マッチリポート
トーナメント表


NTTドコモレッドハリケーンズ 0-38 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

【2回戦/2011年2月13日(日) at 東京・秩父宮ラグビー場】

NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼
前日のみぞれまじりの天気から一転快晴となった秩父宮ラグビー場において、日本選手権1回戦で強豪トヨタ自動車を撃破した神戸製鋼コベルコスティーラーズと、早稲田大学に快勝したNTTドコモレッドハリケーンズとの一戦が、神戸製鋼のキックオフで開始された。

前半開始早々は、両チームともキックによる相手の出方を窺うような試合展開であったが、6分、神戸製鋼は相手陣内で相手ラインアウトを奪うと、モールやラックを交えて力強く前進、最後はCTB大橋が先制のトライ(0-5)。14分にも、スクラムから左に回し、FB沼田が俊敏な動きで相手防御ラインを抜け大きく前進。相手ゴール前でラックになるも、HO松原が左ラックサイドを突いてトライ(ゴール成功0-12)。さらに24分、またも味方ラインアウトから連続攻撃で前進、今度はFL橋本がゴール前のラックから鋭く刺してトライ(ゴール成功0-19)、神戸製鋼の一方的な攻撃となる。

その後、NTTドコモは左右への展開を図りながら幾度となく反撃するが、神戸製鋼の素早く激しいコンタクトのためディフェンスラインをなかなか突破できない。神戸製鋼も、ノックオンやスローフォワードなどのミスで追加点のチャンスをいかせず、結局前半を0-19のままで終える。

後半開始直後から一進一退の攻防が続いたが、16分、神戸製鋼は相手ゴール前5mでのラインアウトモールを勢い良く押し込み、そのままPR山下がトライ(0-24)。22分には、相手ゴール前10mでの味方ラインアウトから、怒涛のようなモール攻撃でLO林がトライ(ゴール成功0-31)。NTTドコモは神戸製鋼のモール攻撃になす術もない。28分、神戸製鋼はラインアウトモールからオフロードパスを交えてテンポ良く攻め込み、SOグラントからパスを受けたFL橋本がトライ(ゴール成功0-38)。時折、NTTドコモも反撃のチャンスを得るが、前半同様各要所でのミスが多くトライには至らない。

結局、接点での強さ、反応の早さ、ラインアウトの精度などで優位に立った神戸製鋼が、来季へのトップリーグ初昇格を決めたばかりのNTTドコモに圧倒的な強さを見せつけることとなった。次週、決勝進出をかけた神戸製鋼対サントリーの一戦(近鉄花園)が、大いに注目される。(小林吉文)

会見リポート
 

NTTドコモのマコーミック ヘッドコーチ(右)と尾方キャプテン
NTTドコモのマコーミック ヘッドコーチ(右)と尾方キャプテン

◎NTTドコモレッドハリケーンズ
○アンドリュー・マコーミック ヘッドコーチ
「(すべて日本語で)試合前から、最初からペースを握っていこうとしましたが、攻めた形からミスが出ました。敵陣で、連続でプレッシャーをかけられなかったですね。(こちらは)チャンスの時に獲れなかったが、前半、神戸はほとんどチャンスの時に獲って、ペースを握られたのが大きかったです」

──来年度のトップリーグに向けて?
「まず、(選手にとって)今日は素晴らしい経験になったでしょう。うちの足りないところは接点の反応、一人ひとりの強さ、そのときのテクニックです。今日もコンタクトエリアで負けていたのは全部じゃないので、反応のレベルが上がると面白いと思います。来シーズン、楽しみじゃない?(笑)」

○尾方宏之キャプテン
「協会の皆様、ありがとうございました。全員、チャレンジしようと臨みましたが、ペースを握れず、敵陣へもなかなか行けませんでした。80分続いたプレッシャー(に負けたの)が敗因です」

──ペナルティでPGでなく、トライを狙ったが?
「ゲームをやっていて、1対1のプレッシャーはそれほど感じていなかったです。トライを獲りに行こうと思って選択しました。神戸さんは接点の強さというより、1人目、2人目の反応が速かったです」

NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼 NTTドコモ 0-38 神戸製鋼
 

神戸製鋼の苑田ヘッドコーチ(左)と平島キャプテン
神戸製鋼の苑田ヘッドコーチ(左)と平島キャプテン

◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ
「今日はグラウンドコンディションは良くなかったが、素晴らしい晴天の中、僕らのスタンダードを下げることなく、この試合でステップアップしようと臨みました。勝利できたのは良かったと思います」

──モチベーションは?
「相手に関係なく、日本一のチャンスがあれば自分たちでつかもうと、自分たちのスタイルを80分やり抜くことをターゲットにしてやって来ました」

──ディフェンスは?
「自分たちの約束事があるので、相手がトップウェストのチームと言えど、0点に抑えたのは良かったと思います」

──オフロードパスは効果的だったが?
「春から立ってプレーしようとやってきて、選手は半信半疑でやってきたことが分かってきて、チーム全体の力が上がったと思います。後半戦では、特に、相手と相手のスペースへ走り込むことができるようになり、自信になっています」

──この一週間は?
「日本選手権のキーポイントはコンタクトフェイズのディフェンスで食い込まれるか食い込むかだと思います。10チームの中で、一番そこでアグレッシブで熱量を持ったチームになること、そこがゲームを制すると思っています。負けられないという気持ちが大事です。今日はグラウンドコンディションが良くなくて、パスを受け取った瞬間ぐらっとする選手もいて、ひざを怪我しないか心配していました。100点満点かと言えばそうではないが、ゴール前のターンオーバーや、ラインブレイクされてもディフェンスできたのは次につながると思います」

──けが人は?
「相当帰ってきます。今日のメンバーと代わるかもしれません」

──FWで獲ったトライが多かったが?
「相手のウィークポイントを分析して、そこを突くのがセオリーです。今日はボールが散ってからFWでピック&ゴーでした。結構、練習試合をやっていますので、相手のウィークポイントは分かっていました」

○平島久照キャプテン
「今日は、本当にちょっと届かないところもありましたが、さらにレベルアップして戦って行きたいと思います」

──日本選手権でのレベルアップは?
「これまでやってきたことの精度が上がってきたと思います。レベルアップしています。ボールを動かし続ける中、最後にミスが起こっていましたが、それがなくなり、継続する精度が上がってきました」

──FWのトライが多かったが?
「結果がそうであっただけで、BKにもボールを回しました。ただFWとしても獲れたのはプラスでした」