マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

法政大学 28-64 天理大学
【セカンドステージ 2014年12月21日(日) /奈良・天理親里ラグビー場】
第51回全国大学ラグビーフットボールセカンドステージ第2戦は、天理親里ラグビー場で初戦を朝日大学に快勝した法政大学と、初戦、帝京大学に1敗の天理大学という対照的な対戦となった。
法政大学のキックオフで試合が始まる。法政大は前半開始間もない7分、ペナルティーで得た敵陣22m付近のラインアウトからモールを押し込み、その後ラックサイドを突いた13番大塚がゴールポスト下へトライ、ゴールも決まり7 - 0とする。天理大は法政大陣に攻め込むも小さなミスで攻撃を継続できず苦しい展開。しかし、16分ゴール前の法政大の攻撃を強烈なタックルで守り切った天理大がそこから粘り強くつなぎ、11番森川が左中間にトライし5点を返す。
天理大は法政大の執拗な縦の攻撃にペナルティーを重ね、20分、再びラインアウトモールから2番小池にサイドを抜かれ左中間にトライを許す。ゴールも決まり14 - 5と離されるが、その後しばらく一進一退の攻防が続く。
前半も残り少ない38分、天理大は自陣10m付近からの攻撃で13番ケレビがタッチライン際を40m独走し右隅にトライ。ゴールこそ決まらなかったが14 - 10とする。これで波に乗った天理大は前半終了間際にも右ライン際を攻め、大きくゲインした後左に広く展開し、最後は11番森川、15番東口とつなぎ左隅にトライ。ゴールも決まり14 - 17と逆転して前半を終了した。
後半に入っても前半の勢いがそのままの天理大学は13番ケレビの突破からチャンスを広げ、3分には7番コロイブニラギがポスト右へ。さらに5分には12番白井がポスト下へトライ。ともにゴールも決まり14 - 31と得点を重ねる。これに対し法政大は9分に天理大ゴール前に迫り、モールを押し込み5番川地が右中間にトライ。ゴールも決まり21 - 31と反撃する。法政大はサイド攻撃や近場での突破を図るが天理大はこれを守り、逆に大きく展開しこの後も得点を重ねる。14分には自陣10m付近からの攻撃で13番ケレビがディフェンスをかわしそのままポスト左へ、18分には9番藤原が右端へ得点する。29分に法政大3番越田が左中間にトライを返すも反撃はここまで。天理大は33分に15番東口、36分に23番金丸、37分には13番ケレビがこの日3本目のトライを挙げて28 - 64と法政大を振り切り快勝した。
会見リポート
 

監督・キャプテン
法政大学の谷崎監督と小池ゲームキャプテン

法政大学

○谷崎重幸監督

「お世話になりありがとうございました。今シーズン、法大として結果的に最悪の出来となった。走るチームが走り負けてしまった。接点からのスピードが違っていたと思う。やろうとしていたことが出来ないことが今の実力かなと思った」

──前半、拮抗した戦いだったが、後半選手達にどのように指示したのか?

「前半最初のトライ、フォワードで優位に立てて先制したが、前半、最後に外、外と振られてトライを獲られた、天理に走ればいけると思われたと思う。
ハーフタイムに走るラグビーで負ければゲームメークができなくなるので走り切ろうと、横にだけでなく、縦に出ることを意識してパスを出すと言っていたが、後半4分、5分と続けてトライを獲られて相手に火をつけてしまった」

○小池一宏ゲームキャプテン

「前半はお互いに緊張もし、ミスもあり拮抗していたが、後半は自分達のラグビーを相手にやられてしまった。天理はチャンスでトライを獲り切ったが、自分達はできなかった」

──今日の試合は負けてしまったが、残り一試合帝京大に向けての意気込みは?

「自分達のやってきたラグビーを最後まで信じてぶつかって行きたい」

 

監督・キャプテン
天理大学の小松監督と斎藤キャプテン

天理大学

○小松節夫監督

「今日は法政大相手で、我々としては「打倒関東」を意識してゲームに臨んだ。我々の強みであるディフェンスをしっかりして、ボールを動かして点が取れるかとチャレンジしていた。前半の最後にトライが獲れたが、後半は機能して最後に点を重ねることができ、良いゲームだったと思う」

──関西勢が今日で次のステージに進むことができなくなったが、選手権をどのように考えていますか?

「日本一を目指す中で帝京大に負けた時点でファイナルステージはないと思った。関東リーグ3位と関西リーグ4位と同レベルでの戦いで、中身を見ても関東に十分対抗できると思っている。関西勢はファイナルステージに進出することができず、残念ですが、少しずつ縮まっていると思う」

──今日のケレビ選手の評価は?

「リーグ戦の最終戦に調子が上がってきて、彼のいいところが出て、いいパフォーマンスをしてくれたと思う」

○斎藤遼太郎キャプテン

「今日の試合は小松監督も言っていた「打倒関東」でチャレンジすることを意識して臨んだ。前半は受けてミスもしたが、後半は修正する事ができ勝つことができたと思う」