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早稲田大学の中竹監督(右)と、豊田キャプテン |
◎早稲田大学
○中竹竜二監督
「毎年、日本選手権1回戦でタマリバクラブと戦っていますが、うちのOBが多いチームで、この試合に1年をかけてくるので、モチベーションに20倍くらいの差があります。一昨日、試験が終わってコンディションが厳しいこともあって、無理に気合を入れろとは言えず、選手たちはその中で頑張ってくれたと思います。キャプテンも、そうは言いながらも、理想と、そうでない状況があってフラストレーションはあったと思います。次につながる激しいプレイとディフェンスをやろうとしましたが、結果的に2トライを獲られたのは反省点です。
この試合はクラブが出ることに意義があるのかとよく問われますが、当然、ものすごく意義がありますと答えます。それが、タマリバを創った僕のいわゆる『愛』ですね。毎年、クラブの意義を説くだけでなく、クラブの代表が日本選手権に出られるようになった経緯を選手に伝えています。それはタマリバに対する敬意でもあるし、途中、僅差の試合になったのもタマリバの良さだったと思います」
──クラブ出場の意義とは?
「意義はすごくあります。そもそも、意義を問うこと自体、疑問です。日本選手権はクラブラグビーをやっている人の大きなモチベーションになっていますが、それを言うまでも無く意義があります。これを勝ち取ったんだということを新しくクラブに入った人にも伝えて継続させていくことが大事です」
──社会人もクラブ化が激しいが?
「それは今後考えることです。タマリバのようなクラブと企業チームのクラブ化はまったく違うものです。日本選手権の枠を『そのレベルじゃない』と言われ続けても、勝ち取ったのと、ちょっと企業がうまくいかなくなってクラブ方式に運営を変えたのと一緒ではないでしょう。きちっとマスコミの方にも認識していただくことから始めないといけませんね」
──試験などのハンディは?
「まったくもってハンディです。練習やっても人が集まらないし、徹夜もしているし、怪我のリスクもあるし。社会人には外国人を出さないように枠2つをこちらが選べるようなシステムにしないと(笑)」
──若い選手が多かったが、経験値を上げるためか?
「怪我人が少しいて、今日は外しました。次は大丈夫と思います。経験値と両方です。タマリバは個々の選手を見ると良い選手が居て、我々としては1ヶ月ぶりの試合で、毎年、怪我人が出てしまいます。去年もキーマンの長尾が東芝戦に出られませんでした。また、そういう選手に外からゲームを見させるのも狙いの一つでした。シーズン中、こんなにメンバーを代えたチームはなかったと思いますが、シーズン当初に出ていた選手に、チャンスをもう1回、期待を込めて与えました。次へというより、本人たちの成長を期待してのことです」
──サントリー戦に向けて。
「当然、向こうは外国人もいるし、日本人も代表クラスがゴロゴロいるチームです。普通に戦えば、真っ向勝負は分が悪いでしょう。ダイナミックチャレンジをやり抜くしかありません。勝算はあるし、勝つ前提で、日本で一番速いシャロウディフェンスをやってきています。アタックで奇策は考えていませんし、理屈じゃないディフェンスで勝機をつかみたいですね」
──相手は旧知の清宮監督だが?
「それは、監督同士の素質で言うと相当及ばないですね。僕はよくサントリーに行って勉強させてもらっていますが、清宮さんは惜しみなく色々なことを教えてくれる。『師匠』というとおかしいけれど、その差は明らかにあると思います。後は、僕ができること、選手と一緒に考えて、どう良いパフォーマンスをさせてあげるか、一番頑張れる環境を作るのが僕です。まったく同じ作戦は使いません。負けて当然、勝てればこっちのものですので、もう1回、思い切ってぶつかれる最高の舞台だと感じています」
○豊田将万キャプテン
「久々の全員が出揃うゲームで、うまくいかなかったこともありましたが、怪我無く次の試合に万全で臨めるのは良かったと思います。気持ちを切り替えて臨みます」
──タマリバの印象は?
「クラブを創った当事者のいる前では言いにくいのですが、今年は例年に比べて淡々とやっている感じがしました。熱くなるところを違えているところもあったし、僕はタマリバを尊敬していたのですが、そうじゃなくなりました」
──サントリー戦に向けて?
「やるなら、サントリーさんが良かったですが、(佐々木)隆道さん(元早稲田主将・現在リハビリ中)が居ればもっと良かったです。相手に早稲田のOBが多いし、誰が見ても強いチームです。いかに勝つことができるか、早くやりたいです」
──調子は相当良さそうだが?
「自分のやるべきことを考え、チームにどう貢献するかを考えたら、僕はボールを持って前へ出ることだと。一点に集中して仕事できたと思います」 |