対抗戦2位と関西リーグ2位との戦いは、明大のスクラムトライで均衡が破れた。前半10分頃、明大のキックボールがインゴールに入り、京産大は辛うじてタッチダウンしたが、その前のプレーがPKとなり、ゴール前で明大はスクラムを選択、二度目の組み直しを経て、PRがめくり上がって崩れかけたところを8番宇佐美が強引にトライを奪った。2つ目も、FKからスクラムを選択、セットプレーから左オープンに回しBKが、京産大の高めのタックルをはずし、最後はCTB衛藤が鮮やかにトライを奪った。京産大は高いタックルで再三のPKを明大に与え、タッチキックでも確実に陣地を奪えない状況。前半、京産大の見せ場は、自陣10mライン付近で明大のパスミスを足にかけてドリブルプレーに持ち込み、一気に敵陣5mスクラムまで押し込んだところだ。二度三度FWプレーで明大ゴールに迫り京産大応援団が大いに沸いたが、ラックボールが拾えずチャンスをつぶしたところで前半が終了。(明12-0京)

後半も、明大は京産大のプレーにてこずりながらも、6、23、44分に得点を追加した。京産大はタックルで明大のBKを止めるが凡ミスで攻撃権を奪えない展開。中盤に明大が4連続PKを犯すも、京産大はFWで当たり行きポイントを作る戦法に徹し、ポイントからBKに展開、左右に振ってゲインを試みる正攻法で挑んだが、明大のゴールを割ることはできなかった。スクラムも最後まで安定せず、明大のホイールプレーに京産大は対応できなかった。

明治大学 29-0 京都産業大学   明治大学 29-0 京都産業大学

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C:2007, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

明治大学 29-0 京都産業大学(12月23日、2回戦 at近鉄花園ラグビー場)

◎京都産業大学
○大西健監督

「関西で唯一残っていただけに何とか頑張りたかった。「FWが優位に立たないと」と戦前から言ってゲームにのぞんだが、そのFWで明治に完敗した、これがすべて。

夏合宿でスクラムの要の長江が怪我をし、フッカーの後藤が1番に回り建て直しで頑張ってくれたが残念です」

○後藤キャプテン
「FW勝負になることはチームの全員がわかっていた。セットプレーで勝たないといけないのに完敗した。力の差がありすぎた」

――力の差とは。
○後藤キャプテン

「スクラムの差。そこで負けており対応できなかった。最初、レフリーから(スクラムが)内に入っていると指摘を受けたが最後まで修正できなかった。今シーズンで最強の相手だった」

――ラインアウトはさほど身長差がなかったのに取れなかったこと、またブレイクダウンでターンオーバーが多かったのは?
○後藤キャプテン

「最初は上手くいっていたのだが、明治が対応してジャンパーを1枚増やしてきた。こちらが逆にそれに対応できなかった。ブレイクダウンについては一人目が非常に激しく、受けに回ってしまった」

――関東勢との決定的な差は?
○大西監督

「決定的な差はブレイクダウンの激しさ、厳しさ、これが関東は数段上。これに対抗するにはセットでプレッシャーをかけていくことだが、逆に受けてしまった。答えは明白。

早稲田と戦いたかった気持ちは強いが、いろんな部分で足元にもおよばない。そこへ挑戦していくものを蓄えていかなければならない」

明治大学 29-0 京都産業大学   明治大学 29-0 京都産業大学

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◎明治大学
○藤田剛監督
「戦う気持ちと、集中力の継続をテーマに掲げてのぞんだ。振り返ってみて、1・2回戦を完封できた。これは対抗戦からの反省でディフェンスを修正した。また今日のゲームで思い切ったアタックでノッコンがあったが、このようにBKが思い切って前に出てくる意識をもってくれるようになった。
原点回帰でFWを強化したことがベスト4とうい形で戻ってきた」

○上野キャプテン
「1・2日回戦を零封し自信になったが、まだこれでは先では通用しない、もう一つ上を目指すなら、ブレイクダウンでもっとクリーンなボールが出るように精度を上げなければならない」

――ゴール前のペナルティでスクラムを選択したのは?
○上野キャプテン
「ファーストスクラムでいけるという感触があったのでスクラムを選択した。京産大はヒットが早いイメージがあったのでこちらも、早く仕掛けていくことで半歩前へ出られた」

――次の(準決勝の)慶大戦について。
○藤田監督
「引き分けた慶大にはきっちり借りを返さねばならないと思っている」
○上野キャプテン
「慶大とは春、対抗戦と2度引き分けており、もう一度当たる予感があった。今度は明治の強さを証明したい」

明治大学 29-0 京都産業大学   明治大学 29-0 京都産業大学

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