2027年10月からオーストラリアで開催されるラグビーワールドカップ(W杯)まであと1年に迫った。そんな中、今年も強豪4カ国が集い、9月12日から19日にかけて、「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2026」が東大阪市花園ラグビー場と秩父宮ラグビー場という東西の「ラグビーの聖地」で開催される。ラグビー日本代表は、今年はホームのファンの前で戦える環太平洋王者を決める大会で7大会ぶり4度目の王者を狙う!

◇今年のPNCは強豪4カ国が参加し、日本で開催される!
すっかり初秋の風物詩となっている国際大会「パシフィックネーションズカップ(PNC)」。今年は、すでにワールドカップ出場を決めている「ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」ことラグビー日本代表(世界ランキング12位)、フィジー代表(9位)、アメリカ代表(14位)、カナダ代表(24位)の計4カ国が参戦する。日本代表だけでなく、他の3カ国にとっても来年のワールドカップに向けて、連携や新戦力を確認するために価値のある大会となるはずだ。
9月12日に花園ラグビー場で、準決勝2試合(フィジー代表対カナダ代表、日本代表対アメリカ代表)、19日に秩父宮ラグビー場で3位決定戦と決勝戦が行われる。
日本代表にとって来年のW杯で同組となったアメリカ代表と激突するだけでなく、世界ランク的に順当にいけば、格上のフィジー代表にチャレンジできる絶好の機会となろう。
(昨年は決勝でフィジーに敗れ、PNCでは2019年以来、4度目の優勝を狙う日本代表)
伝統的に、オフロードパスを多用する変幻自在のラグビーを武器とするフィジー代表には2年連続PNCの決勝(14-41、27-33)で敗れている。
日本代表を率いるエディー・ジョーンズHCや選手たちは「何としても今年こそ優勝したい!」と意気込んでいる。第2期エディー・ジャパンとして初の国際大会のタイトルを獲得し、10月、11月のテストマッチ5連戦に向けて弾みをつけたい。
◇19回目のPNC、日本代表は2019年以来となる4度目の優勝を目指す!
PNCはコロナ禍の2021年、2022年を除いて、2006年から環太平洋の強豪4~6カ国を中心に競われてきたラグビーの国際大会だ。
2027年のワールドカップ予選を兼ねた昨年のPNCは、今年参戦する4カ国だけでなくサモア代表、トンガ代表も含めた6カ国が参加して開催された。
順位決定戦はアメリカで行われ、すでに2027年のワールドカップ出場権を得ていたフィジー代表と日本代表が決勝に進んだが、日本代表は決勝で敗れた。なおアメリカ代表、カナダ代表は昨年のPNCの成績により、来年のワールドカップの出場権を得ている。
フォーマットを徐々に変えながら行われてきた、ワールドラグビー主催のPNCは今年で19回目を迎える。日本代表は過去15回の大会に参加し、3度優勝(2011年、2014年、2019年)を果たしている。もし日本代表が今大会で優勝すれば7大会ぶり4度目の栄冠となる。
◇キャプテンはSH齋藤。SO伊藤、PR大塚の大学生2人や新戦力が選出された!
すでにPNCに向けて、日本代表スコッド34名(FW19名、BK15名)は8月27日から宮崎で強化合宿を重ねてきた。そして、PNCを前に、9月5日(土)、新潟・デンカビッグスワンスタジアムにおいて、「リポビタンDチャレンジカップ2026」でカナダ代表と対戦。日本代表はモール、スクラムで相手を圧倒し、9トライ中8トライをFWが挙げて57-12(前半31-7)で快勝した。
PNCを含めて、9月の3連戦の位置づけについて聞くと、ジョーンズHCは「ワールドカップまで約12か月という時期に入ってきたことは明らかです。すべての試合が成長し、(ワールドカップに向けて)スコッドを作り上げていく機会でもあります。選手たちにとっては、各国の代表チームを相手にインターナショナルラグビーを経験し、そのレベルでプレーする能力を高める機会になる」と話した。
34人のスコッドを見ると、昨年からキャプテンを務めていたLOワーナー・ディアンズ、100キャップ目前の37歳のベテランFLリーチ マイケル(ともに東芝ブレイブルーパス東京)など、一部の主力はコンディション不良などで不在となった。
(PNCでキャプテンを務めるSH齋藤)
ただ、30キャップを超える、アタックの要SH齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)が初めて9月の3連戦でチームのキャプテンを務めることになった。他にもHO原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)、PR竹内柊平、FL下川甲嗣(ともに東京サントリーサンゴリアス)、LO/FLジャック・コーネルセン、CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ら経験豊富な選手たちがメンバー入りしている。
「十分な経験とチーム愛がある」とジョーンズHCに名指しされたSH齋藤キャプテンは「チームとして、もちろんPNCで優勝することが目標です。そのゴールに対して、しっかりと毎試合チームを正しい方向に導くことが、キャプテンとしてもリーダーグループとしても必要なことだと思っています」と前を向いた。なお昨年までフランスでプレーしていたSH齋藤はPNC初参戦となる。
また夏のシリーズで、攻撃センス溢れるリードを見せたランニングSOの伊藤龍之介(明治大学4年)、ボールキャリーとスクラムが強みのPR大塚壮二郎(関西学院大学4年)の2人の大学生も引き続きスコッドに名を連ねた。SH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、WTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)らは、ケガなどから代表に復帰し今年初出場をうかがう。
他にもPR稲場巧(静岡ブルーレヴズ)、南アフリカ出身のLOルアン・ボタ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、FL武内慎(浦安D-Rocks)、SO武藤ゆらぎ(横浜キヤノンイーグルス)といった新戦力も選出されている。
◇課題を修正しつつ、まずは3年連続となるファイナルに進む!
(リポビタンDチャレンジカップ カナダ代表戦でトライを挙げるCTB廣瀬)
9月5日のカナダ代表戦で、ジョーンズHCは初キャップを得たWTBイノケ・ブルア(コベルコ神戸スティーラーズ)とPR稲場を除いて、7~8月に躍動した選手たちを起用した。当然、優勝を狙うPNCでも同様で、コアメンバーを中心に先発させていくことになりそうだ。
例えば、カナダ代表戦で、SH齋藤キャプテンとSO伊藤のハーフ団は6試合連続先発となった。その意図をジョーンズHCにたずねると「ラグビーは、チームとしての連係が非常に大きな意味を持つ競技です。ベストの選手たちが一緒にプレーし、一緒に戦う方法を学べば学ぶほど、チームは良くなります。チームの連係と一体感をさらに高めていきたい」と説明した。
(ハーフ団を務めるSH齋藤とSO伊藤)
ハイボールの競り合い、8月のオーストラリア代表戦で課題として露わになった接点の激しさと80分間を通しての一貫性、さらにカナダ代表戦で足りなかった相手陣22m内での決定力など、「ベスト4以上」を目標に掲げるワールドカップまでに積み上げていかなければならない点も多い。
ただ、PNCは負けたら終わりのトーナメント制の大会である。ジョーンズHCが「私たちが考えなければいけないのは(9月12日の)アメリカ代表戦です」と言えば、SH齋藤キャプテンも「一つ落とせば決勝に行けませんし、(アメリカ代表戦に向けて)どれだけ全員でフォーカスして臨めるかだと思います」と語気を強めた。なお日本代表は一昨年、昨年もPNCでフィジカルが武器のアメリカ代表と対戦し、2連勝(41-24、47-21)している。
(試合前のウォームアップ時のジョーンズHCとSH齋藤)
今年6月、ジョーンズHCは「私たちは、(今年の)PNCに勝ちにいきます。ファイナルに進んで、ファイナルで勝つことを目指します」と宣言していた。一つずつ目の前の課題を修正しつつ、年々、進化している「超速ラグビー」を見せて今年こそ頂点に立ちたい。そして10月から11月の強豪との5連戦、来年のワールドカップに向けて、初タイトルと大きな自信を得たいところだ。
いずれにせよ、まず日本代表はワールドカップの前哨戦となる準決勝のアメリカ代表戦にきっちり勝利したい。そして3年連続となる決勝の舞台で2019年以来の栄冠をつかみ、ホームのファンと歓喜を分かち合いたい。
(文:斉藤健仁)
◇「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2026」の試合スケジュール
前売りチケット絶賛発売中!
詳しくはこちら >>>https://www.rugby-japan.jp/braveblossoms/ticket/
9月12日(土)
会場:大阪・東大阪市花園ラグビー場
・準決勝① 16:00 フィジー代表 vs カナダ代表
・準決勝② 19:05 日本代表 vs アメリカ代表

9月19日(土)
会場:東京・秩父宮ラグビー場
・3位決定戦 16:00 準決勝①の敗者 vs 準決勝②の敗者
・決勝 19:05 準決勝①の勝者 vs 準決勝②の勝者





