大学選手権決勝(1/7)マッチレポート(帝京大学 21-20 明治大学)

史上最多の9連覇を狙う帝京大と21年ぶりの王座奪回を目指す明治大の決勝戦は、快晴の秩父宮ラグビー場に20、489人の多くのラグビーファンが駆けつける中でキックオフ。

 

 

試合前のアップからこのゲームにかける明治大の気迫が、キックオフ以降、スタンドの熱気を支配した。開始7分、帝京大がグラウンド中央でFWのタテ攻撃から、順目のタッチライン際を攻めるパターンを待っていたかのようにCTB梶村祐介がインターセプト。そのまま50メートルを走り切り先制トライ(0-5)。

 

15分には、ラインアウトのクリーンキャッチからグラウンドを広く使っての15人アタック。WTB高橋汰地がCTB梶村祐介からのロングパスを受けて快走し、バッキングする帝京大のタックルを跳ね飛ばしてトライ(7-10)。

 

26分には、ラインアウトからモールと見せて、一気にサイドを突破。帝京ゴール前でFWの連続攻撃から、SH福田健太が飛びこんでトライ(7-17)。

 

この前半、明治大の攻撃のテンポは、帝京大DFがセットする時間を奪い続けた。SHからFWのランナーでの攻撃。その裏側でのBKのアタックにも、多彩なオプションでタックラーの的を絞らせない。フロントローを含めた15人のアタックでは、フロントラインでのタテとヨコの動き。さらにはショートパスからのオプション。セカンドラインとの表裏のタテの深さを自在に使うバランスの良さが、明治大BKのランニングスキルを引き出し、再三タッチライン際のスペースを突破して帝京大DFを背走させた。

 

帝京大は後半立ち上がりもペースを取り戻せない。

 

ハーフタイム後、先にグラウンドに現れたのは帝京大。ポイントゲッターのFB尾崎晟也の表情が険しい。

 

後半も明治大の攻撃は冴え、SO堀米航平のPGで最大の17点差までリード。

 

しかし、帝京大の時間がついにやってくる。

 

後半15分、ラインアウトのモールからFWが攻撃を開始、ゴール前に迫る。堀越康介キャプテンを先頭に決死の連続攻撃。最後はLO秋山大地が明治大FWを切り裂いた(14-20)。ゴール前でのワンチャンスに一気に取りきる集中力は見事。

 

続く20分、それまで良く耐えた明治大DFがついに外側を破られる。決定力のある帝京大バックスリーへの対応に隙を与えなかったが、少し足が止まった。

 

帝京大BKの縦横無尽のランニングから、最後はCTB岡田優輝がフィニッシュ。

WTB竹山晃暉のゴールが成功し、ついに逆転(21-20)。

 

激闘の決勝戦。1点差の薄氷の勝利。

 

しかし、観衆に残ったものは、点差以上の帝京大の強さ。連覇の力だった。

 

この日は明治大の攻撃に苦しんだが、最後はタックルの強さからブレイクダウンを支配し、相手の攻撃を断ち切った。リードされても動じない。あせらない。

 

苦しい時にこそゲームを楽しめる強さこそ、この一年の帝京大が目指してきたものだという。

 

来年の10連覇への夢の舞台が、また始まる。帝京大の連覇に立ちはだかるチームはどこか。大学ラグビーの魅力は、まだまだ尽きない。

(照沼 康彦)

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