第3巻の表紙
第3巻の表紙

FINDING。その語意は、探求を通して獲得された事実・結果の情報である。19巻第3号はラグビー科学研究20年を契機に年間3巻の刊行に挑んだ年度末号であり、そして2007ワールドカップイヤーの総括という日本ラグビーにとって大きな岐路となる内容を考えた。情報科学部門では、これまでのトップリーグ分析班に加え新たに組織した質的検討グループ「テクニカル・インテリジェンス・グループ」に過去のワールドカップ参加選手・コーチ、元代表選手、そして現トップリーグ、大学コーチの理知を結集しワールドカップ分析を試行した。着眼はあくまでも明確なエビデンス・データを基に、日本ラグビーの指針と成すべきインテリジェンスの提示を企図したものであり、すなわちFINDING RWC、FINDING JPN RUGBYと位置づけられる。

その具体的内容は、「ワールドカップにおける予選突破の様相分析」に加え、「日本代表フィットネスコンディション報告」、世界と対峙するフィジカルの基礎としてATQ強化重点課題でもある「コア(体幹)強化機軸」(現クインズランドレッズ・コンディショニングコーチ)、陣地戦略に必須な「キック力発現のメカニズム」(スポーツ力学研究者)、「世界の頂点を目指す組織マネジメント」(英国スポーツ政策研究者)、そして「IRBの指導者養成戦略と日本の指導者養成展望」(教育学研究者)と構成した。それぞれフォーカス領域におけるエビデンスとATQ強化現場との戦略的接点を想定したFINDINGである。
世界の各地、そしてラグビー外の分野において挑戦的に実践研究に臨んでいる気鋭の人力が結集し始めている。この命脈をとどめ置かず、さらなるFINDINGのインテリジェンスとして世界に挑むスプリングボードとして、情報科学部門の存在事由はある。

競技力向上委員会委員長

上野裕一

情報・科学部門長

佐々木康

販売価格――2,000円

引き続き、ラグビー科学研究への投稿を公募しております。

詳しくは下記URLをご参照ください.
http://www.rugby-japan.jp/news/2007/id3664.html