来年10月1日からオーストラリアで始まるラグビーワールドカップまで1年を切った。9月の「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ(PNC)」でフィジー代表を下し、7年ぶり4度目の優勝を果たしたラグビー日本代表は、秋の強豪との5連戦を「ワールドカップの予行演習」と位置付けて臨む。その1戦目が10月24日(土)、「日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合」として開催される「リポビタンDチャレンジカップ2026」日本代表対フィジー代表だ。11月のリポビタンDツアーでの4連戦に向け、今年のホーム最終戦で勝利し勢いをつけることができるか。

◇100周年記念試合は男女日本代表テストマッチ共催に
ワールドカップ開幕まで1年を切った。「エディー・ジャパン」ことラグビー日本代表(世界ランキング9位)は今秋、テストマッチ5連戦が控えている。その初戦が10月24日(土)、東京・秩父宮ラグビー場で14時50分にキックオフされる「リポビタンDチャレンジカップ2026」日本代表対フィジー代表だ。
同日18時30分から、WXV Global Seriesの一戦となる女子日本代表対ウェールズ代表も行われる。男女日本代表戦が同日実施され、両試合は「日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合」として、男女とも白を基調とした100周年記念ジャージーを着用する。

2024年に日本代表の指揮官に再任し「超速ラグビー」を掲げるエディー・ジョーンズHCは10月5日、日本ラグビーフットボール協会が開いた100周年記念「感謝と未来のフォーラム」で、「今、私たちのチームがターゲットにしているのは来年のワールドカップです。自分たちのブランドを見せ続けて、そのブランドを進化させていくことに挑んでいます」と語った。
その言葉通り、過去2年は格上相手から白星を挙げられなかったが、今年7月の「ネーションズチャンピオンシップ」初戦で世界ランキング10位(当時)のイタリア代表を27-10で下し、9月にはフィジー代表(同10位)も破って7年ぶりにPNCタイトルを獲得するなど、着実に成長を遂げている。10月24日のホーム最終戦では、フィジー代表に2連勝を狙う。
(フィジー代表戦でトライを決めるFLベン・ガンター)
◇BKに初の日本代表入りが3名。新戦力に期待大!
(明治大4年SO伊藤、後ろは関西学院大4年PR大塚、右はSH齋藤)
秋のテストマッチシリーズに向け、日本代表は10月11日から22日まで大分・別府で合宿を敢行。合宿には36名(FW19名、BK17名)が参加した。今夏から代表入りしているPR大塚壮二郎(関西学院大4年)、SO伊藤龍之介(明治大4年)の大学生2人が引き続き選ばれた。一方、97キャップで日本代表として前人未踏の100キャップに迫っていたFLリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス武蔵)はコンディション不良で不参加となった。
コアメンバーが固まりつつあるFWは、8月のオーストラリア代表戦までキャプテンを務めたLOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス武蔵)が再び選出。PR紙森陽太、PR為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)らもコンディション不良から復帰した。PR木原三四郎(東京サントリーサンゴリアス)、LOルアン・ボタ(スピアーズ船橋・東京ベイ)が初キャップをうかがう。
BKは、9月のPNCで初めてキャプテンを務めたSH齋藤直人(東京サンゴリアス)、CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニック ワイルドナイツ)、FB松永拓朗(東芝ブレイブルーパス武蔵)らが順当に選出された。
一方、SO小村真也(トヨタヴェルブリッツ)、WTB石田吉平(横浜キヤノンイーグルス)がコンディション不良から復帰。CTBチャーリー・ローレンス(三菱重工相模原ダイナボアーズ)、WTB根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)は今年初招集となった。
(アジア競技大会から抜擢されたWTB時任)
さらにBKにはノンキャップの新戦力が3名加わった。JAPAN XVに参加していたSO北原璃久(栃木ホンダヒート)とCTB李智寿(朝鮮大学校4年)の2人が初の代表入り。アジア競技大会で7人制ラグビー日本代表として銅メダル獲得に貢献したWTB時任凜空(東芝ブレイブルーパス武蔵)も初選出された。
WTBについてジョーンズHCは「(現在のスコッドに加えて)本物のスピードを持った選手をもう1人見つけたい」と言い、アジア競技大会を現地視察。その上で、本来CTBの時任をWTBとして抜擢し「スピードはまあまあ。センスがいい」と期待を寄せた。
時任は「(指揮官に)スピードでチームにコミットし、取り切る力を発揮してほしいと言われています。もっとスピードを上げて、フィジー代表戦で活躍できるよう頑張っています」と意気込んでいる。
◇秋の5連戦は「ワールドカップの予行演習」。初戦勝利で欧州遠征へ弾みを
別府合宿初日のミーティングで、ジョーンズHCは選手たちに「秋の5試合はワールドカップの予行演習だ」と伝えたという。100周年記念試合となるフィジー代表戦を皮切りに、11月の「リポビタンDツアー2026」では、7日にウェールズ代表(同11位)、14日にイングランド代表(同5位)、21日にスコットランド代表(同6位)、27〜29日のいずれかに欧州6カ国の強豪と激突する。
格上の強豪を相手に、高い強度で臨む秋の5連戦を、来年のワールドカップの予選プール3試合、そして決勝トーナメント1回戦、準々決勝……と実際にイメージしながら戦っていく、という形だ。
(攻撃を引っ張るSH齋藤)
攻撃のタクトを握るSH齋藤は「(ジョーンズHCに)1年後のワールドカップを想定し、そのイメージを持つ秋にしよう、と言われました。まったく同じではないですが、ワールドカップを経験していないメンバーにとっては、連戦の中でどうコンディションを整えるのか、移動も含めて実際に経験することがすごく大事です。とにかくフィジー代表に勝ちたいですし、勝たなければならない。2連勝して、自信を持って欧州に行けたら大きいですね」と話した。
(7月イタリア代表戦に出場した石田吉平)
スピード自慢のWTB石田も「(日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合は)今の僕たちにしかできない。100周年の思いを背負いながら、しっかり勝利を得られるように、そして11月へ弾みをつけられるように、しっかり準備して取り組んでいきたい」と言葉に力を込めた。
◇3年目のエディー・ジャパン。進化した姿を見せてホーム最終戦を白星で飾りたい
今秋、フィジー代表に動きがあった。2007年ワールドカップで南アフリカ代表を優勝に導き、トヨタヴェルブリッツでも指揮したジェイク・ホワイトHCが新たに就任。オフロードパスを交えた変幻自在の攻撃に加え、セットプレーやディフェンスを強化し、9月のリベンジに燃えているはずだ。
(モールの練習に精を出すFW陣)
ただ、日本代表FWの中軸LOディアンズは「ラインアウトやモールなどPNCで良かった部分をさらに強化することにフォーカスしています。今年最後のホームゲームですし、フィジー代表は新ヘッドコーチ就任でやる気満々ですが、勝ちたいですね!」と語る。
スクラムが武器のPR紙森も「フィジー代表はFWの強度が高い。そこへの対応がキーとなると思います。セットプレーで勢いを出すのがFWの仕事です。9月の対戦もスクラムで勝てていたと思うので継続してやっていきたい」と語気を強めた。
日本代表は9月同様、スクラムやラインアウトなどのセットプレーと、激しいディフェンスでプレッシャーをかけつつ、好機で確実にトライを重ねたい。日本代表とフィジー代表の対戦成績は5勝17敗。もし日本代表が2連勝すれば、1994年5月以来2度目となる。
(練習を見つめる、ジョーンズHC)
ジョーンズHCは来年のワールドカップで見せたいラグビーについて聞かれて「熱量の高いラグビーで、観客が思わず身を乗り出すような試合を届けたい。次世代の若い人たちがラグビーをしたいと思うきっかけを作りたい」と語った。もちろん今秋の「ワールドカップの予行演習」の初戦となる、今年のホーム最終戦でも同じ思いがあるはずだ。
ワールドカップまで1年を切った今、100周年記念ジャージーをまとったエディー・ジャパンは進化した姿を見せて、フィジー代表に2連勝して再びホームのファンと歓喜を分かち合いたい。
(文・斉藤健仁)
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「リポビタンDチャレンジカップ2026」
男子日本代表 vs フィジー代表、女子日本代表 vs ウェールズ代表
(日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合)
■日程:2026年10月24日(土)
14:50キックオフ 男子日本代表 vs フィジー代表
18:30キックオフ 女子日本代表 vs ウェールズ代表
■会場:東京・秩父宮ラグビー場


