第3日

■決勝 3月30日(日) 16:36<日本時間: 3月30日(日)17:36> キックオフ
日本
26
19-0
5
イタリア
7-5

過去2年、ここ香港で跳ね返されてきたコアチームの壁を、セブンズ日本代表がついに越えた。30日に香港スタジアムで行われた香港セブンズ(HSBCセブンズワールドシリーズ2014-2015 コアチーム昇格決定大会)の決勝戦。日本はイタリアに26-5で快勝し、来季からのコアチーム昇格を決めた。

イタリアは、アジアで何度も日本と死闘を繰り広げてきた香港を準決勝で下している。ヨーロッパのチームらしくフィジカリティーでは日本を上回る。しかし、セブンズ日本代表は相手の強みを出させることなく、開始直後から試合を支配した。

坂井の絶妙のキックオフを空中戦のスペシャリスト桑水流がタップして確保。ここからボールをつないで、開始29秒で早くも桑水流が左すみに飛び込んだ。さらに、1分後も桑水流が抜け出して連続トライ。6分には坂井が続き、前半で19-0と大きくリードを奪った。

2年前の香港セブンズでは、前半に22―0と一方的な差をつけながら、後半に4連続トライを許して22―26で大逆転負けを喫したこともあった。しかし、今のセブンズ日本代表はそこから大きく成長した。後半開始48秒、替わったばかりの福岡が持ち前のスピードを活かしてロングゲイン、一気に相手インゴールを陥れる。坂井のゴールも決まって26-0と決定的なリードを奪った。

その後、イタリアに攻められる時間帯もあったが、ディフェンスに自信を持つチームは決してあわてなかった。タックルを簡単にはずされたり、飛び出してしまったりせず、しっかりと止め続け、イタリアの得点を終了間際の1トライのみに押さえ込んだ。

「選手個々の一番良いところを最大限出した試合だった。つる(桑水流)さんが一人でキックオフをとり、パワフルな外国人選手が突破し、スピードのある選手が仕留めてくれた」と坂井キャプテン。坂井、桑水流らベテランのセブンズ選手から藤田、福岡ら若手まで様々な個性をもった選手がうまく噛み合った。そして、坂井キャプテン、瀬川ヘッドコーチが異口同音に強調したことが、これまで一緒に戦ってきた仲間の存在だった。「こんな素晴らしい舞台に立てたのも、もっと過酷な環境のアジアシリーズを一緒に戦ったメンバーがいたから。彼らを忘れてはならない。全員で勝ち取った優勝だと思う」と坂井。瀬川ヘッドコーチも「アジアシリーズを戦った選手、これまで一緒に練習してきた選手、全員の勝利だと思う」と話した。

「コアチーム入りを果たして、これはまだスタートだが、日本のセブンズにとって本当に大きい一歩だと思う」と瀬川ヘッドコーチ。このコアチーム昇格大会に優勝したチームは今シーズンのHSBCセブンズワールドシリーズの第8戦・スコットランド大会「グラスゴーセブンズ」と最終戦となる第9戦・イングランド大会「ロンドンセブンズ」に招待されることがIRBから発表された。来シーズンを待つことなく、セブンズ日本代表が世界の舞台に立つ。

男子セブンズ日本代表「香港セブンズ」マッチレポート
 
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■準決勝 3月30日(日)12:56 <日本時間: 3月30日(日)13:56>キックオフ
日本
19
7-14
14
ロシア
7-0
5-0

2014-2015年シーズンのHSBCセブンズワールドシリーズのコアチーム入りを目指して香港セブンズに出場しているセブンズ日本代表は大会最終日の30日、サドンデスの延長にもつれ込んだ準決勝でロシアを19-14と下した。日本時間の本日17時36分から行われる決勝で、コアチーム入りをかけてイタリアと対戦する。

ロシアとは昨年6月のワールドカップ・セブンズで1分け1敗。「タイトな試合になる」という瀬川ヘッドコーチの予想通り、試合開始直後から、日本はなかなか自分たちのペースで試合を運べなかった。逆に、ロシアはインターセプトなどで2トライを先行。瀬川ヘッドコーチは「ハイテンポのラグビーをやりたかったが、あれで、ロシアののらりくらりとしたペースにはまってしまった」と振り返る。

日本は前半6分、自陣の右サイドで坂井が仕掛け、リターンパスを受けたレメキの独走トライ(坂井ゴール成功)で追い上げる。「あのトライの時、ロシアは全く足が動いていなかった。ハーフタイムで選手には『ボールさえ持っていれば逆転できる、規律を守って我慢しよう』と話した」と瀬川ヘッドコーチ。後半、確かに足が止まった相手に対して優位に試合を進めるものの、なかなか7点差を詰め切れない。しかし、終了直前、相手陣右の日本ボールラインアウトのこぼれ球を確保すると一気に縦に仕掛け、桑水流がゴールポスト下にトライ(橋野ゴール成功)して最後の最後に追い付いた。

試合は、サドンデス方式の延長戦に。延長開始直後、日本はロシアに自陣ゴール前まで押し込められる。ゴールラインを背にしたところでパスを受けた北川は相手数人に絡まれながら、ボールをしっかりキープしながら巧みなボディーコントロールでブレイクダウンに持ち込むと、ボールを相手から最も遠いところにしっかりとダウンボール。今季国内2冠のパナソニックで主力として活躍してきた選手らしい、「ラグビー力」の高い北川のプレーでボールをキープした日本は、相手の反則から速攻を仕掛け、最後は橋野が試合を決めるトライを奪った。

「ほっとした。ピッチで戦っていたメンバー、ベンチにいた選手ともに、勝ちたいという気持ちが伝わってきた」と坂井キャプテン。因縁の相手に対し、今大会初の競り合いを制したことに「以前なら延長にも持ち込めなかったかも知れないが、東京、香港(での2大会)を通じて選手がタフになり、焦らなかったことが勝因だと思う。ワンチャンスを活かしてトライを取りきったところが大きい」と振り返った。瀬川ヘッドコーチは「選手はよく戦ってくれた。東京セブンズでサドンデスを経験したのも大きかった」。イタリアとの決勝に向けては、「ここまで来たら(コアチームの座を)必ず取る。そのために準備をしてきた」と話した。

男子セブンズ日本代表「香港セブンズ」マッチレポート
 
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