天理大学 47-28 大阪体育大学【セカンドステージ 2012年12月16日(日) /大阪・近鉄花園ラグビー場】 大学選手権セカンドステージBプールの第2戦、天理大学と大阪体育大学の試合が近鉄花園ラグビー場で行われた。 両者とも第1戦では関東勢に敗れており、ファイナルステージ進出をかけてともに後がない一戦。今季関西大学リーグでの同カードでは45-21で天理大学が大阪体育大学を降している。 大阪体育大学が花園名物の生駒おろしの吹く風上を選択、天理大学のキックオフで試合が開始された。得点が動いたのは開始早々の4分、天理大学はゴール前10mのラックから左へ展開、CTB12番 バイフが大阪体育大学ディフェンスのギャップを衝き、左中間に鮮やかなトライを決める。 この後試合はこう着、天理大学、大阪体育大学双方が相手ゴール前に迫るもなかなかゴールを割れない状態が続いたが、26分、ゴールを前にしての大阪体育大学FWの執拗な攻撃にたまらず天理大学が故意の反則、大阪体育大学は認定トライを奪い、7-7と試合をイーブンに戻す。追いつかれた天理大学は33分、10mライン付近のラックからこれも相手BKのギャップを見逃さずSO10番 白井からパスを受けたFB15番 塚本が好走、左中間にトライし、14-7と天理大学がリードして前半を折り返した。 後半も先制したのは天理大学。キックオフ直後の自陣22m付近からの展開で、FB塚本が抜け出し、パスを受けたCTB13番 トンガが強烈な当たりでディフェンスを突き飛ばして力走し中央にトライ、12番 バイフのGKも決まり、21-7とリードを広げる。続いて4分にも、ノータッチとなったキックをHL付近で受けた天理大学WTB14番 宮前がリターン、HO2番 キャプテンの芳野につなぎ中央にトライをあげ28-7とする。 一方、大阪体育大学も反攻、相手ゴール前でひたすらFWにこだわって繰り返しゴールに迫る。これに対し天理大学は必死に防戦、フェーズを重ねた末の11分、ラックからボールを持ち出した大阪体育大学PR3番 伊尾木がついにゴールを割り、28-14として追撃の態勢に入る。しかし天理大学は、14分、21分、28分とBKがトライを重ね、試合を決定づけた。大阪体育大学は試合終盤、春からこだわってチーム作りをしてきたFWが33分、43分と立て続けのトライにつながる意地を見せたが、時や遅し。終始試合をリードした天理大学が47-28で勝利しファイナルステージへの希望をつないだ。 天理大学は次戦へ向けて、FWでの戦いをどう修正するかが鍵となろう。 大阪体育大学の坂田監督(右)と蔵守キャプテン 大阪体育大学 ○坂田好弘監督 「今までの試合で勝ちきれないゲームが多かったですが、今日は、全部力を出し切ってくれたと思います」 ○蔵守吉彦キャプテン 「ゲーム全体を通して敗退はしましたが、今シーズン練習してきたFW戦でアタックが一番できたし、いいゲームだったと思います」 ──最後トライを獲れば、勝点1が入ることは意識していたか? ○蔵守キャプテン 「まったく、意識していなかったです。今まで通りFWで、スクラムで獲ろうと臨みました」 ──今日の結果で国立に行けなくなったが、勝ち切れなかった要因は? ○坂田監督 「大体大は、天理大と比べても決定力がないので、FWが前へ、前へと、シーズン後半になって、BKも繋いで、大体大らしいゲームができたし、成長の過程が見られたと思います」 天理大学の小松監督(左)と芳野キャプテン 天理大学 ○小松節夫監督 「先週の早稲田大戦で出来が良くなく、ボールが手につかず、自滅したので修正しました。前半はミスが多く獲り切れませんでしたが、後半はボールを動かし天理らしいラグビーができました。最後にバタバタして、トライを獲られました。残り一試合、修正して流経大にチャレンジしたいと思います」 ○芳野 寛キャプテン 「早稲田大戦のミスを反省して、一週間練習してきましたが、ラストワンのパスをミスして、大体大に攻められました。後半は修正できましたが、いい形で流経大戦を迎えたいので、残り一週間、修正して臨みたいと思います」 ──前半半ば過ぎまで先週の悪い流れを引きずっているように見えたが? ○小松監督 「前半は抜けたパスを相手に渡すこともありましたが、後半は、繋ぐラグビーを意識させ、無理なパスをしないように指示しました」 (記事:蜷川善夫、玉川育夫 広報担当:村島博 写真:柳本啓志)