マッチリポート 第51回 全国大学選手権大会

早稲田大学 39-15 立命館大学
【セカンドステージ 2014年12月14日(日) /大阪・近鉄花園ラグビー場】
第51回全国大学ラグビーフットボール選手権大会、セカンドステージの第一戦は、近鉄花園ラグビー場で、早稲田大学と立命館大学の試合で開幕した。早稲田大は、対抗戦の終盤から調子を上げ、明治大との最終戦ではジャパンの藤田が復帰し、最高の状態で大学選手権を迎える。一方、立命大も同志社大に負けはしたが、ディフェンスからアタックを復活させる手応え掴んだように思える最終戦だった。
早稲田大CTB小倉順平のキックオフで試合が始まる。前半7分、先制したのは立命大。22mライン中央からSO宗像仁がドロップキックを成功させる。0 - 3。12分、早稲田大、右中間25m付近からCTB小倉がペナルティキック成功、3 - 3。
21分、立命大、中央10m、SO宗像がペナルティキックを成功、3 - 6。28分、早稲田大が中央22m付近のスクラムから右に展開し、No.8佐藤穣司からSO横山陽介に渡りWTB荻野岳志が右隅にトライ、CTB小倉がゴール成功、10 - 6。31分、立命大が再びSO宗像がペナルティキックを成功、10 - 9。32分、早稲田大、WTB深津健吾が自陣右中間から敵陣まで一気に駆け上がり左隅にトライ、ゴール不成功、15 - 9。前半終了。

後半3分、立命大が22m中央からSO宗像がペナルティキックを成功、15 - 12。8分、立命大10mのドロップゴールを再びSO宗像が成功、15 - 15。立命大のディフェンスを崩すことが出来ず苦戦していた早稲田大は、14分、ゴール前10m中央ラックからSH岡田一平からSO横山に渡り最後はWTB深津が右隅にトライ、ゴール不成功、20 - 15。21分、再び早稲田大が左中間5mラックからLOキャプテン大峯がゴールポスト左にトライ、ゴールもCTB小倉が成功、27 - 15。リズムに乗った早稲田大は、得意の展開ラグビーで、31分、37分と連続トライを獲り、39 - 15でノーサイド。

早稲田大は、先週の早明戦の勢いがなく淡泊な試合運びとなったが、終盤からは、個人レベルの高さを遺憾なく発揮し、次の試合では間違いなく修正してくると思われる。負けはしたが、立命大は、低いタックルとディフェンスも改善されており、次戦に期待したい。

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(c) photo by M.Noguchi
会見リポート
 

監督・キャプテン
早稲田大学の後藤監督と大峯キャプテン

photo by H.Murashima

 

早稲田大学

○後藤禎和監督

「大学選手権の予選リーグ第一試合、先週明治にいい形で勝った勢いを持ち込んで今日だけでなく残り5試合、決勝までに繋げる第一歩をいい形で入りたかった。少し固かったのか、「淡泊」だったと思う。そこを立命の気持ちの入った勢いに付け込まれてしまった。ミスとペナルティを重ねて、相手に得点を許すミスをしてしまった。後半の中盤まで接戦に持ち込んでしまったことを大いに反省している」

──後半の作戦的な指示は?

「上手く行かなかったことは、アタックでのサポートの遅れとディフェンスのところも良いセットでの押上ができていなかった、この2点だ」

──早明戦の後は余り良くないが、想定内か?

「今日は想定外だった。選手の疲れもあったと思うが、昨年もそうだったが、関西勢はいろいろなパフォーマンスを見せてくる。昨年も同じパターンだったと思う。立命はディフェンスが安定しているし、接点でも激しいし、素晴らしいチームだった」

○大峯功三キャプテン

「試合の入りも含めて、後半の途中まで自分達のラグビーが出来なかった。監督が言ったように一つ一つの精度も低く自分達のプレーが出来なかった。今週の練習内容をもっと厳しくやっていたらと思う。来週からしっかりやりたい」

──後半同点に追いつかれた時、グラウンド内での選手達はどうだったか?

「選手間では余裕をもってやろうと言っていた」

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(c) photo by M.Noguchi
 

監督・キャプテン
立命館大学の中林監督と西村キャプテン
photo by H.Murashima

 

立命館大学

○中林正一監督

「関西リーグが終わり一週間で大学選手権、一戦目での早稲田大に決まり、関西リーグで不足していたところをフォーカスして早稲田に対していい準備が出来たと思う。ゲームの方は、あまり、早稲田、早稲田と思わずに自分達のプレーをしようとアタックはキックを使ってと考えていたが、前半キックは上手く行かなかったが、ディフェンスは対応できて良かった。後半早稲田がアタックを変えたところで対応できず、自分達の足が止まったところが残念な敗戦だった。来週も対戦があるので勝てるように頑張りたい」

──一週間しかなかった、早稲田の具体策は?

「早稲田のバックスに藤田が入り、センターに小倉が入っての早明戦を観て、早稲田のチーム力は上がったと感じた。カウンターアタックのディフェンスをしっかりして、キックを使って相手の強みに攻め込んで、ディフェンスでリズムを崩したかった。前半キックから一本獲られたところで、一週間では対策は難しいと感じた。一年間続けないと大学のトップには通用しないと思った」

○西村颯平キャプテン

「早稲田にしっかりフォーカスして今週練習をしてきた。キックを中心に攻めて、前半は自分達の流れで良いプレーもあった。後半も良いリズムを掴みかけたが、相手のキーマンである藤田、荻野のところで後手に回って点を獲られた。そこで立て直しが出来ず、相手にズルズルと行かれてしましたと感じている」

(記事:玉川育夫、蜷川善夫 写真:野口美保 広報担当:村島博)