報告: 内田雅志(安芸府中BLUE ZOOMERS・少年ラグビースクール)

10月1日(土)、爽やかな秋晴れのもと、天然芝の広島県営(CCWJ)ラグビー場において、「ワルンガ・ラグビークラブ vs オール広島(広島県の小中学生(U13/U12/U11))」の国際交流試合が開催されました。
開会式では、今回の発起人の一人、「坂ジュニアラグビーフットボールクラブ」の高岡氏の開会宣言や両国の国家斉唱が行われる等、NZで開催されているワールドカップでのセレモニーを思い起こさせる雰囲気の中、U13、U11、U12の各世代順に試合が行われました。

開会式

今回、日本遠征を果たし広島県の子ども達と国際交流試合を行った、ワルンガ・ラグビークラブ(愛称:ワルンガ・タイガース)は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州都のシドニーに程近い街ワルンガ(Wahroonga)に1962年に創設された歴史あるジュニアラグビークラブです。オーストラリアでも最も大きなクラブの一つで、6歳~16歳の約480名が所属しラグビーを楽しんでおります。
(ワルンガ・ラグビークラブ:http://www.wahroongarugby.com.au/

ワルンガ・ラグビークラブとオール広島の国際交流試合は今回が2度目となり、坂ジュニアラグビークラブの創設者の永岡氏が2004年にオーストラリア・シドニーの大学に留学時、ワルンガ・ラグビークラブのコーチPeter Camp氏との出会いがきっかけとなりました。以前から、ワルンガ・ラグビークラブとの国際交流を続けている「NPO法人三田ラグビーフットボールクラブ」の全面的な協力の下、出会いの3年後・2007年に初めて広島県の子ども達との国際交流試合が実現しました。
(三田ラグビークラブ:http://www.sandarc-pheasants.org/

試合の前日には広島県下のラグビースクール関係14家庭がホストファミリーとなり、ワルンガ・ラグビークラブの選手29名をホームステイとしてお預かりし、1日限りではありましたが、子ども達は勿論のこと保護者にとっても、大変貴重な国際交流の機会となりました。

試合は、現地ルールに則りフルコート、人数は来日メンバーの関係もあり、U13は7人制(8分ハーフ)、U12及びU11は10人制(10分ハーフ)で試合が行われました。U13のチームは鯉城ジュニアラグビースクールの1年生チームで編成し、U12及びU11のチームは広島県内で活動している少年ラグビースクール、坂、広島、安芸府中、五日市、東広島、福山の6スクールの選手とコーチで「オール広島」を編成し、当日までに8回の合同練習を積み試合に臨みました。

<第1試合>

鯉城ラグビースクール(U13) vs ワルンガ・ラグビークラブ(U13)

正に実力伯仲、互いに一歩も引かない好勝負となりました。15人制と比べトライチャンスの多い7人制ラグビーですが、両チームともに好タックルを連発した結果、トライ数2対3のロースコアながらワルンガ・ラグビークラブが勝利を収めました。

U13の試合
U13の試合

<第2試合>

オール広島(U11) vs ワルンガ・ラグビークラブ(U11)

170cm超の選手数人を擁するワルンガ・ラグビークラブに対し、オール広島は低いタックルと展開、集散の早さで対抗し、キックオフ直後から立て続けにラックを連取すると開始2分で先制トライを奪いました。その後も一進一退の攻防を繰り広げ前半は1-3で折り返しましたが、後半に入り積極的に横に展開されると徐々に体力差が出始め、終盤には連続トライを許し最終スコアは1-9でワルンガ・ラグビークラブが勝利を収めました。

U11の試合
U11の試合

<第3試合>

オール広島(U12) vs ワルンガ・ラグビークラブ(U12)

オール広島は身体の大きな選手を相手に素早い集散と外への展開で対抗しました。前半開始5分に相手選手の持ち込んだボールをターンオーバーすると自陣10m付近から約60mを一気に駆け抜け先制トライを奪いました。その後もCTB付近での鋭い縦突破等で相手陣地を脅かしますが、相手チームのモール、ラックでの厳しいプレッシャーとグラウンドを広く使った攻撃で徐々にスコアが開き、2-4でワルンガ・ラグビークラブの勝利となりました。

U12の試合
U12の試合

試合終了後の閉会式では、オーストラリアの愛唱歌「Waltzing Matilda」を全員で斉唱し、両チームキャプテンの挨拶、記念品の交換を経て、最後に全員で記念撮影を行い、国際交流試合の全日程を終了しました。
お互いの益々の発展と2年後の再会を誓い、そして次回来日の際にはコーチ同士の試合を組むことを約束して、ワルンガ・ラグビークラブの関係者の皆さん、及び広島への引率を引き受けていただいた三田ラグビークラブの皆さんと手を振ってお別れしました。

3試合全てに敗れたものの、子ども達、指導者等は国際交流を持ったことによりとても貴重な経験を積むことが出来ました。また、未来のオーストラリア代表・ワラビーズを目指す子ども達のスケールの大きなプレーを肌で感じると共に、自分達より一回り以上身体の大きな相手に対して体を張り随所で好プレーを行えたことが、子ども達の大きな自信に繋がることと確信しました。
また、ワルンガ・ラグビークラブには腕を骨折し試合に出場出来ない選手が1名来日しておりましたが、コーチのたっての希望で、U12の試合のキックオフ(ワルンガボール)を全て彼がキッカー役を務め、決して形・ルールにとらわれない全員でラグビーを楽しもうという姿勢に深く感銘を受けました。

オール広島のキャプテン・畠山 幹己君(安芸府中RS)のスピーチに出てきた言葉、「いつの日かジャパンvsワラビーズの試合が行われ、ここにいる選手の誰か一人でもフィールドで再会出来たら、素晴らしく素敵なことです!」を実現するために、指導者一同、今後より一層の研鑽に励み、子ども達を強力にサポートしていくことを再確認した次第です。

最後に、試合の為に遠路お越しくださったワルンガ・ラグビークラブ、事前準備-試合当日まで詳細に渡って支援していただいた三田ラグビークラブ、練習・試合の会場を提供していただいた広島県ラグビー協会、そして練習時の給水、洗濯等、子供達のサポートを一手に引き受けてくださった保護者の皆様方に対して感謝を申し上げ、報告の終わりとさせていただきます。

全員での記念撮影