参加メンバーはこちら
4月16日
この日は移動日で、選手は早朝にシドニーの国際空港に移動し、夕方には東京に到着しました。
選手達は、所属する大学へと戻っていき、無事遠征は終了しました。
ここでは、昨日の試合後に行ったエディー・ジョーンズHCへのインタビューの内容を紹介します。
(昨日インスタグラムに公開したものと同じです)
Q:ランドウィック戦を振り返って
「今日は試合は選手達にとって素晴らしい経験でした。勝てる試合でしたが、負けてしまいました。結果は自分たちの問題です。しかし、特に後半戦における選手達の試合へのアプローチや、スキルには満足しています」
Q:遠征全体を総括して
「遠征は本当に成功しました。選手達は特に身体能力(フィジカルな強さ、対応力)において成長したと思います。
選手達は、年齢もずっと上で、体重も重い対戦相手に対応し、私たちのスタイルのラグビーをすることできました」
Q:5月に予定されているニュージーランド学生代表(NZU)との対戦についてファンへのメッセージ
「次の試合では、ランドウィック戦の後半で見せたようなワクワクするラグビーをお見せしたいと思います。
是非、観戦に来て応援してください」
そして、以下、昨日に公開しきれなかった試合の写真をどうぞ!
最後に、試合の後の夕食後に、永友ディレクターから選手達に贈られた言葉を少しだけ紹介します。
永友ディレクターは、2015年のワールドカップ南アフリカVS日本代表の試合の最後のワンプレーの映像を見せた後で、
(※この映像の当時、選手達は小学生です)「この試合の後、日本代表は2019年にはベスト8に進出しましたが、2023年はその先に行けませんでした。次のW杯、その次のW杯で2015年の日本代表のようにプレーする日本代表は、ここに集まっている皆さんであって欲しいし、そのような気持ちで大学に戻ってもトレーニングを続けてほしい」と選手達に話しかけました。
U23日本代表の活動は、5月20日大分(別府市営実相寺多目的グラウンド)で、ニュージーランド学生代表との対戦が控えています。
また、今回合宿に参加していない学生を含む「JAPAN TALENT SQUADプログラム2025」の取り組みは年間を通して続きます。
引き続き、皆様の応援をよろしくお願いします!
4月15日
いよいよランドウィック戦当日。4月2日(日本出発は1日)から始まったオーストラリア遠征もこれが最終戦。
泣いても笑っても、これが最後。この試合でこの合宿の真価が問われることになります。
まずは朝のミーティングで最後の確認事項。
フォワードとバックスに分かれて注意点の確認です。
バックスはバックスで。ちなみに、ここにいるのは23名の登録メンバーのみ。その他の選手は、同じ時間(正確には早朝から)、ウェイトトレーニングとグラウンドでのラグビー練習に欠かさず取り組んでいます。
オーストラリア遠征はこの日で終わりですが、U23日本代表として、また大学の選手として、次に向けた戦いは続いているのです。
続いて、ウォーミングアップ。
この日はサッカーボール!
フォワードとバックス対抗でリフティング対決。ワンバン以内で相手陣内にボールを戻せないと失格です。
流石にバックスの方が上手だったような・・・?
ラグビーではあまり見られない(W杯の時のように、全くないわけではありませんが・・・)ヘディングも。
続いて、気持ちを入れ替えて、戦術確認。
改めてチーム全員で円陣。
早めのお昼を取った後は改めてミーティング。
「今回の試合は日本のTVでも放送される。試合を見て、君たちの試合をまた見たい、と思ってもらえるようなプレーをしようじゃないか。ランドウィックに勝つには、最初から全力で、受けないで、とにかくアグレッシブに行くことだ!」
今度はノンメンバーも含め35名全員で戦術確認。
全員の役割を確認していきます。
さあ、準備は整いました!
後はスタジアムに行く前にもう一度ウォームアップで、体を戦える状態にしていきます。
ウォームアップが終われば、お借りしていた大学の施設の原状回復。この作業は選手もみんなで手伝います。
そして、いよいよ決戦の地、スタジアムへと向かいます!
スタジアムに到着です!
控室で試合までスタンバイ。
コイントスで先にグラウンドに来た清水キャプテンに、地元クラブチームのユース選手が話しかけてきました。
対戦相手のランドウィックも姿を見せました。サイズは日本代表よりかなり大きいです。
オープニングセレモニーでは地元のチアリーダーが歓迎してくれました。
超満員の観客。スタジアムはぎっしりと埋まりました。さあキックオフです!
試合途中に雨が降った影響で、虹が見えました。
前半はスクラムでプレッシャーをかけられました。
李 智寿選手のトライで先制!
小林 典大選手はフィニッシャーとして後半から出場、トライを決めました。
キャプテン清水 健伸選手はフル出場、攻守にわたって活躍しました。
試合結果は、本当に惜しい、悔しい敗戦となってしまいました。
ただ、前半劣勢だったところから、後半巻き返し、勝利寸前まで迫るなど、内容は本当に素晴らしいものでした。
選手達は、胸を張って日本に帰れると思います。
試合後はにノーサイド。ランドウィックの選手達とお互いの健闘を称え合いました。
4月14日
ランドウィック戦前日。いよいよオーストラリア遠征も残すところあと2日となりました。
朝は、大学の施設を借りてウェイトトレーニングで汗を流します。
2月から始まったJTSの合宿から一貫して、朝から体づくりを行ってきました。
選手達にとっても早朝のウェイトトレーニングはもはや体に馴染んでしまっているようです。
そして全体ミーティング。
エディー・ジョーンズHCからは、試合会場となるランドウィックの本拠地Coogee Ovalについての説明がありました。この会場は、冬(日本だと夏)のラグビーシーズンこそ、ランドウィックのホーム・ラグビー場として使用されますが、夏(日本では冬)は、クリケットの会場として使用されています。
その為、一部のグラウンドが、固く、滑りやすくなっており、「今日はそのコンディションも確認した方がいい」という話でした。
(もちろん、それだけではなく、勝つための戦略についての説明もありました。)
さあ、いよいよ決戦の地へ!
バスに乗り込んで、敵地へと向かいます!
ぎっしり!
到着しました。
なんと、会場には歓迎の印として、グラウンドにJAPAN RUGBYの桜のエンブレムが!
全員で記念写真。
そして、選手達が向かった先はといえば・・・
スタジアムの目の前にあるビーチ。実はランドウィックは、ラグビーチームのホームであるだけではなく、サーファーに人気のビーチとしても有名なんです。
選手達は早速水着に着替えて・・・
リカバリーを兼ねて大はしゃぎ。
さあ、すっかりリフレッシュ!明日の試合に備えた良い準備ができました!
選手が帰る前に、立ち寄ったのは・・・
アイスクリーム!
流石にプレーしている時とは、表情が違いますね。
良いリラックスになったようです。
さあ、そして夕方には、恒例のジャージープレゼンテーション。
登録23人の選手に日本代表のジャージが手渡されるセレモニーです。
まず、ジャージを手渡す前に、プレゼンターとなる永友 洋司ディレクターからは、恒例となっている四字熟語ではなく、「今回の試合のキープレイヤーを発表します」。
そして表示されたのは、このスライド。
みなさん、何だかわかりますか?
今年新4年生となるメンバーです。「この中には試合に出る選手も出られない選手もいるかもしれないけれど、試合までの準備も含めて最年長で、今年が学生最後である君たちの行動が勝利の為に一番の鍵となります。是非悔いのないように行動してください」と永友ディレクター。
なお、これまで不動の10番として活躍してきた伊藤 龍之介選手は今回は怪我で欠場です。
さあ、ジャージープレゼンテーションの始まりです。
前回同様、この様子はインスタグラムなどに動画が投稿されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
ここでは、本来の順番と逆になりますが、フィニッシャーである控え選手から順番にそれぞれの決意コメントを紹介します。
福島 秀法選手「フィニッシャーとして体を張ります」
上ノ坊 駿介選手「明日はフィニッシャーとして、試合とこのツアーを良い形で終われるようにがんばります」
村田 大和選手「感謝とプライドを持って最後まで戦います」
小林 典大選手「自分も新4年生なので、責任とプライドを持って頑張ります」
小林選手は今回の遠征で初出場となります。
亀井 秋穂選手「自分の役割を果たします」
杉浦 皓亮選手「フィニッシャーとしての役割を果たします」
杉浦選手も今回の遠征で初めてメンバーに選ばれました。
杉本 安伊朗選手「スクラム押します」
西野 帆平選手「後半から勢い入れます」
さて、ここからはスターティングメンバー。
15番竹之下 仁吾選手「次はゴールド(エフォート)8回取ります」
※ゴールドエフォートとは、チーム内で言われている言葉で、ターンオーバーなどの緊急時にダッシュで戻るなど、一つの仕事をした後にすぐ次の仕事を行って、チームの危機を救うプレーに対して贈られる。竹之下選手は前回の試合で記録更新となる7回をカウントしていました。
田中 健想選手「接点の部分で前に出ます」
李 智寿選手「全力で頑張ります」
李選手も今回の遠征で初出場、初スタメンとなります。
平 翔太選手「しっかりチームをオーガナイズしてきます」
白井 瑛人選手「頑張ります」
野中 健吾選手「自分の役割を果たします」
髙木 城治選手「最終戦、全力で頑張ります」
森山 海宇オスティン選手「ハードワークし続けます」
中森 真翔選手「最後まで走ります」
石橋 チューカ選手「このジャージを着られることに感謝して、最後まで走ります」
物部 耀大朗選手「レッドなしで行きます」
この発言で、選手はドッと湧きました。
※レッドとは日本代表で採用しているスタッツで、接点でプレーした後に歩いたり、ゆっくり移動すると付けられる。献身的なプレーに与えられるゴールドエフォートとは対極の指標で少ない方が良い。
磯部 俊太朗選手「出し切ります」
八田 優太選手「スクラム押します」
大塚 壮二郎選手「体張ります」
そして最後は清水 健伸キャプテン。「今までやってきたことを全員で信じて、このツアー良い形で終われるように。全員で戦い抜きましょう!」
なお、この日、増山 将選手が21歳の誕生日を迎えました。
増山選手おめでとうございます!
なお、この日には、試合に先立ってオンライン記者会見が行われました。
まずはエディー・ジョーンズHCが登壇し、次戦の意味について以下のように説明しました。
「バーバリアンズ戦では、主に地元(コフス・ハーバー)の選手たちと対戦しました。彼らはタフでフィジカルも強いですが、特にスピードがあるわけではありません。U20オーストラリア代表は世界ランキング6位で、日本U20は15位です。自分たちより格上のチームと対戦して、自分たちの力を試したいと考えていました。次戦のランドウィックは、フィジカルの強さとスピードの両方を兼ね備えたスタイルのチームです。年齢層も上がって、より経験豊富な選手たちが相手になるので、我々にとっては厳しいフィジカルチームとの試合経験を積む良い機会です。」
「多くのレジェンドたち(注:ランドウィックは伝統あるチームでこれまで数多くのオーストラリア代表選手を輩出してきました。そうした元代表選手も観戦に来る為)が見守るクージー・オーバルスタジアムでプレーできるのは、選手たちにとって大きな名誉です。これは歴史的な機会になるでしょう。ランドウィックは過去にオールブラックスやアルゼンチン代表とも対戦しており、国際チームと試合を行ったことのある唯一のオーストラリアのクラブチームとして、今もその伝統を受け継いでいます。」
「彼らは最強メンバーを揃えてくるはずなので、我々としてはそれを受けて立つしかありません。昨年のシドニーラグビーのチャンピオンで、当時のメンバーのうち少なくとも7人は今年もランドウィックでプレーしています。非常に厳しい試合になると覚悟しています。」
続いてBKから田中 健想選手。オーストラリア遠征の感想を問われ「普段味わえない経験ができていて刺激になる」と回答しました。U20オーストラリア代表と戦うことで、試合での経験もさることながら、試合以外のことでも学ぶことが多かったと語りました。特に、全体練習の後に、個人練習に時間を割いていることや、心からラグビーを楽しんでいること、試合終わる前から、試合後のファンクション(両チームの選手による交流会)を楽しみにしている、と語りかける様子など、「ラグビーを通じて人間関係を広げていく、という考えを持っていて、すごく面白い発想だな、と思いました」と語りました。
他にもU20オーストラリア代表は「戦う前は全員がスーパーラグビーに所属していると思ったら、実際に話してみたら大学の所属している選手もいっぱいいて、人それぞれでした。ただ、それでもラグビーで生きていく、という第一のキャリアとしてラグビーを捉えていることに関しては全員が強い意志を持っていて、上位にいる選手は、この年代からそういう意識を持っているということに強い印象を受けました」とも語りました。
最後は、中森 真翔選手。普段(大学ではロックやナンバー8)とは違うフランカーというポジションでプレーすることについて、「(7番は)初めての経験ですが、フル代表を狙うにあたり、このポジションで活躍していこうと考えているので、すごい良い経験になります。自分のスピードや高さを活かせるポジションだと思うのでやり甲斐を感じています」と返答しました。
またオーストラリア遠征での試合については、「普段国内でやるより相手がフィジカルが強く、スピードがあり、手足も長くて普段つながれないとこでオフロードされるというような経験ができている。国内では味わえない経験で、そうしたアタックを絶対止めなきゃいけないという意識や、常にサポートに走る意識を持ちましたし、自分自身も世界を意識するようになったり、自分のプレーを変えていかなきゃいけないという気持ちになりました。」と語りました。
なお、このインタビューの中で、中森選手が小学生の時にエディーHCと一緒に写真を撮ったことがある、というエピソードが出てきました(上の写真)。いつ撮影したのかははっきりと記憶していないということですが、サントリーサンゴリアスの祝勝会の際に写真を撮ったということなので、おそらく2011−2012年頃に撮影されたもののようです。こちらの写真は中森選手にご提供いただきました。なお、エディーさんにもこのこと(会ったことがある)は、話したことがない、ということでした。
4月13日
今朝で、コフスハーバーとはお別れ。選手達は、長らくお世話になったホテルをチェックアウトして
飛行機で次戦であり遠征最終戦の場所となるシドニーに移動しました。
シドニーに到着後早速ミーティング。
フォワードとバックスに別れて、前回の試合で良かった点、反省点、次の試合に活かすべき点について確認します。
プロップで出場した大塚壮二郎選手から試合の反省点、改善点が挙げられました。
バックスでも同様なディスカッションが行われました。
選手達だけの話し合いが終わるとエディー・ジョーンズHCからは「次の試合に備える練習は、実質今日が最後だ、ここでしっかり準備する必要がある」と選手達に語りかけました。
そして、次戦の対戦相手地元のクラブチームランドウィックについて「私の血にもランドウィックが混ざっている」と語り、どのようなチームなのか、説明しました。エディー・ジョーンズHCが指導者として、初めてコーチング(アシスタントコーチ)をしたのが、このランドウィックなのです。
100年以上の歴史を誇る名門のクラブチームであり、多くのオーストラリア代表選手を輩出しただけではなく、クラブチームとしてニュージーランド、アルゼンチン代表と対戦したことがあるという実績を誇ります。プレイスタイルもとてもアグレッシブで、超速ラグビーを標榜する日本代表にとって、同じようなプレイスタイルを持つ、かなりの強敵といえます。
ミーティングを終えると、選手達は本日の練習場へと向かいます。
この日の練習場は、オーストラリアの中でも名門大学として名高いニューサウスウェールズ大学の中にあるグラウンド。大学のキャンパスの広さに選手達も驚いていました。
明日の試合前の練習を除けば、準備に充てられるのは、今日が最後。自然と選手達も集中力が高まります。
「とてもレベルの高い練習ができている」とエディーHCも納得の表情。
練習後には、地元TV局SBSの日本語放送の取材がありました。
取材を受ける平 翔太選手。
エディーHCも。
石橋チューカ選手は、オーストラリアで誕生日を迎えたことを聞かれ「昨年に続いて代表合宿で誕生日を迎えられて嬉しい」と答えていました。
さて、この日からシドニーに場所を変え、食事メニューも少し変わりました。
フルーツ、野菜などヘルシーメニューであることは変わっていません。
さあ、遠征最後のランドウィック戦まであと2日となりました。
皆様、引き続きの応援をよろしくお願いします!
4月12日
一夜明けて、気持ちも新たに
オーストラリア遠征最後の試合、対ランドウィック戦に向けて準備が始まります。
先発メンバーはストレッチ。
一方で、途中出場の選手(チーム内ではフィニッシャーと呼ばれています)と、登録メンバー外の選手達は、グラウンドで激しいコンタクト有りの濃密なトレーニングを行いました。
途中から激しい雨が降ってきましたが、そんなことは関係ありません。
大変中身の濃い充実した練習となりました。この中から、次の試合に新たに出場する選手もいることでしょう。全ての選手が高いモチベーションで練習ができています。
宿舎に戻ってから、改めて試合を振り返るミーティングが行われました。
ハットリーコーチからは、特にフォワードではセットピースが安定していたし、プレッシャーもきちんとかけられていた。チームとして非常に素晴らしいパフォーマンスだったという話がありました。
選手からは、反省点、次に活かすべきポイントなどが挙げられました。
明日はシドニーに移動し、15日のランドウィック戦に向けた本格的な準備が始まります。
4月11日
運命のU20オーストラリア代表戦当日が遂にやってきました。
フォワードは朝からミーティング。
ハットリーコーチ「何も難しいことをいうつもりはない。2月の合宿から一貫して言ってきたことをシンプルに遂行してほしい。この日の為に頑張ってきたはずだ」
ミーティングを終えると、近くのバスケットコートに移動し
バックスと共に、チームの連携を確認します。
ラインアウトのスロワーは、スローの最終確認も行います。
一方、試合に出場しないノンメンバーは、ジムに移動し、S&Cとコンタクト練習を行いました。
タックル。
ダブルタックル。
こうしたトレーニングは2月の合宿から一貫して行なっています。
午後になると、今度はホテルの庭にて、最後の連携を確認しました。
そして、神経をアクティベートするウォームアップ。
そしてバスに乗ってスタジアムへ移動。
スタジアムに到着しました。
前回の試合と同じ会場です。
主将同士によるコイントス。
国歌斉唱。
いよいよキックオフ。
モールでトライ!
モールで2本目のトライ!
清水健伸キャプテンのハットトリックで前半は19-14とリードで終えました!
しかし、残念ながら最終的な結果は、26−54。
日本代表は国際大会のルールをそのまま適用し、23名のみを使用しましたが、U20オーストラリア代表は、前半と後半の選手を大幅に入れ替える26人以上の選手を使用。
もちろんこれは、今回の試合のルール上、認められていることなので言い訳はできませんが、フレッシュな選手が後半に一気に投入されたことが、後半に差をつけられた原因の一つであることは間違いありません。
一方で、世界大会を前に控えたU20オーストラリア代表が実力的に上だったのも事実でしょう。
これだけの強度の高い試合で戦えたことは、選手達にとって大きな経験と財産となったことと思います。
フォワードのセットピースや、ディフェンス面での接点で負けなかったことなど、収穫も大きな試合でした。
次戦のランドウィックが遠征最後の試合となります。
ここで、ベストな試合ができるよう選手達には更なる健闘を期待したいところです。
皆様も引き続き応援よろしくおねがしいます。
4月10日
今日も朝早くから稼働しております。
クイズ:この写真の中に鳥は何羽いるでしょうか? (答え:よく見るといろんなところにいます)
さて、この日のレポートに映る前に、先日オンラインで行われたエディー・ジョーンズHCのメディアインタビューの一部をここでも公開させていただきます。
インタビューに答えるエディー・ジョーンズHC
(vsバーバリアンズ戦を総括して)「間違いなく、私たちは“日本らしい”ラグビーをしたいと考えています。そして、これまでも話してきたように、今いる選手たちに合った“日本スタイル”のプレーを作り上げたいと思っています。特に前半では、それをしっかりと示すことができたと思います。60分の時点でのスコアを見てもらえればわかりますが、43対7でリードしていました。」
「選手たちの努力には本当に満足しています。今回のチームは、プロ選手との対戦が初めてということで、彼らにとって素晴らしい経験になりましたし、日本ラグビーの歴史上、男子シニアチーム(高校生以上のカテゴリー)がオーストラリアで勝利したのは初めてです。2027年のワールドカップに向けて、非常に重要な意味を持っています。この遠征での目標のひとつは、ワールドカップメンバーに入り得る3〜4人の選手を見つけることです。」
(得点の大多数がターンオーバーやディフェンスからだったことについて)
「トライの70%はターンオーバーから生まれました。このレベルで勝つためには、常に日本の課題となっていた“ディフェンス”を克服する必要があります。オーストラリアをはじめ、世界中のチームと日本の対戦を振り返ると、得点すること自体は問題ではなく、相手に得点されないことが課題でした。ディフェンスには多くの取り組みをしてきましたが、まだまだ進化の途中です。私たちは“アグレッシブなディフェンスライン”を作ることに注力しており、それが攻撃のチャンスを生み出すのです。」
「日本としてのゲームスタイルは、あえて混乱状態を作り出し、その中で相手よりも早く秩序を取り戻すことです。特にターンオーバーからの攻撃やキックリターンを重視していて、これは選手たちのスキルに非常にマッチしています。彼らは直感的なプレーヤーが多く、素早くスペースを見つけて活用する能力に長けています。」
(次戦対U20オーストラリア代表について)
「今回対戦した“オーストラリア・バーバリアンズ”は、地方選手、クラブ選手、スーパーラグビーのアカデミー選手などの混成チームでした。ですが、次の試合はU20オーストラリア代表が相手ですから、さらにレベルが上がります。U20の世界ランキングでは、オーストラリアは6位、日本は15位です。U23という名称ではあるものの、私たちのチームの平均年齢は21歳で、年齢層としては非常に近いです。この試合で、選手たちが世界の中でどの位置にいるのか、テストマッチレベルで日本を勝利に導ける力があるのかが、より明確になるでしょう。」
では、ここからは本日のレポートです。
試合前日になり、流石にこの日の朝は筋トレというよりもストレッチを中心とした体のほぐしを行いました。
一方で、こんなゲームも。
カラーコーンを狙って、円柱を転がして、当てた方が勝ちというゲームです。
そして、朝食後は、試合会場のグラウンドへ。
練習前にはミーティングが行われました。
「ファンがまた見たいと思ってもらえるようなラグビー、日本ならではのラグビーをしようじゃないか!」
ハットリーコーチからも、試合前の注意事項が伝えられます。
試合前最後のトレーニングです!
まずはタックル!
そして集中して、アタックとディフェンスの連携を確認します。
全選手が集中してよく走り、そして激しいコンタクトを行いました。
非常に良い準備ができたのではないでしょうか。
こうして試合前の最後の練習が終わりました。
午後は休養して、しっかり体を休ませました。
そして、夕方には、ジャージープレゼンテーション。
登録メンバー23人に桜のジャージが手渡されるセレモニーです。
プレゼンターは、永友 洋司チームディレクター。
まずは、昨年の日本代表のヨーロッパ遠征でも紹介した四字熟語「率先躬行(そっせんきゅうこう)」(人々に先立って自ら物事を実行すること)が選手達に贈られました。
「苦しい時こそ、自分たちで考え実行してほしい」そんな永友ディレクターの想いが伝えられました。
そして、元トップレフリーで、JRFU専務理事でもあり、国際ラグビーボード(現IRB)理事を務め、2019年のW杯招致に尽力された真下 昇(ましも のぼる)さんが4月3日に逝去されたことを受け、1分間の黙祷が捧げられた他、明日の試合では喪章をつけてのプレーを行うことがアナウンスされました。
そしていよいよジャージが選手達に手渡されていきました。
ジャージをもらった選手は一人一人、明日の試合への誓いを話していきます。
磯部選手は「自分の力を全部出し切ります」と発言しました。
15番までのメンバーの発言は動画でインスタグラムにも上げてありますので、ぜひご確認ください。
以下動画に入りきらなかったフィニッシャー(控え選手)の発言です。
上ノ坊 駿介選手。「フィニッシャーとしてゴールドエフォートを3回獲得します」
野中 健吾選手「自分の役割を果たします」
村田 大和選手「このジャージを着られることに感謝とプライドを持って全力で最後までやり切ります」
宮下 晃毅選手「全力でプレーして勝利に貢献します」
亀井 秋穂選手「自分の仕事を全うします」
山口 匠選手「スクラム必ず押します」
杉本 安伊朗選手「スクラムで勝ってチームに勢いを与えます」
田中 京也選手「アグレッシブにプレーします」
最後に清水 健伸キャプテンから「責任持って、良い準備をして、良い形で勝利を収めて、また見てもらいたいと思える試合ができるように頑張りましょう」と呼びかけられました。
そして、国歌斉唱の練習を行い、この日の行程は終了となりました。
なお、この日は、石橋チューカ選手の誕生日。
夕食時にはサプライズでケーキ(合宿中なので本物ではありませんが)のプレゼントがありました。
石橋選手は「21歳になりました。明日の試合、頑張ります!」と力強くスピーチしました。
さあ、運命の試合はいよいよ明日です。
是非、テレビやスマホを通じて、応援のほど、よろしくお願いします!
4月9日
いつもなかなかに長いレポートになっていますが、本日は実に盛りだくさんです!
この所、地元の天気予報は雨予報が多いのですが、本日も晴天です。
合宿地のコフスハーバーは自然豊かな場所なので、野鳥も沢山。
あれ?ひょっとしてこれは日本で絶滅危惧種に指定されているトキじゃありませんか?
おそらく「オーストラリア黒トキ」と言って、オーストラリアでもどこにでもいる鳥のようです。
それはさておき、そんな場所で、今朝のトレーニングといえば・・・
なんとテニスボール!
朝から筋トレをしているばかりではありません。この日は、お盆のようなものにテニスボールを乗せて
リレーのように運んでいくゲームを行いました。集中力とチームの絆を深めるのが狙いのようです。
絆が深まっている様子が伝わってきますね!
インスタグラムのストーリーにも動画を上げましたので、興味がある方は是非ご覧ください!
そして、朝の恒例といえば、ストレッチ。
続いて、朝食後にグラウンドへ移動。
試合まであと2日ということで、今日は今までよりも更に強度を上げたトレーニングになりました。
のっけから、グラウンド全体を使ったコンタクトありの練習。
昨日はエンジンがかかるのに少し時間がかかった部分もありましたが、本日はのっけからフルスロットル。
体をぶつけ合います!
サイズの大きいオーストラリアのようなトップチームに勝つ為には、とにかく集散で負けないこと、そしてブレイクダウンでのコンタクトでも負けないことです。
タックルして、倒れてもすぐに起き上がり、走って組織的にディフェンスする。こうしたオフザボール(ボールを持っていない時)の献身的な動きがチームとして最も重視したいポイントです。
明らかに以前よりもコンタクトの強度とスピードが上がっています。
この後、選手は全体でランニング。リカバリーも走りながら、です。
司令塔として、攻守に渡ってチームを牽引するSO伊藤 龍之介選手。
前回の試合でも、ディフェンスで目立った活躍をしたFL森山 海宇オスティン選手。
キャプテン清水 健伸選手。「良い練習ができている」とチームを鼓舞します。
本来ならば、これで良い練習ができた、と終わってもよさそうなものですが、この日はここからが本番。
なんと、11日に対戦を控えているU20オーストラリア代表が!
(・・と、ハプニングみたいに書いていますが、もちろん予定通りです)
同じ場所で合宿中ということもあり、試合前に、合同練習を行うことになっているのです。双方ともに強化が目的なので、手の内を隠すとかそういう発想はありません。
タックルダミーを着用してではありますが、合同練習はのっけから、激しいコンタクトでアタック、ディフェンスをグラウンド全面を使って行いました。
U20オーストラリア代表は、6月にワールドラグビーU20チャンピオンシップの出場を控え、気合十分。サイズも大きく、スピードも速い。ボールへのプレッシャーも流石の迫力です。
対するU23日本代表も負けてはいられません。事前にみっちりとコンタクトをしているので、準備万端。
ブレイクダウンの接点においても負けていません。
続いては、タックルバックではなく、プロテクターに着替えてのコンタクト有のトレーニング。
再び、激しいぶつかり合い。激しくやり合いました。
そして、フォワードは、ラインアウトとモールの勝負。
相手のボールを見事に奪いハイタッチ。
スクラムの勝負も。お互いに譲りません。
こうして1時間以上に渡る合同練習は終了しました。
勝負は、本番になってみなければわかりませんが、選手達は、自分たちがやるべきことをやれば、十分に通用するという実感を得られたのではないでしょうか。練習後の表情がそれを物語っているようです。
一本締め。
後から練習に合流したU20オーストラリア代表が引き上げる中、自主的に居残り練習を引き続き行う選手達。
エディー・ジョーンズHCもアドバイス。
笑顔でポーズ。
もちろん真剣に居残り練習もやっています。
そんなアクションパックな午前のトレーニングが終わった後、午後に選手が向かった先はといえば・・・
オーストラリアの先住民アボリジニについて学ぶべく、マトンバード島自然保護区へ。
ガイドから、アボリジニの歴史についてお話ししてもらいました。
そして、丘の上に上り・・・
絶景を眺めます。
そして夕暮れに差し掛かり・・・
野生のカンガルー!
選手達には、オーストラリアの文化や自然を学ぶまたとない機会となりました。
ホテルに戻ると選手達を待っていたのは・・・
この日の締めを飾るのにふさわしいオーストラリア料理であるミートパイ。
美味しくいただきました!
・・・と言った感じで、非常に盛りだくさんの1日が終わりました。
そして、11日のU 20オーストラリアの試合は国内(WOWOW様)での放送も決まったと本日アナウンスされました!
是非、皆様、テレビやスマホの前で、応援ください!
4月8日
新しい朝が来ました。
試合がある金曜日には、天候が悪くなるという予報もありますが、本日も快晴です。
朝は、ストレッチから。
そして、相手の手から落としたテニスボールをキャッチするという反射神経を鍛えるゲームも。
なかなか、難しいゲームですが、ほとんどの選手は器用にこなしていました。
次の試合(U20オーストラリア代表)を3日後に控え、この日は、ゲームプランを皆で確認します。
選手同士での話し合いも。
エディー・ジョーンズHCからは、この日の練習での注意事項が伝えられました。
「これらを実行したら、絶対に次の試合にも勝てる!」
髙木 城治選手からは、昨日の練習から学んだことが発表され、チーム全員に練習の意図を確認していきました。
そして(まだ午前中)グラウンドへ。
「今日は初めから最後まで質の高いプレーを継続すること」
具体的に説明しなくても、写真を見ていれば、前回の試合以上に「超速ラグビー」を実践する為に選手達が全力で取り組んでいる雰囲気は伝えられたのではないでしょうか?
さあ、次の試合が迫ってきました。
みなさま、応援よろしくお願いします。
(なお、この日の午後は昨日同様ジムでのウェイトトレーニングがありましたが、こちらは割愛しております。
また、オンラインでメディアの方向けのインタビューセッションを行いました。こちらにつきましては、明日以降レポートいたします)
4月7日
さあリカバリーも終了し、本日からU 20オーストラリア代表戦に向けた本格的な準備が始まります!
トレーニングは早朝から。まずは軽いウェイトトレーニング。
室内でもストレッチで可動域を広げていきます。
そして、朝食後にグラウンドへ移動。
ウォームアップの後は、早速激しいトレーニングを行いました。
日差しが強いので、帽子をかぶってプレーする選手も。
サイズの大きいオーストラリアの選手にフィジカルで負けない為にもコンタクトプレーは重視する項目の一つです。
激しいタックル練習!
そしてモール。
午後は、近所のジムに移動して本格的なウェイトトレーニングを行いました。
今回、「どれだけの負荷でトップレベルの選手達がトレーニングをしているのか、全国のラグビー選手(学生選手)にも見てもらいたい」(太田千尋ストレングス&コンディショニングコーチ)ということで、いつもより多めに写真を公開します。
本日の予定を真剣に見つめるバックス選手達。
ウェイトトレーニングを終え、宿舎に戻って夕食後には、ラグビーについて考える「探求」ミーティングの時間です。
この日は、永友洋司ディレクターから、ラグビー日本代表エンブレムの歴史についての説明もありました。
日本代表エンブレムの3つの満開の桜は、関東・関西・九州の3支部を意味しています。皆さんはご存知でしたか?
かつて(1930年から52年)のジャージにあるエンブレムには、つぼみ、半開き、満開の3週類の桜があしらわれていました。今の満開のエンブレムになったのは、1952年で、ラグビーの本場英国のオックスフォード大との試合がきっかけだそうです。
流石にこのことを知っていたU23代表選手はほとんどいませんでした。
そして、2月の合宿以来、寝る前には必ず行う最後のトレーニング「PUMP」。
ゴムバンドを腕に巻いての筋肉トレーニングです。
本日も盛りだくさんの1日が終わりました。
4月6日
熱戦から一夜明けたこの日、まず選手達はプールでリカバリーを行いました。
続いて、ホテルそばのビーチに移動。
シドニーとブリスベンの中間に位置するコフスハーバーは、オーストラリアでも人気のサーフィンスポットが多数存在することで知られています。
そんな絶好のロケーションで、昨晩の疲れも見せず、選手達は、サーフィンにチャレンジ!
この日は気温25度程度と快晴にも恵まれて、最高のコンディション!
選手達にはとても良い息抜きになったようです。
ちなみに「誰がベストサーファーだった?」とエディーさんからミーティングで選手達に問いかけがありましたが、
明確な答えは出ませんでした・・。
この日はグラウンドのトレーニングはオフでしたが、午後にはジムで汗を流しました。
(すいません。写真はありません・・・)
そして、夜には気持ちを新たに次の試合を見据えたミーティングが行わレました。
まずはエディー・ジョーンズHCから選手達に話しかけます。
「君たちは、今まで誰も成し遂げたことがなかったオーストラリア遠征の試合で勝利することができた。」
「しかし、それだけで満足するわけにはいかない。もっと高いレベルの試合ができるし、次の試合でも勝つことができる。」
「そしてその為に前の試合から何を改善しなければいけないかわかっているはずだ」
(※ここではその改善部分の内容は敢えて割愛しています)。
「前回試合に出た選手も、出ていない選手も関係ない。全員がベストな努力をして、全体で底上げをしなくてはいけない。」
「誰が次の試合に出るかはこれからの準備次第だ。」
続いて、アタック、ディフェンス、セットピースなどに分けて、次の試合の注意点、練習での重点事項についてリーダーとなる選手(アタックは伊藤選手、ディフェンスは村田選手、セットピースは能勢選手)から説明が行われました。
こうしてミーティングは終了。
そして、最後にお待ちかねの夕食です。
さあ、次の大一番オーストラリアU20代表との戦いに向けた準備が明日から、いよいよ始まります。
引き続き成長を続ける選手達にご注目ください!
4月5日
さあ、決戦の日がやってきました。
本日の試合は、地元自治体(ニューサウスウェールズ州、コフスコースト)が主催するラグビーフェスティバルのメインイベントとして企画されたもので、会場には地元のラグビーファンが多数集まりました。
(この試合の前には地元クラブチームなどの試合が組まれていました)。
遠征前には、エディー・ジョーンズHCから、「オーストラリアの地で、勝利したシニアの日本代表チームはこれまでなかった。このチームはその歴史を変えるチャンスがある」という話がありました。
当然、選手達もその「歴史を変える」つもりです。
相手のオーストラリアンバーバリアンズは、公式サイトの説明では、「スーパーラグビーの候補選手、7人制代表のスター、海外チームでプレーするオーストラリア人選手、地元のトップ選手の混成チーム」とあります。
この手強いチームに、U23日本代表は、2月の合宿から鍛えてきた力強いコンタクト(ブレイクダウンとタックル)、組織的なディフェンス、正確なボールコントロール、そして、どこからでも仕掛けるという「超速ラグビー」で対抗しました。
結果は、43−31(前半31-7)。U23日本代表の勝利でした!
試合が終わればノーサイド。お互いの健闘を讃えあうのがラグビーのすばらしいところです。
応援いただいた皆様、ありがとうございました。
チームは、続いて11日に同じ場所でU20オーストラリア代表との対戦を控えています。
連勝を目指して、チームはこれからも精進を続けます。
引き続きの応援をよろしくお願いします!
4月4日
オーストラリア遠征の初戦、バーバリアンズ戦の前日になりました。
この日は、試合会場のコフスハーバーのスタジアムでキャプテンズラン(試合前日に行う最終調整)が行われました。
清水キャプテンをはじめとして、リラックスした表情が目立ちます。
準備は整いました。後は明日の試合を待つばかりです!