後半、積極性を取り戻して猛追も
前半の消極さが響いて2点差負け

ラグビ―ワールドカップ・セブンズ2013がモスクワで開幕。
男子7人制日本代表は、後半スコットランドを追い詰めたものの、あと2点及ばず17-19で惜敗。
29日には、南アフリカ、ロシアと対戦する。

(text by Kenji Demura)

photo by H.Nagaoka
photo by H.Nagaoka

「あと、ちょっとだった。悔しいけど、次につながる敗戦」
悔しそうに、そうつぶやいたベテラン桑水流裕策の言葉が、全てを物語っているのかもしれない。
「全員、スコットランドに勝つイメージしかない」
モスクワ入り後に行われた豪州との練習試合で完敗した後も、強気な姿勢を崩さなかった瀬川ヘッドコーチの感触どおりに、後半ボールキープの時間が増えたジャパンは2分にロテ・トゥキリ、5分に江見翔太、7分に橋野皓介とトライを重ねて2点差に迫ったものの、最後のゴールキックが外れて、金星に届かなかった。

「最初のスコットランド戦が一番大事。そこに全力を傾ける(瀬川智広ヘッドコーチ)」
当然、「試合」の入りの部分が一番大事」なのもわかっていた。
それでも、後半3トライを取っても逆転できなかった事実が物語っているとおり、前半、日本らしいプレーができなかったことが、悔しい敗戦につながった。
「前半、ボールキャリアが前に行けてなかったので、いいブレイクダウンにならなかった」(同ヘッドコーチ)
ボールキャリア自身のミス、ブレイクダウンでのターンオーバー、ペナルティも重なってボールを失い、一気にジャパンゴールを明け渡し、後半1分までに19点をリードされた。
「スコットランドは前に出てこないDFなので、日本としてはアタックで仕掛けやすい」
そう分析していたのは豊島翔平だったが、前半、日本が仕掛ける場面はなかった。前述のとおり、ボールキャリーに勢いがなく、ブレイクダウンで後手に回ったことで勢いを失った。

photo by H.Nagaoka
photo by H.Nagaoka


「これがセブンズ」
坂井キャプテンの言葉どおり、いったん失った流れは、ハーフタイムまで戻ってこなかった。
それでも、後半の思い切りのいいアタックは大きな収穫。
「最初の何分間が消極的なプレーが続いていたので、僕が入って強気なプレーで、ボールもらったら仕掛けることだけを考えていた」
試合終了間際にトライを奪った橋野皓介が代弁したとおりに、後半途中出場した選手たちが、積極的に攻めると、試合は完全に日本のペースに。
「スペースに対してアタックで仕掛け出せば、ある程度攻撃できた。今日の後半のプレーを14分間続けられれば、残り2試合結果はついてくる」(瀬川ヘッドコーチ)
東京セブンズを制した南アフリカ、そして地元ロシアに攻め続ける姿勢を見せられるかどうか。
瀬川ヘッドコーチ率いる男子7人制日本代表が正念場を迎えることになる。

photo by H.Nagaoka
photo by H.Nagaoka
photo by H.Nagaoka