日本協会普及育成委員会

平成7年度より国内の関東・関西・九州の三地域において導入された12人制のジュニア・ラグビーは、10年を経過しポジション名の変更や大きなルール改訂を実施し現在に至っている。

それと同時期に15人制のカテゴリーを追加するという決定が日本協会普及育成委員会でなされ、現在、導入にあたっての検証が進められている。
ジュニア・ラグビーにおける15人制の導入に当たっては、現在実施している12人制の総括が不可欠であるという意見で委員全員が一致し、関東、関西、九州の各地域における総括案が持ち寄られ会議が重ねられた結果、今般、12人制ジュニア・ラグビーの総括を日本協会普及育成委員会としてここに報告する。
15人制から12人制への移行は様々な波紋を各地域にもたらしたが、半ば強制的に日本ラグビー協会の指導の下進められた。そのことにより現場が混乱したことは言うまでもないが、反面、中学校とラグビースクールという二極化をたどっていたジュニア・ラグビーに歯止めをかけ、融合させるという良好な状況を生んだことも事実である。たとえば、10年前にはタブーとされていたスクールチームと中学校チームの試合が現在では各地域で行われている。これは12人制が全国で一斉に導入された結果、全国ジュニア・ラグビーフットボール大会の関係者や全国の指導者が同じテーブルで話すことが可能となり、中学校とラグビースクールという二つのカテゴリーの交流が一気に進んだ結果と言える。また、度重なる会議と交流を経て開催されたスクールチームと中学校チームの枠を外した大会では、それまで大量に発生していたミスマッチを激減させるという良好な結果も生み出している。

また、各地域からの総括も12人制のジュニア・ラグビーに対する功績が高く評価されており、少子化の今、今後も十分にその役目を果たせるものと結論づけられている。しかしながら、今日のグローバル化によるU15の15人制による海外との交流や、選手達が次のステージである高校ラグビーで体験するフルラグビーとの互換性・継続性を考えると、15人制の問題は避けて通れない大きな課題である。
したがって、日本協会普及育成委員会では今後のジュニア・ラグビーは12人制を柱として成長を継続させると共に、15人制はエイジ制ラグビーとして早期に導入する方向が最良であると総括する。