IRB女子セブンズワールドシリーズ第二戦・アメリカ大会(テキサス州ヒューストン、BBVAコンパス・スタジアム)の第2日(最終日)後の女子7人制日本代表のヘッドコーチ、キャプテン、バイスキャプテン、選手のコメントです。

試合結果はこちらです。

◎女子7人制日本代表・浅見敬子ヘッドコーチ

「選手は自信を持って戦っていたので、負けたけれども、誇りに思っている。もちろん、勝てなかったことは、チームにとってプラスになることではない。このままラスベガス(招待大会)までダメになってしまったら、遠征に来た意味がない。しっかり反省して、チームを修正したい。
(ボウル決勝の)ブラジル戦では、ディフェンスでもっと前に出なければならなかった。大会を通じて、チームとして身体を当てきれなかった。まだ、できる選手、できない選手の差がある。今大会では、いろいろなチームと対戦でき、すごい緊張感の中、素晴らしいスタジアムで(試合終了の)ブザーがしっかり鳴るような運営で、経験値を上げることができた。今後は、同様の経験をどう国内で選手に与えるか、スタッフが考えていかなくてはならない」

「今大会ではアタックにチャレンジした。世界の強豪国であるオーストラリアやロシアとの試合を含む全試合でトライを取れた。本人たちもボールを継続し続ければトライを取れる、と自信をつけたと思う。しかし、ボウル決勝のブラジル戦では、緊張の中でのパフォーマンス発揮ができなかった。これまではボールを持った時に選手が迷ってしまい、前に出られなかったが、今大会では、しっかり前に出られるようになっていた。日本のパススキルでは、まだロングパスできれいに展開してトライを取ることはできない。まず、ラグビーの原点である前に出るということで、ゲインラインを突破する点にこだわってやってきた。勝ちにはつながらなかったが、取ったトライはまぐれによるものは一つもなく、自分たちの良い間合いから仕掛けて奪ったものばかりだった。ただ、最後のブラジル戦では、再びその欠点が出てしまった」

「チームは全員成長している。中でも何人かをあえて挙げるなら、怪我から復帰後の昨秋は本調子ではなかった鈴木陽子は彼女のベストパフォーマンスが戻ってきた。コンスタントにパフォーマンスが良かったのはFWの3人(冨田真紀子、横尾千里、片嶋佑果)。よく走っていたし、よく動いていたし、よくタックルしていた。タックルして、すぐ起きて、すぐ次に行くという運動量、仕事量が素晴らしかった。谷口令子はもともと持っているポテンシャルが高く、現地入りしてパフォーマンスがぐっと上がった。タックルも思い切っていっていた。中村知春には人間性を評価してキャプテンを任せているが、今大会では縦に行くフィジカルの強さも出てきて、プレーヤーとしてもキャプテンとしてもよかった」

◎女子7人制日本代表・中村知春キャプテン

「第2日は『ファーストトライ』(試合の最初のトライ)にこだわっていこうと話をしていた。両方の試合ともに入りが良くてファーストトライを奪うことができ、その点は成長していると思う。でも、最後のブラジルは勝てた試合。そこで自分たちの詰めの甘さが出てしまった。判断をミスしたりとか競ったところで慌てたりとか、そういうところがたくさん出て負けてしまった。メンタルでもっと成長しなくてはならない点が多くあると感じた。大会全体を通じては、ジャパン(日本代表)らしい戦いが出来た時間帯には、相手がオーストラリアでもロシアでも互角に戦えた。そこは手応えを感じているところ。一方で、勝ちきれない甘さも感じている。そこは経験が大きいと思うので、今回、海外の強豪と戦うことで得たものは大きい。実力以上のものは出せない。だから、12チーム中10位という成績は真摯に受け止めなければならないが、(6月の)ワールドカップ・セブンズまで、まだ時間があるので、経験を積んで、日本らしい戦い方で海外の強豪を倒していきたい。前を向いていきます」

◎女子7人制日本代表・鈴木彩香バイスキャプテン

「(プール第3戦で)ブラジルと競り合って勝つという経験ができたことはよかったが、(同じブラジルに敗れた)ボウル決勝では、自分たちが焦ってしまい、(トライを)取れるところで取り切れなかった。経験の少なさが出たと思う。みんな、自分たちのラグビーをすれば勝てると思っているが、その自分たちのラグビーをするまでがすごく遠い。アジアの時とは違う、凄い圧力を感じた。そこを、どうやって崩していくか。それが個の強さでありチーム力だと思う。もっと詰めていかなければならない。ここからさらに上のレベルに行くのはとても難しい。みんな、一生懸命に練習、努力をしてきた。それでも、力の差が出てしまう。フィットネス、スピード、パワー、アジリティー、みんな足りない。どうやって自分たちの強みを活かして日本らしいラグビーをするのか、もう一度考え直さないといけない」

◎女子7人制日本代表・横尾千里選手

「勝てたかもしれない試合に負けてしまったのは、練習の時に『最初から100%で臨んでいない』と(コーチから)言われていたことが、試合で出たと思う。オーストラリア戦は『強い』と圧倒されることなく、『いける』と感じていたのに、点差が開いていってしまった。どうしたら勝てるかを突き詰めて考えていなかったことを思い知らされた。個人的には、アタックとキックオフのキャッチが苦手だったが、この大会ではアタックで前に出ることができ、世界にも通用したことは自信になった」

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