5回目となる女子ワールドカップが、カナダのエドモントンで、8月31日から9月17日までの日程で開催されました。9月12日の準決勝から試合を観戦し、また14日に行われたWomen's Informal Forum にも出席し、現在の各国女子ラグビーの情報を交換し合い、これからの課題についても話し合うことができました。

まず準決勝は、ニュージーランド vs フランス、イングランド vs カナダの間で行われました。ニュージーランドはフランスに対し危なげない試合をし、40対10で完勝。イングランドとカナダの試合は、カナダが最後まで食い下がりましたが、結局20対14でイングランドが勝ち、前回大会と同じ、ニュージーランド vs イングランドという決勝戦となりました。
また3位決定戦も同様に、フランス vs カナダという対戦となり、5位決定戦のアメリカ vs スコットランドの試合とあわせて3試合が17日Commonwealth Stadium (4万人収容)で行われました。気温は2℃と観戦には大変厳しい状況の中、素晴しい試合が繰り広げられました。

NZ とイングランドの決勝戦は前半10対3でNZ がリード、後半すぐNZ がトライをして15対3となりましたが、その後イングランドがスクラムの認定トライをし、15対10 となり試合が拮抗してきました。次にNZ がトライをし 20対10 となりましたが、イングランドも負けずにトライ、コンバージョンも決め20 対17 となりロスタイムに入りました。
まだイングランドに勝つチャンスはあったのですが、オフサイドの反則をしてしまい万事休す。NZがコーナーぎりぎりに最後のトライを決め25対17 で三連覇、2001年から負けなしという記録でワールドカップは終了しました。この決勝戦は本当に素晴しく、ディフェンス、アタックとも見ごたえがありました。NZのSO、Anna Richardさんは第1回目のワールドカップから出場していますが、判断、パス等ため息が出るほどのプレーをし、今大会のNo.1 のスタンドだと感じました。

3位決定戦は、パス、走力、キック力をもったBK をそろえたフランスが 17対8でカナダに勝ち、5位決定戦はアメリカが24対0でスコットランドに完勝しました。
7位決定戦は、オーストラリアが 18対14でアイルランドに勝ち、9位決定戦はスペインが10対5でサモアに勝ち、11位決定戦はカザフスタンが初出場の南アに36対0で勝ちました。6カ国対抗でもまれている、アイルランド、スペインは試合運びが上手く、またここぞという時の集中力も見事でした。

女子ラグビーを取り巻く環境では、イングランドが別格で、競技人口12,000人、フルタイムのスタッフが16人もいて、また資金についても十分なサポートが得られています。ボランティアでないスタッフがいるのはイングランドだけであり、あとの国は資金的なサポートについてもかなり厳しい環境です。アジアや南ア、そしてサモアなど、試合をしたいと希望しても、資金面で苦労されています。

2009年のセブンズ ワールドカップについては、来年2月に会議があり、参加国の枠組みが話し合われますが、日本はセブンズも、また15人制も出場したいと考えて活動しています。

(女子部門長 岸田 則子)