを獲得すると大きく右に展開。最後は14番松井が右隅にトライ、前半8分、5-3と対抗した。
その後は前半13分に立命館大学が8番中村の力強い突進によるトライ、前半21分のPGで、5-13と引き離しにかかる。しかし同志社大学は、前半23分15番宮島、前半28分14番松井と2トライ2ゴールを挙げて逆転に成功。19-13と接戦の様相を呈す。
その後も目まぐるしく攻防が繰り広げられたが 前半36分には立命館大学がゴール前より1番渡邊が押し込みトライ。ゴールも成功し、19-20と再逆転で前半が終了した。
混戦の雰囲気がスタンド中に感じられる後半キックオフ直後の後半1分、同志社大学がペナルティーキックを得ると前半同様タッチキックで前進。FWの力強い連続攻撃で最後は4番山田が押し込みトライを挙げ、26-20とする。
対抗する立命館大学は6分、6番南が抜け出しトライ。ゴール成功で26-27と更に試合は拮抗して行く。
戦術的な入れ替えが始まり、更に双方の攻防が繰り返されたが後半14分、相手陣ゴール前に進んだ立命館大学4番清水が右隅に飛び込む。勝点1となる4トライ目を挙げ、ゴールも決まり26-34とした。
中盤での同志社大学の猛攻を必死の防御でしのぎペナルティーを得た立命館大学は、タッチキックで前進。ラインアウトモールから8番中村の本日2つ目のトライで26-39と、後半22分にリードを広げる。
追いつきたい同志社大学だが、中盤で痛恨のノックオン。立命館大学に主導権を渡してしまう。
それでも同志社大学はドロップアウトからの相手ボールを奪い、後半29分、敵陣10m付近から22番垣内が裏へキック。14番松井がスピードの違いを見せ、防御を追い抜き、キックで前へボールを転がしてインゴールでトライ。ゴールも成功し33-39とした。
勢いに乗る同志社大学は後半32分、20番末永が絶妙のタイミングでビックゲインしそのままゴール中央に飛び込みトライ。ゴールも成功して再逆転し、40-39とスタンドも大いに沸いた。
死力を尽くす両チームであったが後半37分、中盤ゴール正面でペナルティーを得た立命館大学が慎重にPGを決め42-40。
勝負のついたかと思われるラストワンプレー、立命館大学ボールのスクラムを、渾身のプッシュで同志社大学FWがターンオーバー。継続して逆転への攻撃を試みる。
たまらず立命館大学がペナルティー、ゴール正面のPGを21番岩村が成功させノーサイド。43-42と同志社大学勝利で、伝統校同士の稀に見る激戦に終止符が打たれた。

(文責:志水慎治 早坂一成)

試合写真 試合写真 試合写真 試合写真

 

会見リポート
 

監督・キャプテン
同志社大学の山神監督と田淵キャプテン

同志社大学

○山神孝志監督

「最後のゲームだったので、モチベーションを保ってきましたが、立命館大学も気合が入っていました。なかなか敵陣に入れず後半もそのままの流れだったら嫌でした。積極的にボールを動かしてトライを取れ、キックもうまく使うことができました。残り10分間は、何回とない攻防でした。両チームとも死力を尽くしたゲームで、先週勝ちを落としているので、勝って終われて良かったです」

──今シーズンを振り返って。

「セットプレーが強みで、東海大学戦もプレッシャーをかけましたが、勝ちを失いました。全体的にFW・BKともにボールを動かし、ディフェンスもシーズンの中盤にできませんでしたが、学園祭の休み中に修正することができました。東海大学戦でもあと一歩でしたし、チーム力は昨年より間違いなく強く、正月を越せるチームになったのでは、と感じました」

○田淵慎理キャプテン

「先週の早稲田大学戦から今週は最後ということで、勝って終われて良かったです。スクラム・ラインアウトでプレッシャーを80分間かけることができ、最後のPGに繋がりました」

──今シーズンを振り返って。

「昨年から比べて、関東のチームと戦えるチームになりました。ディフェンスが試合を重ねるごとに良くなりました。アタックは早稲田大学戦でもボールがよく動き、今日もFW・BK一体となってトライを取ることができました」

試合写真 試合写真 試合写真 試合写真

 

 

監督・キャプテン
立命館大学の中林監督と西村キャプテン

立命館大学

○中林正一監督

「本日はありがとうございました。勝っても負けても最後の試合だったので、関西リーグの最終戦で負けた相手に勝って終わりたかったです。両チームにとって想定外の試合内容であり、良いところも悪いところも出た80分で、シーズンを象徴した試合でした。今日の課題を次に繋げられるように、4回生は悔しい思いでしょうが、立命館大学の財産となるように残りの部員でこれからも頑張っていきたいです」

──想定外の試合内容と言うことだが、今日のゲームプランは?

「ここ数年ディフェンスにこだわり強化してきました。得点力も高くなかったので、同志社大学もディフェンスが良くないのでロースコアの試合だと想定しましたが、大味なゲームになりました。後半は意図したディフェンスもできましたが、前半と最後はできませんでした」

○西村颯平キャプテン

「本日はありがとうございました。立命館大学としても同志社大学に勝って引退試合としたかったです。4回生が引っ張っていくつもりでしたが、下回生に助けられながら、今日も勝ちきれなかったのは、このチームのシーズンを通してダメなところが出ました」