関東対抗戦4・5位チームの戦いを花園で観戦することとなった。ライトブルーの筑波大、赤の帝京大、緑の芝、白いボール、鮮やかなコントラストで選手の動きが良くわかるゲーム。 前半、筑波大はフィールドいっぱいに広いラインと長いパス、帝京大はやや深めのラインを引き、双方、動きの良い立ち上がりであった。前半10分筑波CTBが帝京大ディフェンスを少しずらし、WTBにパス、左隅にトライ。筑波大が先制した。帝京大は19分モールで押し込み1トライを返して振り出しに戻し、33分のPGで逆転をされたが、39分ゴール前スクラムの壊れからサイド攻撃となり5番冨田が飛び込んで再逆転し(8-12)前半を折り返した。 後半1分、帝京大の好ハイパントを筑波大がうまくキャッチするも、モール状態からラック模様の混戦となり、帝京側に出たボールが左ラインに回され、11番がトライ。その後も、筑波は好タッチキックで陣地を戻すが、スクラムの主導権は帝京にあり、ほとんどが自陣でプレーすることとなった。筑波大は、ひと回り違うFWをタックルで受け止め、ボールを生かそうとするプレーを続け帝京のオフサイドを誘うが、得点に結びつく決定的なプレーとはならない。30分には帝京はPKからスクラムを選択、筑波はコラプシングを犯し認定トライを取られ、最後はスクラムトライとなるなど一方的な展開とはなったが、対抗戦では筑波20-25帝京の僅差であったように、気迫の薄れる戦い方ではなく、大学選手権の頂点に立つ4強となるにふさわしいゲームであった。しかし、筑波大も予想をもしなかった8トライを帝京大与え、初の4強を逃した。 C:2007, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) 筑波大学 8-46 帝京大学(12月23日、2回戦 at近鉄花園ラグビー場) 筑波大学の古川監督(左)と、島キャプテン ◎筑波大学 ○古川拓生監督「2ゲーム続けての花園は体力的に厳しいものがあったが、前々日からこちらへ入り気持ちの面で整理してのぞめたが、同大戦のようなディフェンスやタックルなどピークの状態でのぞむには難しいものがあった。チャンスはあったが得点には結びつかなかった。うちはタックルが生命線だがそこでくい込まれた」 ○島弘一郎キャプテン「筑波のラグビーは随所に出せたと思っているが逆に帝京さんのいいところも出させてしまった、今日は完敗です。来年からはFWを強化し強い相手に互角に戦えるようになってほしい」 ――対抗戦では帝京大と5点差、どこが違ったのか。 ○島キャプテン 「春からやってきたことは同じで、むしろ帝京のほうのチームの統一や前へ出る力が強くなっていた。前回はタックルで倒せたのだが、今回はそれができなかった」 ――2ゲーム続けてマックスの力を出すのは難しいと思うが、先週に比べてどうか。 ○古川監督 「疲労があったがこれが現在のベストメンバー。ただゲームに乗れるところ、乗れないところがあり、いやな時間帯を過ごしてしまった。勝負の厳しさを感じた」 帝京大学の岩出監督(左)と、堀江キャプテン ◎帝京大学 ○岩出雅之監督「今日のゲームに関しては、うちの強みの部分、接点の強さ、タックル、ブレイクダウンの厳しさを期待していた。前半ちょっと足が動いていなかったが、トータルでいいゲームだった」 ○堀江翔太キャプテン「自分たちの強みを出そうとゲームにのぞんだが、前半はミスで筑波さんに苦しめられた、後半はミスをなくし、こちらの強みが出せた」 ――強みの出し方をつかんだのは? ○岩出監督 「何がよくて、何がくるっているか、プランの見直しをはかった。青学戦から先週の拓大戦と強みが上がってきている」 ――選手権は対抗戦4チームが残ったが。 ○岩出監督 「スコアは別にして(東海大ー慶応大の結果)リーグと対抗戦の力の差が見えた。対抗戦の厳しさがそこにあると思う。同じ対抗戦の一員としてうれしい」 ――次の(準決勝の)早大戦について。 ○岩出監督 「秋のうちのディフェンスは甘かった。そこでしんどい、痛い練習に取り組んだ。随所に個々の力強さ、加えて粘りが出てきた。この強みを前面に出し、勢いのある部分で戦う。 ベスト4はうれしいのだが、目の前の勝ちでなくスタンダードを意識しながら、早大と戦うことで、今シーズンの集大成となるように厳しいラグビーで戦いたい」 ○堀江キャプテン 「対抗戦から厳しいところでやっていこうと意識してきた、ディフェンスの激しさが出せれば勝機はあると思う」