パリ2024オリンピック競技大会の7人制ラグビー日本代表メンバーはこちら

7月14日

 パリ五輪に出場するセブンズ女子日本代表チーム(サクラセブンズ)が、14日の夕方に羽田空港に集合しました。五輪マークのついたウェアに着替え、日本代表として一層気持ちが引き締まります。 


報道陣、ファンの方々が空港にたくさん集まり、お見送りしてくださいました。

また、心のこもった応援メッセージや贈り物が今日までたくさん届きました。本当にありがとうございました。


桜を咲かせるために、フランスに向けて出国します。


7月15日

パリを経由し、約16時間のフライトを経て、事前キャンプ地バイヨンヌに到着しました。海岸沿いにある宿泊地は、海風が気持ちよく、過ごしやすい気候です。

 

ホテル到着後はジムでバイクセッションを行いました。電気を落とし、いつもと違った雰囲気を楽しみながら、しっかりと汗をかきました。

その後、外でストレッチをし、バンドを使いながら移動で固まった筋肉をしっかりとのばしました。

 

ホテルの食事は、キムチ等馴染みのあるアジアフードや日本食がミックスされ、美味しいフランスパンやフルーツ、乳製品も用意していただいています。毎食が楽しみです!

 

まずは時差調整としっかりと休養をとり、明日から少しずつフィールドでトレーニングをスタートします。


7月16日

バイヨンヌ2日目です。

朝は、松岡トレーナーのヨガセッションを選手・スタッフ全員で受けました。

海風を感じながらゆっくりと呼吸し、心身共にリラックスすることができました。



朝食後はキックオフミーティングです。

鈴木ヘッドコーチより、パリで桜を咲かせるために、オリンピックまでの残りの期間まだまだ成長し続けようとお話しがありました。


 

その後、ビーチに移動し、チームアクティビティを行いました。

選手2チーム、スタッフ1チームの3チームによる対抗戦です。ビーチバレー、ボールをお腹と背中にはさんだムカデリレーを行い、笑顔いっぱいの白熱したゲーム展開となりました。 


午後は、バイヨンヌ初のフィールド練習です。

はじめに、S&Cのランニングドリルです。山本S&Cコーチに示されたポイントを一つ一つ意識しながら集中して行いました。 



次に、ボールを使ったファンゲームとパスドリルです。2チームに分かれ、決められたルールの中で、いかに速く3つのボールをゴールまで運ぶかを競争しました。ラグビーに繋がる早いポジショニング、コミュニケーション、そして豊かな発想が鍵となります。

その後のパスドリルも同じことを意識し、しっかりと前を見て判断、一つ一つのパス、キャッチに集中して取り組みました。


 

最後に、明日からの練習に備え、各自が調整トレーニングに励みました。スプリントをして自分の走りを確認する選手、走りながらのパスキャッチやキックの感覚を確認する選手、さまざまです。

 

フィールド練習後はジムに移動し、ストレングストレーニングです。

大会にピークが来るよう、しっかりと筋肉に刺激を入れ、アイスバスで疲労回復に努めます。 


大会まで残り11日間、バイヨンヌでしっかり準備をします。


7月17日

バイヨンヌ3日目です。

朝の気温は10度台と肌寒く、6時になってもまだ薄暗いです。

サクラセブンズの選手とスタッフはホテル周辺を走ったり、ジムで身体を動かしたり、各自のリズムで朝がスタートします。 


今日は、午前・午後ともにフィールド練習です。

午前はアタック、午後はディフェンスを中心に行いました。ミスが続き、うまくいかないときもありましたが、自分たちのアタックとディフェンスの強みを再確認することで徐々に改善していきました。 


今日は日中30度を超える暑い一日でした。

食事のときには昨日までなかったお箸が並び、炊飯器で炊かれた白米や和菓子も用意していただきました。

また、食事会場には桜の造花が飾られています。ホテルのスタッフの皆様、料理を担当してくださるシェフの皆様、現地でサポートをしてくださるリエゾンさんのお心遣いに感謝いたします。明日もまたいい準備ができるよう、しっかりと栄養を摂ってリカバリーをします。


7月18日

今日は大会1日目を想定し、朝はゆっくり過ごし、みんなで遅めの朝食をとりました。

オリンピック初戦は夕方に行われるため、初めから120%の力を発揮できるよう、午前に一度しっかりと身体を動かします。今日はそのシュミレーションで、ホテル近くの広場でアクティビティを行いました。 


昼食後、車で約1時間移動し、ニュージーランド代表と合同セッションを行いました。

初戦の時間と同じ時間にあわせて、ゲーム形式8分を3本です。サクラセブンズのアタックでトライをとりきる場面もありましたが、キャリーやサポートの姿勢の甘さ、リロードの遅さを見抜かれ、ターンオーバーやミスにつながり、ニュージーランドにモメンタムをとられてしまいました。タックルなしのルールであっても、ニュージーランド代表の一つ一つのプレーで勝負にこだわる姿勢、トライで終わりではなくゴールキックするまで気持ちを切らない姿勢から、多くの学びを得ました。 


試合後はニュージーランド代表チームと夕食をとりました。最後に両チームでプレゼントを交換し、ニュージーランド代表からは歌の披露がありました。サクラセブンズは日本で流行っているダンスを一緒に踊ることを提案し、記念に動画撮影して楽しみました。

 

明日は1日オフです。オフが明けるとオリンピックまで残り1週間となります。

サクラセブンズはまだまだ成長できるはずです。世界の強豪国と対戦して見つけた課題をしっかりと克服し、自信を持ってパリへ向かいたいと思います。 


7月20日

昨日は1日オフでした。選手たちは街に出かけ、チョコレート工場や大聖堂周辺で楽しみ、リフレッシュしました。

 

今日は昼食前のチームミーティングからスタートです。

一昨日のニュージーランド代表との試合のレビューとオリンピックの対戦相手の特徴を確認しました。

 

午後は対戦相手を想定した2部練習です。オリンピックの試合時間に合わせて、夕方から夜の遅い時間に行いました。


練習間は、グラウンド脇の建物で約2時間休み、補食をとって次のセッションに備えます。

 

フィールドには、前日のチョコレート工場で出会った人たちが集まってくれました。

バイヨンヌの方々からの応援も励みになります。


 夜は、近くで花火大会があり、ホテルや近くの海岸から観覧しました。

バイヨンヌの空に打ち上げられる美しい花火を観ながら、日本の夏を思い出しました。

 

7月21日

今日は朝から風が強く、肌寒い1日が始まりました。

 

大会2日目を想定し、午前は各自のペースで準備をし、午後からフィールド練習を行いました。

フィールド到着後、チームミーティングで2日目の対戦相手の特徴を確認し、練習開始しました。

今日も対戦相手を想定した練習です。昨日に続き、いいプレーもたくさんありましたが、前日の疲労や風の影響もあってか、サクラセブンズのアタックができない時間が長く続きました。バイヨンヌ最後の練習を通して、適応力、修正力の大切さを学びました。

 

その後、ジムセッションを行い、最後に現地のサポートの方々にお礼の気持ちを伝えました。

ここで毎日充実した練習ができたのは、早くからフィールドに来て準備をし、施設環境を整えてくださった方々のおかげです。

皆さんの応援を胸にパリへ行ってからも引き続きいい準備をします。

 

夕方、海岸沿いのレストランでチームディナーを行いました。

出生地順に選手、スタッフが席につき、いろいろな話に花を咲かせながら会食しました。

 

明日はいよいよバイヨンヌ最終日、1日オフです。

それぞれが心身ともにリカバリーをし、いいコンディションでパリに向かいたいと思います。


7月23日

昨日はバイヨンヌでの最後の1日でした。街に買い物へ出かけたり、サイクリングしたりなど、それぞれがいい時間を過ごしました。

 

いよいよ本日、パリに向けて出発です。

毎日私たちのために日本食や美味しい料理を準備してくださったシェフのご夫婦、過ごしやすい環境を整えてくださったホテルの方々、そして、常に細かなお心遣いで、私たちに寄り添いサポートしてくださったミホさんに感謝の気持ちを伝えました。それぞれの方から応援のメッセージをいただき、別れを惜しみながら、バイヨンヌを後にしました。

バイヨンヌでサポートしてくださった皆様、本当にありがとうございました! 


パリに到着後、いよいよ選手村に入村です。

さまざまな形や色の宿泊棟にそれぞれの国の国旗やスローガンが掲げられています。

これから村内で世界中の人々と交流することが楽しみです。

 

食事会場には世界の地域別の料理コーナーがあり、毎食自由に選ぶことができます。

また、日本棟内には日本食が用意された部屋があります。

選手村の生活でもしっかり栄養を摂って、コンディションを整え、本番に向けて準備します。

7月24日

選手村での生活が始まりました。

様々な国、様々な競技の選手、スタッフの皆さんとたくさんお会いできる選手村では、いつもの大会とは異なる雰囲気に包まれています。国ごとの居住スペースでは、各国の国旗を飾ったり、国のカラーのデザインを施していたりと、それぞれで多くの工夫をされています。そういった各国のデザインを見るのも楽しもの1つです。

 

午前は、JSC(日本スポーツ振興センター)のサポート拠点でジムセッションを行いました。この施設では、ジム以外にも交代浴や日本食の提供など、コンディションを整えられる環境が整っています。オリンピック本番まで、時折この施設に訪れ、良いコンディションで臨めるようにします。

 

午後はフィールド練習です。

4面のフィールドに各国が割り当てられ、大会前最後の調整を行なっています。

フランス国内の移動ではあるものの、慣れない選手村での生活が始まり、緊張や疲労があります。今日はしっかり身体を動かし、息をあげることを第一の目的としました。



 

練習後は再び選手村へ戻り、フォトセッション、夕食、ケアの時間です。

チームルームでは、本日から始まった男子セブンズの試合をライブストリーミングで観戦しました。男子日本代表チームを応援しながら、4日後に自分たちがここに立つことを想像しました。


7月25日

パリに来て3日目です。

 

午前はそれぞれが選手村でゆっくり過ごし、午後からフィールド練習を行いました。

選手村に宿泊できる人数は限られているため、村外スタッフはそれぞれのホテルからフィールドに向かい、集合します。

 

前半はコンタクト練習、後半はセットからの7対7を行いました。攻守ともに意識が高く、フランスに来てから最も質の高い練習となりました。さらに試合で勝ち切るためには、ボールが地面に落ちた時のリアクションスピードと落ち着いたコネクトが必要です。大会まで残り2日ですが、サクラセブンズはまだまだ成長できるはずです。

 

フィールド練習後は一旦選手村に戻り、その後HPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)へ向かいました。交代浴でリカバリーをし、今夜はオール日本食の夕食です。久しぶりの魚の煮付けやうどん、漬物等、お腹いっぱいいただきました。HPSCの皆さん、素晴らしいサポートをしていただきありがとうございます!


7月27日

昨夜、鈴木ヘッドコーチと選手12名は開会式に参加しました。セーヌ川の上、村内外、それぞれの場所で観た開会式の景色を忘れないことでしょう。パリ五輪2024大会の意義を感じる時間となりました。

 


いよいよ本日は大会前日です。

午前中に6月のオーストラリア遠征でオリンピックスコッド全員が書いた「サクラセブンズへの手紙」がチームルームに掲示され、それぞれが読みました。パリに来ていない選手の想いをしっかり受け取り、午後から雨の中でキャプテンズランを行いました。

 

平野キャプテンのはじめの声がけどおり、雨の中での自分たちの戦い方をしっかりと確認しました。うまくいかない時間があっても、これまでやってきたことを信じてやれば自分たちのラグビーができます。

3年間のサクラセブンズの集大成となるキャプテンズランとなりました。 


選手村に戻り、夕食前にジャージプレゼンテーションを行いました。

はじめに岩井アナリスト制作のサクラセブンズの軌跡ムービーを観て、パリ五輪までの自分たちの成長を実感しました。また、これまでお世話になった国内にいるスタッフ、共に戦ってきた選手、ご所属先のチームメイトからの応援ムービー、そして、選手14名のご家族の方々からの応援ムービー(オリンピックスコッド山中選手協力)を観て、笑いあり、涙ありの時間となりました。

 

最後に帯同スタッフからのメッセージをいただき、鈴木ヘッドコーチより、一人ひとりにジャージが渡されました。それぞれの苗字の入った新しいデザインのジャージです。このジャージを着て明日から3日間1戦1戦サクラセブンズのセブンズで戦い抜き、世界でサクラを咲かせます。


応援よろしくお願いいたします!



7月28日

大会1日目。バイヨンヌでのシミュレーションどおり、午前は、選手村内でアクティベーションを行いました。一度しっかり息をあげた後、ハンドリングのドリルを行い、夕方の試合に向けて各自準備しました。

 

昼食後、全員でスタジアムに移動しました。いよいよパリオリンピック2024、女子セブンズ大会の開幕です。

 

【プール戦 第1試合】

● 日本 7-36 USA ○

(水谷1T、内海1G) 


【プール戦 第2試合】

● 日本 0-49 フランス ○


 初戦はサクラセブンズの継続アタックからの先制点でスタートをきりました。

しかし、相手の激しいプレッシャーや1人1人の接点で負け、日本の強みを出すことができません。

初日2敗を喫しましたが、まだまだ終わりではありません。明日の初戦を大量得点で勝利すれば、決勝トーナメントに進出する可能性が残っています。まずは初戦のブラジル戦、初勝利に向けて気持ちを切り替えて臨みます。

 

7月29日 

朝までしっかりと睡眠をとり、選手村内を流れるセーヌ川の橋の上に移動し、ストレッチやファンゲームを行いました。大会2日目、いざ出陣です。

 

【プール戦 第3試合】

○ 日本 39-12ブラジル ●

(梶木2T、堤2T、内海1T1G、三枝1T、田中1T、西1G)

 

【9-12位 順位決定戦】

○ 日本 15-12 南アフリカ ●

(梶木2T、原1T)

 


ついにオリンピックでサクラセブンズのアタックが発揮されました。初戦は、縦横無尽に走り回ってトライを量産し、勝利しました。過去のオリンピック2大会ともに勝てなかったブラジルに初勝利です!

 

プール戦の総合結果は3位の中の3位となり、得失点差で9-12位順位決定トーナメント進出が決定しました。

次の南アフリカ戦は、前半を5-12の7点ビハインドで折り返しました。後半が勝負のサクラセブンズはそこから集中してトライを重ね、逆転勝ちしました!

 

サクラセブンズがオリンピックで2勝をあげたのは初めてです!明日残る1試合、サクラセブンズのセブンズをもう一度オリンピックで体現し、世界でサクラを咲かせます。

 

7月30日

大会3日目、サクラセブンズにとってパリ五輪最終戦、3年間の集大成です。


【9-10位決定戦】○ 日本 38-7 ブラジル ●

(内海1T2G、平野1T1G、梶木1T、大谷1T、松田1T、田中1T、西1G)


スタッド・ドゥ・フランスにサクラの笑顔が咲きました。ボールが繋がり前進すると会場中に「JAPON」コールが鳴り響き、サクラセブンズのセブンズで世界が一つになる瞬間がありました。


目指していたメダルには届きませんでしたが、「立・動・戦」のサクラセブンズのセブンズを体現し、オリンピック過去最高位の9位の成績を残すことができました。深夜の日本時間に日本から、現地でサクラセブンズを応援、サポートしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。



8月1日

大会を終えた昨日は、それぞれが最後のパリの時間、選手村での生活を過ごしました。

 

本日はいよいよ離村の日です。

午前中に選手村1番のフォトスポットである巨大な五輪シンボルの前でチームフォトを撮影しました。

 



午後は、1週間生活したそれぞれの部屋の片づけをし、最後にクロージングを行いました。


はじめに、鈴木ヘッドコーチから、3年間努力を続けた選手たち、サポートしてくれたスタッフへの感謝とこれからも続くサクラセブンズへの期待を込めたメッセージをいただきました。次に、選手・スタッフが選ぶ今大会のMVPが発表されました。


パリオリンピック2024のMVPは、3年間どんなときもチームを牽引し続けてくれた平野キャプテンです!平野キャプテン、おめでとう!そして、ありがとう!


最後は、「これからみんなそれぞれの道に進むけど、どんな立場でもサクラセブンズをサポートし、ロサンゼルスオリンピックで必ずメダルを獲得しよう!」という平野キャプテンの言葉で締めくくられました。

 

サクラセブンズは明日帰国します。

3年間、サクラセブンズの応援、本当にありがとうございました!


以上