攻守に進歩した姿を福岡のファンの前で披露
1万人超の大観衆の下、ウルグアイに快勝
22日、福岡・レベルファイブスタジアムでリポビタンD チャレンジカップ 2015第2戦、ウルグアイ代表との第1テストマッチが行われ、日本代表は前半10分のNO8ツイ ヘンドリックを皮切りに計3トライを挙げて30−8で快勝。
7月18日のパシフィック・ネーションズカップ(PNC)2015のカナダ戦以来5試合ぶりに勝ち星を挙げ、ラグビーワールドカップ(RWC)2015に向けて勢いをつけた日本代表は、29日、WC 2015開幕前に国内で戦う最後の一戦となるリポビタンD チャレンジカップ 2015第3戦のウルグアイ代表との第2テストマッチを戦う。

「4試合連続で負けていたが、でもそれほど内容は悪くなかった。だから、今日はご褒美。1万人の観客の前で勝てたのは喜ばしいこと。我々が進歩し続けていることを示せたと思うので、胸を張って宮崎に戻り、またハードトレーニングをしていく」
ラグビーワールドカップ(RWC)2015開幕まで、残り1ヶ月弱。
9月1日のイングランドへの出発前に国内で戦える最後の2試合でもあるであるリポビタンD チャレンジカップ 2015のウルグアイ戦を見届けようと福岡・レベルファイブスタジアムに集まってくれた1万人を越えるファンの前で見せた5試合ぶりの日本代表の勝利。
エディー・ジョーンズヘッドコーチはプレッシャーもある中で勝ち切ってみせた選手を素直に讃えた。
ワールドラグビーの世界ランキングでは19位のウルグアイはPNCで敗れたアメリカ(16位)、フィジー(9位)、トンガ(10位)よりやや力が劣ることも予想されていたが、そこはRWCに勝ち上がってきたチーム。
粘り強く日本の長所を消すような戦い方をしてきた。
「ウルグアイはいいディフェンスをした。14人がディフェンスラインにいたし、ブレイクダウンも厳しかったし、ボールもスリッピーで豪雨の中でのプレーのようだった」(同HC)
立ち上がりから、日本がボールキープを続けて攻める時間帯が続いたが、湿度でボールが滑りやすかったことや「ボールめがけて思い切ってトップスピードで入り過ぎた」(FLリーチ マイケルキャプテン)という面も影響してのハンドリングエラーで、中々チャンスをものにできない。
前半6分にFLリーチキャプテンがウルグアイゴールに迫ったが、課題であるブレイクダウンでの2人目の寄りが遅く、ノット・リリー・ザ・ボールでチャンスを失う場面もあった。
「ボールキャリー、パスで勢いをつけられなかった。そういう場合はもっとキックを使う必要がある」
試合後、ジョーンズHCは「もっと有効なキックを使ったゲームメイクをしていくことが必要だ」と説いたが、実際、日本の最初のトライは敵陣深くへのキックで相手にプレッシャーをかけて得たマイボールラインアウトから生まれた。
SO立川理道が縦に突破してつくったラックからリーチ、ヘイデン・ホップグッド、ツイ ヘンドリックとつないで先制トライ(前半10分)。
双方が1PGずつを決めて、10−3で迎えた前半32分には、再び立川の突破でウルグアイゴールに迫った後のラックから、いいコース取りで走り込んできたHO堀江翔太にいいタイミングでパスが通り、そのままインゴールに飛び込んでリードを広げた。
前半終了間際に自陣深くのスクラムが不安定になった後、こぼれ球からのラッキーバウンドが受け取ったかたちとなったウルグアイのSHアグスティン・オルマエチェアからWTBヘロニモ・エチェベリへとボールをつながれてトライを返され、17—8で前半は終了した。

「規律とブレイクダウンがよくなった」(リーチ主将)
後半は得点チャンスには確実にFB五郎丸歩のPGで加点し、25分にはモールを押し込んでリードを広げる一方、何度かウルグアイに自陣深くまで攻め込まれる場もあったが、粘り強く守ったディフェンスも進化を感じさせた
ジョーンズHCは前半、不安定な面もあったスクラムに関して、後半、渡邉隆之、垣永真之介という若手両PRが入ってから「良くなった」。
一方、リーチキャプテンは「PNCからの反省の部分である規律とブレイクダウンのところがよくなった」と、チームが課題を修正しながら着実に成長していることを訴えた。
最終的には30−8にまで点差を開いての快勝となったウルグアイ代表との第1テストマッチ。
「最後の31人に残るための貴重な機会」(エディー・ジョーンズヘッドコーチ)と位置づけられ、RWCスコッド入りへ最後のアピールの場という側面もったが、前述の若手PR陣をはじめ、インパクトある活躍をしてみせた選手も少なくなかった。
「渡邉はいつもとは違うサイドからのスクラムにも対応。ボールキャリーにも積極的だった。ゲームへのアプローチがいい。内田(啓介=WTB)も限られたオポチュニティをうまくやりこなした。藤田(慶和=WTB)もエネルギッシュ。いま動きがいい。自分をワンステップ上に押し上げた」というのが、ジョーンズHCの若手に対する評価。
一方、シニアプレーヤーに対しても、「堀江は首の手術以降のベストパフォーマンスだった。リーチはいいフォームになっていた。ヘンドリックス(ツイ ヘンドリック)も素晴らしかったし、均ちゃん(LO大野均)も37歳とは思えないパフォーマンスだった」と、概ね高評価を与えた。
「1万人がワールドカップのように声援を送ってくれた。日本のラグビーにとって良い夜だった」
地元の高校生が日本代表のジャージーを着てPR活動をするなどして盛り上げたこともあり、大観衆の熱い声援のもと行われた福岡でのウルグアイ代表とのテストマッチで、PNC時よりも一歩前進した姿を見せた日本代表。
東京での第2テストではさらに進化した姿を披露して、イングランドに向けて旅立ってくれるだろう。
text &photo by Kenji Demura
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