清水 塁
日本協会公認 A1級レフリー

まず、このような機会を頂きました日本ラグビーフットボール協会の皆様、審判委員会の皆様、関係者の皆様に御礼申し上げます。SLRFU Tournament“Dialog Rugby League Division A”に派遣を許可頂きました会社関係者様、誠にありがとうございます。今回の大会参加内容について下記のとおりご報告申しあげます。

【SLRFU Tournament“Dialog Rugby League Division A”概要報告】

派遣期間 : 8月3日(金)-8月6日(月)
大会期間 : 8月4日(土)
派 遣 地 : COLONBO、KANDY
面 談 者 : SRI LANKA RUGBY FOOTBALL UNION  AJITH FERNANDO

【派遣スケジュール報告】

派遣日程 :
8月3日(金) AM 移動 NARITA - BANGKOK
PM 移動 BANGKOK - COLOMBO
8月4日(土) AM 移動 COLOMBO - KANDY
PM ゲーム Dialog Rugby League Division A
8月5日(日) AM プールセッション、ランチミーティング
PM 移動 COLOMBO - NARITA
8月6日(月) AM 移動 COLOMBO - NARITA
PM 帰宅
開催場所 : T.B JAYATHILKA GROUND NAWARAPITIA SRI LANKA(KANDY)
対戦カード : Havelock S C (34) VS Up Country Lions (22)

【業務詳細内容報告】

【8月3日(金)】
日本を11時00分発コロンボ行きの飛行機で出発しました。バンコクにて飛行機を乗り継いでコロンボへ無事到着。コロンボ国際空港では、スリランカ協会のコーディネーターAJITH氏が温かく出迎えてくれました。AJITH氏に送迎頂き、宿泊ホテルに移動。到着初日はコンディショニングに努めました。

【8月4日(土)】
朝9時にホテルを出発し、試合会場であるT.B JAYATHILKA GROUND NAWARAPITIA SRI LANKA(KANDY)へ向かいました。移動時間だけで5時間を要し、道は山道が多く、尚且つ、狭く暑い車内でしたので、コンディショニングに苦戦しました。
到着したT.B JAYATHILKA GROUND NAWARAPITIA SRI LANKAはKANDY地区に新設された球技場であり、この日がオープニング日とのこと。地元Up Country Lionsにとっても大事な一戦であり、今回がリーグ戦最終試合。本日の結果で、次週行われるカップ戦に出場できる4チームが決定するとのこと。よって先週より重要な試合に海外派遣レフリーを割り当てて対応。先週は、シンガポール協会からPaul Macthy(NZ)が派遣され重要なゲームを担当したとのこと。

SLRFU Tournament“Dialog Rugby Leagueは、Division A(9チーム)、Division B(8チーム)、Division C(32チーム)の49チームで構成されております。またDialogはスポンサー企業であり、大手通信企業です。
SLRFU Tournament“Dialog Rugby League Division A”は順位順で下記のチームが2012年度として登録しております。

Dialog Rugby League Division A
1 KANDY S C
2 Sri Lanka Navy S C
3 Havelock S C
4 Sri Lanka Army S C
5 Up Country Lions
6 Sri Lanka Police S C
7 CR & FC
8 Sri Lanka Air Force S C
9 CH & FC

本日のゲームで、12年間チャンピオンを死守しているKANDY S Cが13年連続のチャンピオンに向けてリーグ戦を1位通過するか、他のチームが首位を奪うかは、勝敗、得失点差、ポイント差により、すべてが入れ替わる状況。例えば、私の担当するHavelock S C VS Up Country Lions では、Havelock S Cが4トライ以上で勝利し、KANDY S CがSri Lanka Navy S Cに負けると1位の順位が入れ替わる状況とのこと。
この状況下で、レフリーとして下記の目標と課題をもってゲームに臨みました。

【目標】
ブレイクダウンでの正確なジャッジ
アドバンテージを活用したインプレー時間の確保と効果的なプリベント
ファールプレーの撲滅と高い規律の維持
【結果】コメント:SPORT MINSTEAR MAHINDANAN ALUTHTANA氏
公平なコンテストの実施(スクラムワーク良好)
全体的に継続的で展開性のあるラグビーの創造と実現
ノーイエローカードでクリーンゲームの実現
【課題】コメント:SPORT MINSTEAR MAHINDANAN ALUTHTANA氏
不要なアドバンテージが1ヵ所改善
シーリングオフ改善に向けた厳しい対応と改善方法の模索(工夫のアドバイス)

担当したゲームは、かなりのフィジカルの高さを感じました。チームの半分はプロフェッショナルプレーヤーであり、トンガ国籍の選手が目立った。前半からHavelock S Cの展開ラグビーがUp Country Lionsのディフェンスラインを突破し、リズムよく得点を重ねていく。前半Up Country Lionsは不要な反則が多く、自分たちのリズムが掴めず、規律を失いかけるものの、レフリーとしてデッドの際にコミュニケーションを強めにとることで、反則を軽減させ、規律の向上を図った。後半、Havelock S C の選手交代もあり、Up Country Lionsが息を吹き返した。後半の36分には27-22と1トライ差までUp Country Lions がHavelock S Cに追いつきかけたが、焦りからPKを重ねてしまい、Havelock S Cがダメ押しのトライを決め、ノーサイドとなった。今回の試合の結果により、最終的に下記の順位となる。

Dialog Rugby League Division A (CUP TOURNAMENT Best 4)
1 Havelock S C
2 Sri Lanka Navy S C

3 KANDY S C
4 Up Country Lions
来週より、上記4チームによるチャンピオン決定のカップトーナメントを行うとのこと。来週はシンガポール協会へレフリー派遣のオファーをかけている模様。
試合終了後は、SPORT MINSTEAR MAHINDANAN ALUTHTANA氏 招待のアフターマッチファンクションに参加。文化交流や情報交換ができて有意義な時間となった。

【8月5日(日)-6日(月)】
朝は9時よりプールセッションにて、アクティブレストを行いました。午後は、スリランカ協会のコーディネーターAJITH氏と面談し、ランチミーティングを行い、情報交換を行った。スリランカ協会公認のレフリーは約40名で、Aパネルは4名、A2パネルは3名とのこと。今回のゲームも数少ないA2がアシスタントレフリーを担当して頂き、感謝を述べた。また、スリランカ協会レフリーチームにはビデオ分析担当者がおり、今回も私の試合をDVDにまとめて頂き、レフリーへのサポート体制の高さを感じました。帰国は5日の23時30分フライトであったが、更に飛行機が遅延し、6日のAM1時発のフライトで帰国しました。最後まで過酷な状況が続きましたが、これも良き経験になりました。

最後に
今回は、初めての単独(1名)海外派遣ということで、大会運営側として参加しました。今回の海外派遣では、長時間のフライトや車移動や猛暑などの過酷な環境でも、ベストパフォーマンスを発揮し、大会の競技レベルを維持、向上させることが重要だと痛感しました。数回の海外派遣により、忍耐力や免疫、予想される事前準備により、今回もベストパフォーマンスが発揮できました。個人的に良い収穫となった。今後も更なる成長と発展の為、今後出た課題を、一つでも改善して、良きレフリー、良き人格者になれるよう精進していくしだいです。今回、ご尽力頂きました すべての関係者様に御礼申し上げます。