12月8日

12月6日から開催している「女子SDS(セブンズ・デベロップメント・スコッド)東京合宿」。

今回の合宿招集メンバーは、「今シーズンの『太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017(入替戦含む)』のパフォーマンスを見て、可能性を感じる選手を招集した」と稲田仁ヘッドコーチが語った通り、フレッシュな顔ぶれが揃いました。

 

合宿参加メンバーはこちら

 

今回の合宿の目的は、上述の選手を育成する狙いと併せて、2020年に行われる東京五輪のシミュレーションを兼ねており、若手の選手たちに東京五輪を意識させるためのきっかけとしての狙いもありました。

最終日の8日は、合宿の集大成となる自衛隊体育学校との試合(エキシビションマッチ)を行いました。

エキシビションマッチは、「第60回全自衛隊ラグビー大会」の3位決定戦と決勝戦の試合間に開催されました。

 

舞台は、東京都調布市にあるアミノバイタルフィールド。
2020年の東京五輪が開催される味の素スタジアムに隣接するグラウンドです。

まずは、ウォーミングアップからスタート。
曇天の肌寒い天候の下、これから始まる試合に備え、体をあたためました。

 

女子SDSチーム 対 自衛隊体育学校のキックオフは12時。
前半1分、先制ポイントを獲得したのは自衛隊体育学校でした。

自衛隊体育学校はトライとゴールを決めて7点リードしましたが、その後、女子SDSチームがスコアを重ね、前半12-7、後半29-7で女子SDSチームが勝利をおさめました。

 

レフリーは、11月30日、12月1日にドバイで開催された「HSBCワールドラグビーウィメンズセブンズシリーズ2017-2018第1戦ドバイ大会」でアシスタントレフリーを務めた川崎桜子レフリーでした。

 

稲田仁ヘッドコーチが「スピードとラグビーの上手さのバランスがいい選手」と語ったのは、
エキシビションマッチで2トライを決めた大谷芽生選手(女子SDSチーム/石見智翠館高校2年)。

SDS合宿への招集は今回が初めて。
「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ 2017」と同様に力強いプレーを繰り広げました。

 

その大谷選手が「ボールを渡したら必ずトライをとってくれる、自分にとって大きな存在」と語ったのは、石見智翠館高校で1学年先輩の原わか花選手。

11月末に開催された「第3回ユースオリンピック競技大会アジア予選」でキャプテンを務め、女子セブンズユース日本代表を優勝に導いた期待の新星です。

 

原選手は試合を振り返り「この3日間でやってきたことが上手く出せた」と語りました。

原選手が初めてアカデミーに招集されたのは今年の6月。

9月に行われた「アジアラグビー女子セブンズシリーズ 第1戦 韓国大会」で代表デビューを果たし、11月末の大会ではキャプテンとして女子セブンズユース日本代表を優勝に導いたのは前述の通り。

「あっという間の半年だった。自分も『東京五輪を目指せるんだ』という気持ちになってきた」と語り、代表経験を重ねるごとに、2020年の東京五輪に対する目標が明確になってきたといいます。

 

現在、高校3年生の原選手ですが、高校卒業後は幼い頃からの夢であった「救命救急士」になるための学校に通うつもりだったといいます。

救命救急士になりたいと思ったきっかけは、家族旅行の途中に起きた東日本大震災(当時小学5年生)。

福島の高速道路で被災した原選手のご家族は、震災直後、すぐに家に帰ることを決めたそうですが、高速道路の帰路の途中、反対車線を被災地に向けて走る救急車や消防車を見て、心が震え、救命救急士になって人を助ける仕事につきたいと思うようになったそうです。

現在は新たにラグビーの夢も加わり、救命救急士になる夢と共に、新しい未来に向けての一歩を踏み出し始めました。

 

また、今回の合宿には、陸上からラグビーに競技転向した寺田明日香選手も招集されました。

5月の「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017 東京大会」で負傷して以来、リハビリ明けの初招集となった今回の合宿。

寺田選手は「怪我は自分の体を見つめ直す良い時間になった」と語り、徐々にコンディションを上げている様子でした。

 

セブンズの大会出場選手などからセブンズ日本代表候補になり得る選手を招集し、育成・強化を図る「女子SDS(セブンズ・デベロップメント・スコッド)」合宿。

今回の収穫と今後の課題をそれぞれのチームに持ち帰り、今回の合宿は終了しました。