リコーブラックラムズ 24-23 NECグリーンロケッツ リコーブラックラムズ 24-23 NECグリーンロケッツ リコーブラックラムズ 24-23 NECグリーンロケッツ
マッチリポート

リコーブラックラムズ 24-23 NECグリーンロケッツ

(2回戦/2009年2月15日 at東京・秩父宮ラグビー場)

リコーブラックラムズは1点リードして迎えた後半35分、CTB金澤のタックルからチャンスを掴み、WTB小松が約60mを走り切ってゴール下にトライ(ゴール成功で24-16)、この日のリコーを象徴するようなプレーで決勝点を上げた。リコーはこのあとNECグリーンロケッツにトライ、ゴールされ、1点差まで詰められながらも勝利。トップリーグ5位を破っての準決勝進出を果たした。

リコーはトップチャレンジ1位となって日本選手権出場を果たしたものの、1回戦では帝京大相手に引き分け、辛くもトライ数優位での2回戦進出だった。しかしこの試合では開始早々から気迫溢れるプレーを見せ、前半17分、NECのパスが乱れたところをCTBウィルソンがスティールして走り切り1トライ目。前半30分過ぎから自陣ゴール前でNECの猛攻に耐えた後、後半開始早々にNECのラインアウトでのミスに乗じ、SO河野が鋭いランから2トライ目。そのあと河野のPGで逆転すると、3トライ目となった冒頭のプレーへと繋げた。

日本選手権で2連覇(第10~11回大会)したこともある名門リコー。トップリーグでは度々入替戦に回り、昨季はついにトップイーストへと降格。元豪州代表SOラーカムらを補強した今季はトップイーストを制すと、トップチャレンジを経て来季からのトップリーグ復帰を決めている。現行方式となってからは2度目となる日本選手権出場に燃えたリコーは、全員がタックルに次ぐタックル、ベテランLO田沼を中心としたFWがブレイクダウンでターンオーバーを連発した。前半半ばにLOヒューマンが負傷退場すると、FWのリザーブではなくラーカムを投入。ラーカムがFBに入って冷静なプレーを見せると、CTBからFWに上がったウィルソンも活躍した。リコーのNEC戦勝利は、トップリーグスタート(03-04シーズン)後は初めて。

NECはNO8箕内、FLマーシュ、ラトゥの強力3列目を中心にFWが圧力を掛け、前半早々にリコーのDGをチャージダウンしたところから反転速攻、箕内、マーシュ、水田と繋いで先制トライを上げた。しかしその後はリコーの抵抗に遭いミスや反則を多発、辛うじてSO松尾の3PGでリードしたものの、後半は完全にリコーペース。HBを辻-ヴェストハイゼンに入れ替え反撃したが、終了直前に返した1トライがやっとだった。(米田)

会見リポート
 

NECグリーンロケッツの細谷監督(右)と、水山ゲームキャプテン
NECグリーンロケッツの細谷監督(右)と、水山ゲームキャプテン

◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督
「我々はトップリーグの威信と責任にかけて絶対に負けてはいけないゲームと意識して臨みました。敗因は受けてしまったことです。リコーさんの必死さというか、技術でなく、1個のボールに対する執着心が上回っていたと思います。我々の08-09チームはこれで幕を閉じるわけですが、この負けを全員が受け止めて、来年は強いNECを取り戻さなくてはいけません。この負けを大きな教訓にしたいです。負けに不思議の負けなしとよく言いますが、まさにその通りの試合でした。トップリーグの他のチームに申し訳ない気持ちで一杯です」

──どこを教訓に?
「大きなラインブレイクをしたときにトライを獲り切れていません。ボールを動かすのはその為なのに、獲れない。どのチームもディフェンスが良くなっている中、いかに数少ないチャンスをモノにして、トライを獲り切るかということです」

──パスミスや、後半の最初のプレーは?
「ラインアウトのミスで、ボールがこぼれ、テールの選手とスタンドオフのコミュニケーションがとれず、見合ってしまい、松尾がノックオンしたプレーです。一番、獲られてはいけない時間帯でした」

──選手のスタメンと入替は?
「スターティングは、接点で勝っていこうとFWに外国人を2人入れました。安藤も怪我で松尾が入りました。リザーブにヤコしかいなくて、3人一緒に代えました。ハーフ団を代えて、少し流れを変えたかったのですが」

○水山尚範ゲームキャプテン
「本日の試合を準備いただいた皆様、ありがとうございました。試合は、口ばかり先行して、身体が動いていませんでした。途中、声を出して動こうとしましたが、身体が動かず、波が来ない状態でした。トップリーグの試合でも多々あったので、来年は波のないチームにしたいと思います」

──トップリーグ同士の神戸製鋼に勝ってやりにくかったのか?
「絶対、リコーさんはチャレンジャーで来ると分かっていたので、ミーティングではこちらがチャレンジャーになろうと言って来ましたが、気持ちのどこかで(そんな気持ちが頭を)よぎったかもしれません」

──相手は大学チームと引き分けたチームという意識があったのか?
「それにとらわれず、やっていましたが、心の揺らぎが出たかもしれません。接点に関しては、そこまでの圧力は感じませんでしたがボール扱いが雑になっていたと思います。冒頭でも話したとおり、レフリーに対して口ばかり出て、身体が動いていなかったのが敗因です」

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リコーブラックラムズのローデン ヘッドコーチ(右)と、滝澤バイスキャプテン
リコーブラックラムズのローデン ヘッドコーチ(右)と、滝澤バイスキャプテン

◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ
「最初に、帝京大学さんに感謝したいと思います。先週の試合で、眼を覚ましてくれました。チームにとって良かったと思います。今週は、より良い準備をして、選手は良いアティテュードでやり続けてくれました。ファイナルレベルはディフェンスが重要だと一週間言い続けましたが、今日のディフェンスは良かったです。相手のアタックのオプションがなくなり、相手が息苦しくなるくらいできました。まあ、ファイナルレベルですと、きれいなラグビーではありませんでしたが」

──センターで先発のウィルソンを途中でフランカーに使ったのは?
「先週の試合が終わったときから考えていて、鐘史さんもピーティも怪我で、そこから彼のフランカーという作戦を立てていました。ジョーは良い仕事をしてくれました。ホンダ戦でも彼をフランカーにするしかない場面がありました。シーズン当初から構想にはありました」

──小松選手のトライは?
「良くやったと思います。小松選手だけでなく、他の皆も良いプレーでした。アティテュードという部分で、『ディフェンスはアタック』という言葉を使っています。小松選手のトライはディフェンスから獲ったもので、あのトライはチームのトライだと思います」

──今日の試合から何を学んだのか?
「基本に戻ってディフェンス、アタックをするというところです。今日の試合は全力を出してアタックしようと臨みました。ラーカムのトライは戦略どおりのトライでした。今日はディフェンスとユニティに焦点を合わせていました。滝澤さんはちょっと疲れているのかもしれないけれど、今日は飲んで楽しみましょう」

──NECに勝ったことは来年度につながるか?
「1試合、1試合順番です。今シーズンは今シーズンでまだ終わっていません。選手全員を信じて、誰が出ても正しいアティテュードができれば問題ないと思います」

──来週の三洋戦に向けて。
「来週、三洋とやるのは、今初めて知りました。全部のチームの中で、三洋は一番良いチームです。最近2、3試合、少し形が崩れているけれど、トニー・ブラウンの怪我も影響しているのかな。月曜にビデオを見て、選手に落とし込みたいと思います。自分たちでしっかり準備して、三洋のイメージでなく、リコーのアティテュードを出せればよいと思います」

──難しい一週間だったのでは?
「ずっと一週間、良いゲームができると思っていました。滝澤さんが結束力を高めてくれて、誰が出ても戦えると思っていました。まあ、コーチとしてはバックローがいなくて難しい一週間ではありましたが(笑)」

○滝澤佳之バイスキャプテン
「先週の試合で、自分たちのスタンダードを失ったという気持ちで、今週は、勝敗はどうでも良い、自分たちのラグビーをしようと臨みました。結果として勝てたのは嬉しいです」

──この一週間、何が変わったのか?
「誰かに頼らないということです。一人ひとりがリーダーになることです。練習中に決まった人が声を出すのでなく。皆、悔しかったんだと思います」

──イーブンボールをよく取ったが?
「気持ちじゃないですか?技術でなく、ほんの少し気持ちが上回ったんだと思います。うちもミスは多かったですし」

──選手に勝ちたいのか聞きたいと先週おっしゃっていたが?
「選手たちが皆、悔しいと言ってくれたので、特には…。話そうと思っていたのですが、帰りのバスに僕が乗り遅れて…。トッドが、そこで話してくれたそうで、後から何人かの選手が悔しいと言ってくれて…。
(トッドが『タキはフロントローらしく真っ直ぐしか行かないね(笑)、帰りのバスに乗らなかったことは僕から叱りました』とコメント)
ゲーム前は、個人的には人任せにしない、勝ち負けではないところを見に来ているメンバー以外の選手に見てもらいたいと思っていました」

──次の試合は?
「…予想以上に疲れまして(笑)。新しい戦いになるけれど、今は次のゲームについて考えられないです。でも燃えてきました。今日皆と話し合います。気持ちがすべてです。しっかり準備したいと思います」

──ベスト4だが?
「ベスト4の実感はありません。挑戦者として臨んだので、また1つ戦えるという気持ちだけです」