左より東海林一専務理事(JRLO)、小林広幸理事(JICA)、岩渕健輔専務理事(JRFU)


公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(以下「JRFU」、会長:土田雅人、東京都港区)と一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(以下「JRLO」、理事長:玉塚元一、東京都港区)、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」、理事長:田中明彦、東京都千代田区)は三者での連携協定を6月17日付で調印しましたので、以下のとおりお知らせいたします。


JRFUは、2019年のラグビーワールドカップ招致をきっかけに2011年から国際協力事業「アジアン・スクラム・プロジェクト」(以下、「ASP」)に取り組み、アジアにおけるラグビーの発展に努めてまいりました。また2013年には、JRFUとJICA間での連携協定「JICA-JRFUスクラムプロジェクト」を締結し、アジアを中心とした途上国に指導者(JICA海外協力隊)を派遣し、ラグビーの普及と活動を通じた国内の人材育成に取り組んできました。

また、2015年に国連で制定されたSDGs(持続可能な開発目標)においてスポーツの社会課題解決への手段としての重要性が認知されて以来、より一層スポーツを通じた国際協力や社会課題への取り組みは広がっています。ラグビーワールドカップの日本への再招致を目指す中で、日本が世界各国とラグビーを通じた国際協力を深化させていく必要性は高まっています。

このたび、「JICA・JRFUスクラムプロジェクト」に加え、JRLOを交えた連携協定を新たに締結することで、途上国におけるラグビーの普及や、ラグビーを通じた社会課題への取り組みはもちろん、新たに国内の共生社会の実現に向けた事業にも積極的に取り組んでいくことで、ラグビーを通じてより豊かな人生や社会の実現を目指します。


なお、連携協定締結に関する内容、各団体代表のコメント、今後の事業予定は以下のとおりです。

 

JRLO、JRFU、JICA 連携協定概要およびコメント                                                    

■連携内容:

(1)JICA海外協力隊に関する取組み

 1. JICA海外協力隊ラグビー隊員の応募勧奨に関すること

 2. 派遣前隊員への自主学習や訓練に関すること

 3. 派遣中隊員等への活動支援に関すること(JRLO人材のJICA事業への派遣を含む)

(2)その他国際協力に関する取組み

    1. 異文化理解促進、共生社会実現や開発課題解決に資するイベントやプログラムの開催に関すること

    2. 選手等海外出身人材の関連イベント・プログラム参加促進、啓発や開発教育等人材育成に関すること

 3. 開発途上地域における災害支援や平和構築、その他開発課題解決への協力に関すること

    4. 関連器材や物品の提供に関すること

(3)前各号に関連する国内外への啓発・広報に関すること

(4)前各号に掲げるもののほか各当事者が合意する事項

 

■協定期間:

2025年6月17日(火)~2030年3月31日(日)

 

■今後の事業予定

・国内での多文化共生の推進における取り組み

・JICA海外協力隊派遣前の専門技術指導における連携

・リーグワン選手・チームスタッフ・OB等のJICA事業への派遣

 

公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 岩渕健輔 専務理事 コメント

「アジア唯一のハイパフォーマンスユニオンであるJRFUには、ワールドラグビーやアジアを中心とする多くのユニオン 

から、ラグビーの発展に大きな期待が寄せられています。その期待は、これまでASPにおいて、ラグビーの普及にとど 

まらず、ラグビーによってコミュニティをエンパワメントし、ジェンダー平等や障がい者支援の取り組みを通じてよりよい

社会の実現に貢献してきた実績に裏付けられたものであり、日本の『ラグビーの力』を通じた取り組みが高く評価され

たものと自負しています。今回の三者協定締結により、こうした『ラグビーの力』が一層発揮され、アジアや途上国のみ

ならず、日本国内のラグビーの発展と共生社会の実現に寄与することができるよう、それぞれの強みをいかした連携

を推進してまいります」

 

一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン 東海林一 専務理事 コメント

「ジャパンラグビーリーグワンは、『みんなのために FOR ALL』の精神のもと、ラグビーを通じた社会貢献を重要な使命

と考えています。本協定を通じて、多様な選手やスタッフが参加する国際的なリーグであるジャパンラグビー リーグワ

ンを最大限に活用し、開発途上地域はもちろん、国内の多様なコミュニティへスポーツ振興や教育、共生社会の実現

に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。JICA、JRFU、そして選手やチーム、ファンの皆様と共に、ラグビー

の力を通じて国際協力の輪を広げ、より良い世界の実現に貢献できるよう、努めてまいります」

 

独立行政法人国際協力機構 小林広幸 理事 コメント

「この度、JRFU及びリーグワンと協定を締結できたことを大変嬉しく思います。JICAは『誰もがスポーツを楽しめる平

和な世界』の実現を目指し、JRFUと連携し、これまでに11カ国に90名以上のラグビー隊員を派遣してきました。ラグ

ビーは『5つの価値(品位、情熱、結束、規律、尊重 )』や『No Side』『One for All, All for One』の精神のもと、多様性の

尊重や、チームワーク、フェアプレーといった価値を育むスポーツです。こうした価値は、開発途上国における教育や

社会包摂、日本国内の共生社会の実現にも通じるものです。本協定を基に、ラグビーを通じて国内外の人々の心をつ

なぎ、平和な社会の実現に貢献してまいります」

 

以上