マッチリポート

朝日大学 67-10 東北学院大学

【ファーストステージ 2012年11月24日(土) /京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場】
朝日大学 67-10 東北学院大学 朝日大学 67-10 東北学院大学
今年度より新方式で開幕した「第49回 全国大学選手権大会ファーストステージ第2戦」が京都市西京極総合運動公園陸上競技場で開催された。東海・東北代表チームで地元関西になじみが薄いように思われたが、試合開始前には熱心なラグビーファンが詰めかけた。

先制したのは東北学院大学。前半7分、ゴール前右中間へ連続モール攻撃から右PR有川がトライを決める(0-5)。
朝日大学も11分ゴール前中央スクラムからNo.8池上が持ち込み、左LO井手ノ瀬のトライをアシストした。SO工藤がゴールを決め逆転に成功(7-5)。続く24分にも朝日大学の右WTB城間が右隅へトライ。ゴールを決め14-5とする。

このまま朝日大学の流れかと思われた28分、東北学院大学が10m付近ラック左サイドへキャプテンSH向井が抜け出し、左WTB藤原がそのままトライで14-10と巻き返す。
追い上げられた朝日大学は33分、ゴール前中央のスクラムからモールで攻め込み、再び左LO井手ノ瀬がトライ。SO工藤のゴールも決まり突き放す(21-10)。
これ以上離されたくない東北学院大学だが、前半終了間際に朝日大学SO工藤が22m中央よりPGを決め24-10で後半へと折り返す。

後半は朝日大学の一方的な展開となった。まずは入替した左FL磯谷がゴール直前中央モールから右へ飛び込みトライ。続けて、ハーフライン中央から右CTB坂口が持ち込み、後半交替わったSH与座がトライ(39-10)。22分には地元高校出身の左LO井手ノ瀬が本日3本目のトライを挙げた(46-10)。後半30分にはSO工藤がトライを奪い、自らゴールもしっかりと決めた(58-10)。
最後まで攻撃を緩めなかった朝日大学は後半だけで7トライ・4ゴールを決め、67-10と勝利した。前半FW主体の攻撃から後半はキックや展開を加えた多彩な攻め方に切り替えた見事な攻撃だった。第3戦「福岡工業大学」との試合が楽しみである。

1806年11月24日イングランドで誕生したウィリアム・ウェッブ・エリス青年は、後にラグビーの起源となった。本日の試合が日本の大学ラグビーにとって新たなステージの誕生となったことは間違いない

朝日大学 67-10 東北学院大学
会見リポート
 

東北学院大学の木村ヘッドコーチ(左)と向井キャプテン
東北学院大学の木村ヘッドコーチ(左)と向井キャプテン

東北学院大学

──前半先制トライを挙げて順調な立ち上がりに思えたが、作戦通りか?

○木村 剛ヘッドコーチ

「ラック周辺のアタック等、意図したプレーができました」

──後半は苦しい展開になったが、ハーフタイムでどのような指示を出したのか?

○木村ヘッドコーチ

「FWがかなり疲労していたので、ファーストタックルに修正をかけました」

○向井康洋キャプテン

「残り40分で全て出し切るよう指示しました」

──新たな方式(ファーストステージ)を終えての感想は?

○木村ヘッドコーチ

「ここ数年の試合相手と比べても、今回の試合で個々(選手)の強さについて考えさせられました。今後の目標設定としていい経験ができました」

○向井キャプテン

「今までは他チームとの力量差がどの程度か分かりませんでした。今後は自チームの水準が分かったので、練習に活かせます」

朝日大学 67-10 東北学院大学 朝日大学 67-10 東北学院大学
朝日大学 67-10 東北学院大学
 

朝日大学の吉川監督(左)と石原キャプテン
朝日大学の吉川監督(左)と石原キャプテン

朝日大学

──今年度から新方式(ファーストステージ)ですが、初戦を終えての感想は?

○吉川 充監督
「遠方チームと全国大会という場で試合ができて光栄です。個人的ですが東北(福島)でラグビークリニックを行った際の選手も相手チームにおり、本日ラグビーができる事に感慨深い思いです」

○石原裕介キャプテン
「初戦を突破できて良かったです。前半出足は相手ディフェンスに阻まれ、苦しみました」

──前半、相手ゴール前でフォワードの攻撃が目立ちましたが、作戦通りでしょうか?

○吉川監督

「作戦というよりも、選手ができる事をやったのが正しかったです」

──後半はキックや展開を織り交ぜてのプレーでしたが、何か指示はあったのか?

○吉川監督

「選手が入れ替わったことで、やれるプレーが変わりました」

○石原キャプテン

「相手は近い所でのディフェンスが良いことに前半分かったので、後半はボールを縦・横へ動かしました」

──12月2日の第3戦に向けては?

○吉川監督

「今までの枠を跳び越して、熊本で試合を行えることは大変光栄です。もう1試合、このチームで今日学んだ事を活かして、熊本へ入って行きたいです」

○石原キャプテン

「次の対戦相手はアタック能力が大変すばらしいチームだと思います。今まで培ってきたディフェンスを出し切りたいです」

朝日大学 67-10 東北学院大学 朝日大学 67-10 東北学院大学

(記事・広報担当:前田武史 写真:柳本啓志)