サントリーが神戸製鋼を退け準決勝進出
帝京大の健闘及ばず東芝もベスト4へ

 

15日、東京・秩父宮ラグビー場で第52回日本ラグビーフットボール選手権大会2回戦2試合が行われ、サントリーサンゴリアスが神戸製鋼コベルコスティーラーズに22-10、東芝ブレイブルーパスが帝京大学に38-24でそれぞれ勝利し、4強入りを決めた。

同・準決勝は22日、大阪・近鉄花園ラグビー場でヤマハ発動機ジュビロ対東芝(13:10)、サントリー対パナソニック ワイルドナイツ(15:05)の対戦カードで行われる。

text by Kenji Demura

「第52回 日本ラグビーフットボール選手権大会」
第1試合ではリーグ戦では2戦して2敗だったサントリーが神戸製鋼に対して見事にリベンジを果たしてみせた。
「この1週間、チーム全員が勝ちたいという気持ちを出して、いい準備ができた」(LO真壁伸弥主将)というサントリーが試合開始からボールキープしながら攻め続けて、3分にラックからボールを持ち出したSHフーリー・デュプレアが神戸製鋼ディフェンスの穴をついてインゴールに飛び込み先制。

この日の秩父宮も強い北風が吹き付けていたが、前半風上だった神戸製鋼が6分にモールから、25分にはSH佐藤貴志のショートパントとCTB大橋由和の好キャッチからSO山中亮平という2連続トライでいったんは10-7と逆転するが、サントリーも35分にSOトゥシ・ピシがPGを決めて、10-10の同点で前半を折り返した。

「前半風下で全員が我慢強くプレーできたこと」
サントリーの大久保直弥監督は、試合後の記者会見でそう勝因を語ったが、後半に入ると風上に立ったサントリーのいい面ばかりが目立つようになり、4分にFLヘンドリック・ツイ、27分にPR垣永真之介と、トライを重ねて22-10に点差を広げて、リーグ戦でのリベンジを果たすとともに準決勝進出を決めた。

試合写真

先制トライを奪うなど完全復活SHデュプレアの活躍もあって神戸製鋼を22ー10で下したサントリーがパナソニックへの挑戦権を得た

photo by Kenji Demura (RJP)
第2試合は1回戦でNECグリーンロケッツを倒した帝京大がトップリーグ4強に挑んだが、受けて立った東芝が開始3分のSH小川高廣を皮切りに25分までに3連続トライを奪って21-0とリード。
そのまま東芝が圧倒するかと思われたが、帝京大も前半終了間際に途中出場のCTB濱野大輔がトライを返して迎えた後半はむしろ優勢に試合を進める時間帯が多くなる。

東芝も3トライを加えたが、帝京大は15分に尾崎晟也、27分、36分に磯田泰成と、大学選手権やNEC戦でも決定力を見せていたWTBがトライを決める。
後半のスコアでは19-17とリードするなど、地力の高さを秩父宮の観客席を埋めた1万4,000人以上のファンに植え付けた帝京大だったが、2週続けてのトップリーグ打倒は果たせず、最終スコアは38-24で東芝が振り切った。

「自分たちの力を出して余裕を持ってプレーできれば勝てる」
帝京大の岩出雅之監督はそう選手を送り出したというが、間違いなく最強の学生集団はトップリーグ4強チームと互角以上に渡り合えていた部分も少なくなかった。
「今は悔しい思いしかない」(SH流大主将)という卒業生たちが残した財産はHO坂手淳史新主将率いる新チームが率いていくことになる。

一方、「後半は次の試合を考えた」(冨岡鉄平ヘッドコーチ)部分もあったという東芝だが、「前半の3トライは満足。ただ、その後1本取られたところが甘さ、今のままではチャンピオンシップは取れない」(同HC)と、日本選手権制覇に向けて収穫と課題が出た試合だったという認識を示していた。

試合写真

FWの力強さでは帝京大を圧倒した東芝。ヤマハ発動機との準決勝へ向けて成果と課題両方が明らかになる試合となった

photo by Kenji Demura (RJP)
試合写真

後半はWTB磯田のトライなどでスコアで東芝を上回った帝京大。SH流主将は「財産を生かしてくれるはず」と来季のさらなる飛躍を語った

photo by Kenji Demura (RJP)